
原作:六つ花えいこ(Mノベルスf/双葉社)/イラスト:vient
巻数:小説は全2巻で完結/漫画(釜田)は既刊6巻
アニメ:2026年10月5日からAT-X・TOKYO MX・BS日テレほかで放送中
📖 小説
📕 漫画
「惚れ薬を作って欲しい」。ある夜、森の湖に建つ魔女の庵を、王宮勤めの騎士ハリージュが訪ねてきて、そう依頼します。庵の主の魔女ロゼにとって、ハリージュは4年間ひそかに想い続けてきた相手でした。惚れ薬を欲しがるのは、惚れさせたい相手がいるから。ロゼはそう受け止めて、その場で失恋します。
それでも依頼は断れません。ロゼが選んだのは、薬が完成するまでの時間を少しでも引き延ばすことでした。材料をひとつずつしか教えない魔女と、文句を言いながら毎回それを採ってくる騎士。やがて騎士は、材料とは関係のない差し入れまで持ってくるようになります。
『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』(略称『惚れ魔女』)は、2026年10月5日からアニメが放送中です。作品の魅力を原作の場面とメインキャスト2人の対談から紹介し、全2巻で完結している小説と、連載中の漫画のどちらから読むかもまとめます。
『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』はどんな作品?
ジャンルは、魔女と騎士の両片思いを描く恋愛ファンタジーです。片思いの切なさを軸にしながら、ロゼのボケとハリージュのツッコミで笑える場面も多いラブコメでもあります。原作は六つ花えいこさんが「小説家になろう」に2019年4月から2020年3月まで連載したWeb小説で、双葉社のMノベルスfから全2巻で書籍化されました(イラストはvientさん)。釜田さんによる漫画版はKADOKAWAのFLOS COMICから出ていて、シリーズ累計は100万部を突破しています。
連載を始めたとき、六つ花さんは作品をこう紹介しています。好きな人に惚れ薬を依頼された魔女が冒頭で失恋します。主役の2人はずぼら系女子と尽くし系男子です。じれじれします。両片思いです。
ロゼが暮らすのは、王都の外れの森の奥、湖に囲まれた小島の庵です。森との行き来は一艘の小舟だけで、客が対岸の小舟に近づくと、大昔の大魔女の魔法がかかっているという鐘が鳴ります。仕事は、客の依頼で特別な効力を持つ「魔女の秘薬」を作ること。ただ秘薬は高価でめったに売れないので、「こするとあたたかくなる薬」のような日用品の薬も作り、馴染みの商人に買い取ってもらっています。魔女だった母を早くに亡くし、一緒に暮らしていた祖母も4年前に亡くなって、いまはひとりです。
ロゼがハリージュに恋をしたのは、その祖母を亡くしてすぐのこと。初めてひとりで王都へ出た日、酒場の男たちが湖の魔女の死を喜び、「これからはもう心配しなくて済むな!」と笑い合うのを耳にします。ロゼはそこで、魔女が死んで喜ばれるほど疎まれていたことを初めて知りました。割って入ったのは、騎士団の藍色のマントを着たハリージュです。「魔女も人には違いない」と言い、男たちに「彼女が善き魔女であることを祈るんだな」と言い残して店を出ていきました。ローブを脱いで出かけていたロゼには魔女だと示すものがなく、お礼も言えないまま、その日、恋に落ちます。
4年後のある夜、そのハリージュが庵を訪ねてきて、冒頭の依頼を口にします。ロゼが「あいにくと惚れ薬は現在品切れしておりまして」とかわそうとすると、返ってきたのは「なら作れるのだな?」。代金は言い値で払う、時間がかかるなら待つ、と押し切られ、ロゼは惚れ薬を作ることになりました。
主要キャラクター紹介
ロゼ(CV:小松未可子)
“湖の魔女”と呼ばれる若い魔女で、物語の主人公です。人前ではローブのフードを目深にかぶって、表情を見せません。薬作りの腕は確かですが、それ以外のことには無頓着で、庵は散らかり放題です。
小松未可子さんは、月刊アニメージュ2026年11月号に載ったハリージュ役・阿座上洋平さんとの対談で、ロゼを「人とコミュニケーションを取らずに生きてきた結果、非常にモノローグが多いんです」と紹介しています。頭の中は饒舌なのに、ハリージュを前にしてあわてると語彙力が落ち、雑な言葉が飛び出す。この落差が、ロゼを見ていて飽きないところです。
ハリージュ(CV:阿座上洋平)
王宮勤めのエリート騎士で、フルネームはハリージュ・アズム。名門アズム伯爵家の出で、近衛騎士として王女ビッラウラの警護についています。生真面目で、口調はぶっきらぼう。その顔立ちの良さは、ロゼの心の声に言わせれば「顔面兵器」です。「ある事情」から、噂に聞く湖の魔女を訪ねて惚れ薬を依頼しました。
対談での小松さんの見立ては「いい意味で堅物です。しっかりした常識人で、顔が良いのに強面で、ピュアでネガティブ」。第1話の収録で阿座上さんが受けたディレクションは「もうちょっと最初は怖い感じ、堅物さを出してください」。第1話のハリージュの硬さは、話が進むにつれて少しずつほどけていきます。
ティエン(CV:下野紘)
祖母の代から湖の庵に出入りしている商人で、生活用品を売りに来ては、ロゼの作った薬を買い取っていきます。ロゼにとって気心の知れた数少ない相手で、身なりに無頓着なロゼが新しいローブを欲しがった日には、生地を山ほど持ってきました。ロゼが誰かを意識していることも、ティエンにはお見通しです。
演じる下野紘さんは公式サイトのコメントで、ティエンは「兄のような、父のような存在」で、「一見、胡散臭そうに見えますが、結構優しいキャラクター」と語っています。
ビッラウラ(CV:関根明良)
マルジャン国の王女。年若いながら聡明で、慈愛に満ちた人柄から周囲の尊敬を集めています。近衛騎士のハリージュとは幼いころからの付き合いで、彼を兄のように慕っています。
ここがすごい!『惚れ魔女』のおすすめポイント4選
① 失恋から始まる恋。魔女は材料を「ひとつずつ」しか教えない
阿座上さんの言葉を借りれば、「失恋は本来、起承転結で言うと結」。『惚れ魔女』は、その「結」を1ページ目に置いた物語です。
失恋したロゼにできるのは、薬ができあがるまでの時間を延ばすことだけ。そこで材料をまとめて伝えず、ひとつ届くたびに次を頼みます。断崖絶壁の崖にしか咲かない花の花粉、天から最初に落ちてくる雨粒、どえらい悲鳴をあげる薬草の根、襟巻き蝙蝠の超音波で酔わせた火鼠の肝。漫画1巻の第1話では、とうとうハリージュが「どうして一度にまとめて言えない!?」と声を荒らげますが、ロゼの次の注文は「虹色のキリギリスの触角ですね 必ず満月の夜にむしってきてください」。満月は先週終わったばかりだと言われても、返事は「そうですね」です。
意地悪でやっているわけではありません。このときのロゼの心の声は「好きになって欲しいなんて考えてもいない」「ほんの少しでも覚えてもらえたら それでいい」、そして「ちょっとのずるさはご愛敬」。阿座上さんはこの時間稼ぎに「この感覚、なんかわかるなと思って」と共感し、「まだ離れたくないという気持ちが人間らしいじゃないですか」と続けています。
② 嘘をつけない魔女の心の声を、騎士は知らない
この世界の魔女には、人に知られてはならない秘密があります。魔法という嘘を使う代償に、魔法以外の嘘がつけないのです。魔女が愛想なく不気味にふるまうのは、それを見破られないため。嘘はつけなくても、本当のことを隠したり話をそらしたりはできるので、ロゼもフードで顔を隠し、言葉に気を配りながら、ひとりで生きてきました。
そのため、ロゼが口にする言葉は、たいてい心の声よりずっと控えめです。漫画1巻(Amazon Kindle/楽天Kobo)から、いくつか並べてみます。
| 場面 | ロゼの心の声 | 口から出た言葉 |
|---|---|---|
| 材料を届けに来たハリージュを出迎えて | 「いつ見ても顔がいい」 | 「お願いしていた品は入手出来ましたか?」 |
| やせた腕をつかまれて | 「近い 睫毛長い 顔がいい」 | 「そんな馬鹿な……」 |
| 祖母の食器を戸棚から出して | 「これを貴方用の食器にしようと思って」(と言いかけて) | 「お客様も増えてきたので 使える食器を増やしておこうかと」 |
| 顔を見せないのかと聞かれて | 「顔を隠さないといけない相手が貴方なんです!」 | 「防犯対策でもあるわけで……」 |
ハリージュには、もちろんこの心の声は聞こえていません。阿座上さんは収録中、あえてロゼのモノローグをあまり聴かないようにしていたといいます。理由は「ハリージュはロゼのモノローグを知らないので、聴いてしまうと引っ張られてしまいそうで」。小松さんの返しは「ロゼのモノローグは、全部想いが出ているもんね(笑)」でした。ロゼの心の声も、ハリージュ視点の回で明かされる彼の胸の内も、両方見えているのは読者と視聴者だけです。
隠しきれずに口から漏れることもあります。大声を出したことを謝られて、ロゼが返したのは「…いえ 眩しくて」。聞き返されると「お客さん顔がいいから」。ハリージュは「何を言っているんだ」。小松さんいわく、ロゼには「今まで自己完結させてきたボケとツッコミがきっとあって、ハリージュとの会話で意図せず表面化していく」。
③ 主食はレタス。騎士は頼まれてもいない差し入れを運んでくる
小説1巻(Amazon Kindle/楽天Kobo)の冒頭、ハリージュが「惚れ薬を作って欲しい」と口にした瞬間、ロゼは驚きのあまり、手に持っていたレタスを無意識にくわえています。ロゼの食事はほとんどが庭の畑のレタス。畑に植わっている野菜はレタスだけで、調理しなくても食べられるからです。漫画1巻でそれを知ったハリージュは「レタスしか食べてないのか?」と聞き返し、ロゼの腕をつかんで「…鶏の脚の方がまだもう少し肉がついているぞ」。
次にハリージュが庵に来たのは、約束のひと月も経たない昼間でした。抱えてきたのはパンの籠と林檎のバター。「ろくな物を食べていなかっただろう」「もう少し肉をつける必要がある」と言われたロゼは、「そんなことの為に 昼だというのにわざわざ?」と驚きながら、心の中で「街でパンを見て 私に買ってやろうと思ってくれたんだ」と噛みしめます。ハリージュはその後もタルト・タタンを持ってきて、茶葉まで用意します。六つ花さんがWeb版につけたキーワードには、「餌付けヒーロー」の一語があります。
阿座上さんは、ハリージュの魅力を「当然のように差し入れを持って行くとか、なにか食べさせてあげようとするとか、彼には計算していない優しさがあります」と表しています。差し入れのたびにロゼの心の声は大騒ぎなのに、口から出るのは「……ありがとうございます」。②で見た心の声と口に出す言葉のずれが、いちばん甘く働く場面です。
④ “魔女”であることが、恋の足枷になっている
笑える場面の多い作品ですが、根っこには孤独があります。4年前の酒場でロゼが知ったとおり、この世界の魔女は、死を喜ばれるほど疎まれる存在です。ロゼ自身、ハリージュが会いに来るのは「私」ではなく「魔女」なのだと、自分に言い聞かせています。
そんなロゼに、ハリージュは少しずつ踏み込んできます。漫画1巻の終わり近く、フードで顔を隠したがるロゼに向けて、彼はこう言います。「あんたが顔を見せながら話が出来る相手は 俺だけじゃないか」。嘘をつけないことを隠して生きてきた魔女が、その言葉にどう応えるのか。その答えで、1巻は幕を閉じます。
結末まで2冊の小説か、小説1巻を4冊で描く漫画か
原作小説は全2巻で、2019年10月に1巻、2020年3月に2巻が出て完結しています。紙の本は品切れ(重版未定)になっていて、いま新品で手に入るのは電子書籍です(2026年10月時点)。電子版の1巻には、電子限定の番外編「睨み付けられた蛙と、魔女の靴」も入っています。
漫画は釜田さんの作画で、既刊6巻(最新の6巻は2026年2月発売)。カドコミで連載が続いています。4巻までで小説1巻の物語を描き、5巻から小説2巻の章に入りました。この記事で紹介した場面は、小説冒頭のレタスを除けば、ほとんどが漫画1巻に入っています。1巻のあとがきで釜田さんが「ロゼの表情変化は乏しくも、内面の騒がしさ…が描いていて楽しいです」と書いているとおり、②で並べたような心の声と真顔の落差を、絵で追えます。
早く先を知りたいなら小説1巻、絵で読みたいなら漫画1巻から。どちらの1巻も、アニメ第1話と同じ、惚れ薬を頼まれる夜から始まります。

📖 小説(原作)
全2巻で完結。電子版の1巻は、番外編「睨み付けられた蛙と、魔女の靴」入りです。

📕 漫画(釜田)
1巻は、失恋の夜から、騎士がパンやタルト・タタンを差し入れるようになるまで。
アニメ『惚れ魔女』の放送・配信情報
原作を読んだときの感覚を、小松未可子さんはアニメ公式サイトのコメントで「本を持つ指先が甘くビリビリと痺れたあのときめき」と書いています。放送が始まった10月5日、六つ花さんは活動報告で、小松さんが「ときめくと指の先が痺れる」と話したことに触れ、「それはまさに、私が文字を書く理由だったからです」とつづりました。恋にじれじれもだもだしたとき、手のひらが痺れる。六つ花さんは、その感覚を読む人にも味わってほしくて書いています。
アニメ化を引き受けるとき、六つ花さんは「全力で携わろう」と決めて、制作に意見を伝えてきました。同じ放送日の活動報告には、制作スタッフが「惚れ魔女」の温度感や空気感を「とても丁寧に汲み取ってくださいました」とあり、湖や庵、薄暗い部屋を照らすランタンの灯りの美しさを挙げています。
| 放送 | AT-X 10月5日(月)より毎週月曜21:30〜/TOKYO MX 毎週月曜22:30〜/BS日テレ 毎週月曜23:00〜/RKB毎日放送 毎週月曜27:00〜/MBS 10月6日(火)より毎週火曜26:30〜 |
| 配信 | U-NEXTほかで10月5日から毎週月曜22:00に先行配信/ABEMA・Prime Video・Huluほかで10月10日から毎週土曜22:00に配信 |
| 話数 | 全12話 |
| 原作 | 六つ花えいこ(Mノベルスf/双葉社)/イラスト:vient |
| 漫画 | 釜田(FLOS COMIC/KADOKAWA)/キャラクター原案:vient |
| 監督 | 草川啓造 |
| シリーズ構成 | 渡航 |
| キャラクターデザイン | 石川雅一 |
| 美術監督 | Scott MacDonald |
| 音響監督 | 立石弥生 |
| 音楽 | 松村颯士 |
| アニメーション制作 | ディオメディア |
| オープニングテーマ | センチミリメンタル「かなわない、」 |
| エンディングテーマ | レイニ「まだ嘘にならない」 |
| キャスト | ロゼ:小松未可子/ハリージュ:阿座上洋平/ティエン:下野紘/ビッラウラ:関根明良 |
U-NEXTでは10月5日から毎週月曜22時に、ほかの見放題サービスより5日早く最新話が配信されます。プライムビデオ・ABEMA・Huluは10月10日から毎週土曜22時の更新です。ABEMAは第1話と最新話(期間限定)が無料で、全話を見放題で観るならABEMAプレミアム。Huluは定額の見放題サービスで、対象作品は1話ごとの追加課金なしで視聴できます。U-NEXTを初めて使う方は31日間無料トライアルの対象です(配信が確認できたもののみ掲載しています)。
プライム会員でない方は、30日間の無料体験から始められます。
※本ページの配信情報は2026年10月21日時点のものです。ABEMAで無料で観られる範囲を含め、最新の配信状況は各公式サイトでご確認ください。
よくある疑問に答えます
原作は完結していますか?
小説は全2巻で完結しています(2巻は2020年3月発売/小説:Amazon Kindle/楽天Kobo)。Web版(「小説家になろう」・全77話)も完結しています。漫画は既刊6巻で、カドコミで連載中。7巻の発売日はまだ発表されていません(2026年10月時点)。
惚れ魔女はプライムビデオ(アマプラ)で観られますか?
観られます。プライムビデオでは10月10日から毎週土曜22時に見放題で配信されていて、プライム会員なら追加料金なしで第1話から観られます(プライムビデオの作品ページ)。
こんな人におすすめ!
- 失恋から始まる、両片思いのじれったい恋の話が読みたい人――本心を言えない魔女と、堅物の騎士。毎日のように顔を合わせているのに、互いの気持ちが見えていません
- 真顔でボケるヒロインと、反射でツッコむ相手役の掛け合いが好きな人――「美しい男のため息は薬の材料になりますから」に「絶対に言うものか!」
- ぶっきらぼうなのに世話焼きな騎士が好きな人――レタスばかり食べている魔女のもとへ、パンや林檎のバター、タルト・タタンを運んできます
- 原作を最後まで手早く読み切りたい人――小説は全2巻で完結しています
- 『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』のように、ごはんを介して距離が縮まっていく恋の話が好きな人
まとめ
『惚れ魔女』は、好きな人に惚れ薬を頼まれて失恋した魔女が、薬ができるまでの時間を少しでも引き延ばそうとする物語です。嘘をつけない魔女は本心を口にできず、心の声ばかりがにぎやか。そこへ生真面目な騎士が、頼まれてもいない差し入れを手にやってきます。
アニメでやきもきしたら、全2巻で完結している小説か、釜田さんの絵で読める漫画を、1巻から開いてみてください。
惚れ薬が完成するまでの、ほんの少しの猶予。その時間が二人をどこへ連れていくのか、答えは魔女の庵にあります。
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原作の小説は全2巻で完結。失恋の夜から二人の物語の結末までを、2冊で読めます。

釜田さんの漫画は6巻まで刊行中。レタスばかり食べている魔女と、パンの籠を提げてくる騎士を、絵で1巻から。
第1話から見放題で追うなら、U-NEXT・プライムビデオ・Hulu。まず1話だけ試すなら、ABEMAの無料配信でも観られます。
※本ページの配信情報は2026年10月21日時点のものです。最新の配信状況は各公式サイトでご確認ください。

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