『理系が恋に落ちたので証明してみた』をおすすめしたい!

イントロダクション

『……私、貴方のこと好きみたい』

理系の最高学府『国立彩玉大学』に通う理系大学生の才女『氷室菖蒲(ひむろ あやめ)』は、同じ池田研究室の『雪村心夜(ゆきむら しんや)』告白しました

当然その『好き』に論理的根拠なんてありません。

しかし、理系は恋に落ちても、定義がはっきりしないと気が済まない

好きの定義とは、何を証拠に好きだと判定したのか。

理論的に好きを証明できなければ、好きとは言えないし、理系としても失格です(個人差はあります)

その信念をもとに、互いに好意を抱いている2人は研究室のメンバーを巻き込んで『恋』の定義に関する証明実験を始めました

デート実験、好きの構成要素の解明、心拍数計測実験、ムード値の計測、感情カウンター、唾液測定など。

証明に必死のため、カメより進みが遅い恋の行方はどうなるのか。

個性的過ぎる愛すべき理系たちが清く正しく『恋』を理論的に証明する理系ラブコメディ『理系が恋に落ちたので証明してみた』をおすすめしようと記事にしました。

『山本アリフレッド(敬略称)』による漫画作品。ジャンルは『ラブコメディ、理工学』

略称は『リケ恋』

元々は『もしも天才科学者が恋をしたら』のタイトルで2015年10月15日にニコニコ静画へ投稿された一枚絵の漫画作品です。『pixiv』では『理系が恋に落ちたので分析してみた。』のタイトルで2016年3月9日に投稿されています。

第2話のタイトルが『理系が恋に落ちたので証明してみた』です。

それがweb漫画サイト『COMICメテオ』に読み切りとして掲載した後に、読者からの好評を得て僅か2か月で連載化が決定しました。

現在では『COMICメテオ』『pixiv』『ニコニコ静画』で連載中です。

コミックスは『フレックスコミックス〈メテオCOMICS〉』にて既刊12巻まで発売しています(2022年5月30日現在)。13巻は2022年6月10日発売予定です。

2017年に行われた『第3回 次にくるマンガ大賞・Webマンガ部門』で6位(993作品中)を受賞しています。

2020年1月の時点で累計発行部数100万部を突破しました。

テレビドラマ化、実写映画化、アニメ化が行われています。

テレビドラマは『リケ恋〜理系が恋に落ちたので証明してみた。〜』のタイトルで2018年9月から全4話で放送されました。主演は『西銘駿(雪村心夜役)』『浅川梨奈(氷室菖蒲役)』です。

テレビドラマの続編として『劇場版 リケ恋 理系が恋に落ちたので証明してみた。』が2019年2月に公開されました。

テレビアニメは『株式会社ゼロジー』によって制作され、第1期が2020年1月から、第2期が2022年4月から放送されています。

本作の魅力について、

氷室菖蒲役の『雨宮天』は『理系の要素や知識を話の中に組み込んでコメディにするっていうのは今まで読んできたどれとも違う、すごく面白いテーマだなと。「そこがあったんだ!」っていう。あと、嫌いなキャラが1人もいないんです。出てくるキャラ出てくるキャラ、みんな個性が強いのに愛らしくて。よくある、最初は印象悪くて最終的にいい奴だとわかる的なパターンがこの作品には全然ないですね。最初からみんな好き、みたいな』

とコメントしています。

 

あらすじ(序盤のネタバレあり)

これは研究に情熱を捧げる理系達の物語。

数理学を愛する者達が集う『国立彩玉大学理工学研究科』に通う大学院1年の美女『氷室菖蒲』は、同じ池田研究室に所属する大学院1年生『雪村心夜』に告白しました。

背中を向け合い、パソコンで作業をしながらです。ムードも何もありません。

理系なので騒ぎ立てることはなく、カタカタとキーボードを叩く音が室内に響きます。

ただ2人のパソコンの画面では『くぁwせdrftgyふじこlp(雪村)』『ああああああああいっちゃたあああああ(氷室)』の文字が踊り狂っていました。

何の前触れもない告白に、雪村は真摯に返事をしますが、途中で『好きの定義』に疑問が生じて、自分を好きと判定した証拠を氷室に求めました。

氷室も確たる証拠もなく好きと判定するのは理工学専攻失格と言い『氷室菖蒲が雪村心夜を好きであると判定した証拠』を円グラフにして提示します。

自分が好きになった理由(一緒にいると鼓動が早まる24.2%、夢に出てきた19.8%、考え込む姿に見惚れてしまった17.2%など)が割合で表示されている円グラフに、思ったより恥ずかしくなりながらも、それは氷室の主観であると雪村は指摘しました。

それを受けて氷室は『氷室菖蒲は雪村心夜を好き´(ダッシュ)である』と仮定します。『好き=好き´』を証明したいが、それは一般的な好きな証拠と一致するのか、と考え込む雪村に見惚れる氷室でしたが、お互いの視線に気づき2人揃って顔を背けました。

次の証拠として『雪村を強く意識したのは夢に出てきてから』と氷室は説明しますが、夢に出てきた程度で意識するのはおかしい『夢に氷室が出てきたことぐらい俺もある、夢の中で何があった?』と雪村は質問します。

氷室から帰って来た答えは『手を繋いでいた』です。ついでに雪村の夢に氷室が出てきた時も『手を繋いでいた』でした。

2人はこの共通項が偶然か、それとも関連性があるかを考えます。

そして、告白前に出かけていた後輩が研究室に戻って来ると、2人でホワイトボードに向き合い、『恋愛的行為は判定問題(決定問題ともいい、「はい」か「いいえ」で答えられる問題)に定式化できる』という考えに至っていました。

好きの判定には証拠が必要です。一般性のある好きの条件を見つけだし、チューリングマシン¹を構成できるなら、『氷室が雪村を好きかどうか』『雪村が氷室を好きかどうか』も判定できます。

1……仮装定的な計算機、これを複雑にしたものが「コンピューター」と呼ばれている。恋愛の場合は①好きになった理由を入力する。②一般的な条件を用意して、それが好きであるか判定する。③一定以上YESかNOで「好き」か「好きではない」かを判断する。

恋愛も所詮は数字と情報の集合体であり、この恋が0か1か証明する一大研究が始まりました。

その様子を見て、後輩は『何言ってんだこのバカップル』と不安に思うのでした。

 

作風・感想

この作品は、人生初の恋心の証明に挑む理系大学院生の男女が、恋愛を定義するためにさまざま実験を繰り返すラブコメディです。

夢もへったくれもないスーパー理系

物語の軸となる長編と番外編の2つで構成されており、番外編は幕間的な小話もあれば、身近な疑問、ドッペルゲンガーといったうわさ話、御伽噺を理系が夢もへったくれもない考え方で解いていく話もあります。

作者の『山本アリフレッド』は理系出身²であり、当時の経験や研究時代の仲間から話を聞いて『理系あるある』ネタをイメージすることが多いそうです。

2……埼玉大学工学部 情報システム工学科卒業。同大学院理工学研究科博士前期課程修了

またこの作品はあくまでフィクションであり、作中の理系はスーパリケイ人であることが作者から語られています。そのため全ての理系がここまで極端な思考回路ではなく、理系の恋愛はこんなのじゃないそうです(そもそも女子が少ないのでカップルが成立しない)。そして、主要人物たちが薬品をほとんど使わない情報系なのに白衣を着ているのは作者の趣味

理系だけどエンタメ

本作は作者が編集部にいくつか企画を持っていっても通らず、困っていた時期にいくつか1ページ漫画を描き、Twitterに投稿する実験を行ったところ、その一つ『もしも天才科学者が恋をしたら』が好評になったのが始まりです。

そこからどんなところが面白かったのかを考えて『恋愛という情緒的・感情的なものを理系的な観点で説明しているから、それがちょっと間抜けな感じで面白くなる』と思い、理系をテーマにした『理系が恋に落ちたので証明してみた。』が誕生しました。

読者の中には理系読者も居るようで、まつげの長さを測るシーンで『定規(直線を書く器具)ではなく物差し(スケール)を使わんかい』と土木工学系の理系読者に怒られたことがあるそうです。

研究や理系の理論など学問が題材になっていますが、あくまでエンタメであり、学問そのものを正確に理解してもらうのではなく、広く浅く作者が面白いと感じたところを読者にも面白く感じてもらえるように描かれています

また身近だけどちょっと疑問に思うこと³を具体例にすることで、専門外の人にも興味を持ってもらいやすくなる『わかりやすい入り口をつくる』ことを意識しているそうです。

3……結婚前にウェディングドレスを着ると結婚が遅れるのはなぜ? 課金ガチャで確率が1%なのに100連回しても出ないのはなぜ? など

 

登場人物

雪村心夜

本作の主人公の1人。国立彩玉大学の理工学研究科大学院1年生。23歳。

身長177cm(+3cmのローファーを履いている)。

元々の研究テーマは回路の故障診断→TSP(巡回セールスマン問題)→グラフ理論全般。

骨の髄まで超理系の天才型であり、幼い頃から神童と称された頭脳の持ち主です。

この世の事象は何事も明確に定義して、システムを解明しないと気が済まない性質であり、雪村が好きの定義に疑問を抱いたこと話がややこしくなったため、本作の元凶とも言えます。

信念を持って努力を怠らず、結果を出してきた自信家で、自分が正しいと思った事は貫き通し、誰に何と言われようとも揺るぎません

自他共に厳しく、自分が認めた人間以外は容赦なく見下しますが、他人の気持ちを理解できないような冷たい人間ではありません。言動こそ変わりませんが、身内と認めた人間にはやたら面倒見がよく、傷けられた時は尊敬している人物や凶器を持った相手でも怒りを露わにしました。ただ感情を表に出すことについては『理性的ではない行動は氷室からの評価が下がる』として忌避しています。

徹底したインドア派で置いてあるボールを蹴れず転倒するほど運動神経がゴミであり、初期設定では腕相撲で女子に負けていました。そのため色白であり、胸はレフ版と言われています。またコスプレイヤーの実力もありますが、女装した際は絶世の美女になり、魅力度を計測する企画で暫定1位になっていました。

恋愛経験がないどころか、研究室に来るまで女性とまるで関わりのない半生だったため、女性が近くに居ると緊張で心拍数が激増する有り様であり、氷室との距離が物理的に縮まると日和って逃げることもあります(性のレベルは中学生男子並)。

一方で実験のためならデリカシーが欠けた発言や行動が多く(人目がある飛行機の中で氷室の唾液を摂取しようとする。氷室の好みを確認するために生理周期を訊くなど)、氷室から制裁を受けることもしばしばです。

氷室のことは一途に想っており、『氷室の恋心を明確にするためなら、いくら嫌われても構わない』と断言できるほど、雪村なりの真摯さを見せています。

口癖は『憶測で物事を確定するな』

偏頭痛持ちで、大豆バーのブルーベリー味がお気に入りです。

 

氷室菖蒲

本作の主人公の1人。国立彩玉大学の理工学研究科大学院1年生。23歳。

身長170cm(雪村の上から見下して来る目線がムカついたので+8cmのヒールを履いている)。

元々の研究テーマはTSP(巡回セールスマン問題)。

骨の髄まで理系。成績優秀、天才型であり、いかなる時も冷静沈着に振る舞い、氷のように鋭い頭脳を振るいます。

雪村と同じく、この世の事象は何事も明確に定義して、システムを解明しないと気が済まない性質です。

『いかなる時も凛として冷静で理知的である。それが私の目指す理系』であることを信条としており、綺麗で優秀で非の打ち所がありません。

一方で恋愛方面は雪村と同様にポンコツですが、感情的で素直な面があり、実験にかこつけて甘えようとするなど積極性があります

酔っ払うとその面がさらに強調され、人目も憚らず雪村に甘えだしました(酔いが覚めると記憶を失くす)。

小中高といじめを受けていた経験があり、小学校の頃は暗い性格でしたが、とある理系の少年と出会ったことで立ち直ります。

ひたむきな努力家で聡明ですが、性根は極めて優しく人当たりが良いです

嬉しいと後ろ髪の一部をポニーテールにした部分が尻尾のように揺れ動きます

いちごが好きで、子供の頃からダンゴムシに関わる実験をしており、今でも趣味でダンゴムシとワラジムシを判別するAIを作っていました

雪村のことは一途に想っており、雪村が似合うと言った服を、リストアップして、ラベル付けして、教師データとしてニューラルネットワークコンソールに読み込ませて学習を行わせて、入力した服装が彼の好みかどうか判定してくれるAIを作り、高数値が出た服を選んでいます。

 

まとめ

筋肉むきむきでナイフを握りつぶす先生や、手を触れずにバスケットボールを破壊、25m先の石を粉砕するノーベル賞受賞者が出てきますが、全員一介の理系大学教授として扱われます。

気になった方は是非一読してみてください。

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