『オーバーロード』をおすすめしたい!

イントロダクション

我が名を知るが良い。我こそがアインズ・ウール・ゴウン

広大な世界と高い自由度を誇るDMMO-RPG体験型大規模オンラインRPGユグドラシル(VRゲーム)』。一時は爆発的な人気を博しましたが、次第に低迷してサービス終了が決定しました。

そして最終日、ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』に所属する41人のメンバーと力を合わせて作り上げた『ナザリック地下大墳墓』で、ギルド長『モモンガ』はサービス終了の瞬間を待っていました。

かつては最強に類するギルドでしたが、ほとんどのメンバーは引退し、久しぶりにログインしてきた仲間も仕事の都合で帰ります。

たったひとりでサービス終了の時刻を迎えたモモンガでしたが、おかしなことに気づきます。

時間になってもゲーム世界が消えておらず、サーバーダウンの延期を疑いますが、運営に問い合わせができません

さらにギルドメンバーが自作したNPCが、まるで生きているかのように動き、思考して話しかけてきました。

異様な状況に、モモンガはNPCに命じてギルド周辺の地理を探索させます。

その結果、ゲーム『ユグドラシル』ではなく、どこかの異世界に『ナザリック地下大墳墓』ごと転移したことが判明しました。

戸惑うモモンガでしたが、家族、友人、恋人もいない元の世界に未練はなく、『かつてのギルドメンバーが自分と同じように転移しているのではないか?』と考え、自身の名を『アインズ・ウール・ゴウン』と改めて動き始めました。

圧倒的なスケールで送る最凶のダークファンタジー『オーバーロード』をおすすめしようと記事にしました。

『丸山くがね(以下敬略称)』による小説作品。イラストは『so-bin』

ジャンルは『異世界、ダークファンタジー』

2010年5月に小説投稿サイト『Arcadia』で連載が開始され、後に『小説家になろう』でも投稿されています。

2012年7月から『KADOKAWA(エンターブレイン)』より書籍版が刊行開始されました。

web版と書籍版ではストーリーやキャラクターの結末が大きく異なり、並行した状態で連載が続いています。

小説は『KADOKAWA』 にて、既刊16巻まで発売中です。

シリーズ累計発行部数は1100万部を突破しています。

メディアミックスとして、漫画、アニメ、ゲーム化が行われました(書籍版ベース)。

漫画版は『月刊コンプエース』にて、作画『深山フギン』により連載中です。

コミックスは既刊17巻まで発売しています。

スピンオフのギャグ4コマ『オーバーロード 不死者のOh!』も同誌にて、作画『じゅうあみ』、監修『丸山くがね』により連載中です。

コミックスは既刊10巻まで発売しています。

アニメ化は『株式会社マッドハウス』で行われています。

原作第3巻(プロローグ、カルネ村編、冒険者モモン誕生、謎の裏切り)までを映像化した第1期が2015年7月。

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2017年に第1期をもとにした劇場版総集編が前後編で公開されました。

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原作6巻(蜥蜴人編、王国動乱編)までを映像化した第2期が2018年1月。

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原作9巻(カルネ村再び、地下墳墓侵入者編、蹂躙編)までを映像化した第3期が2018年7月。

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原作10、11、14巻(帝国編、ドワーフ編、滅国の魔女編)を映像化した第4期が2022年7月。

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原作12、13巻(聖王国編)は、完全新作劇場アニメとして制作が発表されています。

本作の魅力について、

ライター『はるのおと』は『キャラクターの個性が強い。主人公であるアインズの見た目は『骨』で、たとえ作品を未見であっても忘れないほどのインパクトに目を奪われる。さらにその『骨』が、強力な配下を率いて威風堂々と世界征服に乗り出す。その一方で内心はビビっているというギャップがユニーク。またダークファンタジーが基調ではあるものの、ギャグ的な要素も強烈』

とコメントしています。

 

あらすじ(ネタバレあり)

アインズは自分と同じように転移しているかもしれないギルドメンバーと再開するべく、『アインズ・ウール・ゴウン』の名声を高める計画をスタートしました。

まず慎重に情報収集から始めたアインズは、現実である異世界と『ユグドラシル』のシステム(魔法)が混在していることから、自分と同じ転移者が過去に現れていることを把握します。

さらに現地人とナザリックでは、大きな実力差がありながら、被害を及ぼしうる未知の敵がいると分かりました。

アインズは自分と同じ転移者か正体不明の敵、未知の技術の可能性に備えるため、ナザリックの強化および実験を繰り返します。

その途中、不用意に口走った言葉が配下たちの中で『世界征服』として昇華され、圧倒的な実力差で侵略が始まりました。

アインズは配下たちの勢いに内心あわあわしながら、『アインズ・ウール・ゴウン魔導国』の建国など、異世界に多大な影響を及ぼしていきます。

 

作風・感想

本作は『異世界転移(トリップ)モノ』であり、主人公が魔王サイドとして現地人を徹底的に蹂躙していくストーリーが特徴です。

ダークファンタジーに該当する作風で、『苦痛なき死が一番マシ』と言われるほど残酷なシーンが多数あります。しかも、それが主人公たちによって引き起こされるのが特徴です。ただ主人公たちは悪逆非道ではなく、自分達の目的を果たすために行動しています。そもそも身内以外に一切の興味がなく、目的を果たすために仕方なく俗世と関わっている感覚です。そんな『悪意なき悪意』からくる極悪な行いが見所です。

世界の成り立ちに始まり、国家、種族、文化、社会、果ては魔法、アイテムの種類まで、緻密にして膨大な設定量でスケールがデカく、どれだけ読み込んでも底が見えない奥深さを堪能できます。それでいて設定を読む作品ではなく、清々しいほど残虐なシーンは爽快で、ユーモアが随所に溢れています。

そんな広大な世界を様々な視点から楽しめるのも特徴の1つです。主人公だけでなくナザリックの配下、各国の王やその側近、王国民から田舎の村人、異形のモンスターまで視点が幅広く、その人物の生い立ちから周囲の関係、今後の人生まで事細かに描かれます。

結果として登場人物が多く、アニメ化した際は『全話に登場しているキャスト』がアインズも含めていないと言われたほどです。その分、登場人物1人1人が深く作り込まれており、パッと名前が浮かばずとも『何をしていたか』でどのキャラクターかわかります

テーマは『弱肉強食』

主人公サイドとその他では、圧倒的な実力差があります。

主人公たちは奪う側で、その絶対的な力は、異世界の現地人を強者弱者関係なく一括りにできるほどです。

蹂躙される現地人は、平和に過ごしている者もいれば、悪人もいます。自分は奪う側だと確信している者、負けないと実力に自信がある者、自らの愚かさで破滅しながら理解できていない者、それらを遥か高みから一方的に脅かし、時には利用していく姿が痛快です。

力無き民の代弁者である英雄、勇者的な存在も例外ではなく、彼らの視点で応援したくなるような物語が描かれるため、生き残るか蹂躙されるか、その結末にハラハラします

この『どんな結末を迎えるか』も面白さの1つで、善行を重ねていてもアッサリ死んでしまったり、偶然が重なって生き残ったり、生き残っても上述のような『死んだ方がマシだった』展開が待ち受けているなど、そのキャラクターの終わりが想像できません。人生なにがあるかわからない、それを強く感じます。

基本的に蹂躙する側の主人公ですが、思い通りに物事が進んでいるかと言われれば、そうでもないのが物語に起伏を生んでいます。元々は一介のサラリーマンであるため、人間嫌いが多くやりすぎな配下の手綱を握るのに苦労したり、国の運営に四苦八苦するなど、内心では焦っているのが笑い所の1つです

偶然と誤解から起こる群像劇

主人公は元サラリーマンであるため、行動する時に深く考えていない場合があります。ただ絶対的な力と地位を持っているので、周囲の配下が『この方の行動にはすべて意味がある』と深読みして話の規模が大きくなったり、周辺諸国も『あの化物はなにか考えているに違いない』と誤解を重ねる姿が面白いです。

主人公の何気ない発言を聞いた配下や知恵者が深読みして、誇大解釈した末に実行、主人公が内心で『え、なにそれ知らない』状態になる滑稽さがクセになります。

ただ売らなくてもいい喧嘩を売って滅ぶことも多く、その規模も個人から酷い時は国1つとドミノ倒しのように広がるため、人間の愚かさがよく描かれています。

反対に、本人のあずかり知らぬところで偶然が重なり、本当は命の危機だったにもかかわらず、救われているパターンも少なくないです。

生き残るために力と知恵と勇気を絞っても、退場する時はアッサリ退場する呆気なさが、この物語の世界観を強く印象付けています。

登場人物

モモンガ(プレイヤー名)。アインズ・ウール・ゴウン(異世界で改めた名)

本名は『鈴木悟(すずきさとる)』で、職業はサラリーマン。

ゲーム時代に作ったアバター姿(骸骨のアンデット)のまま、異世界に拠点『ナザリック地下大墳墓』ごと転移しました。

温厚な性格ですが、人外の身になった影響で、人間に対する同族意識が消えています。そのため無益な殺生は好みませんが、ナザリックの利益になるなら大量殺戮を平然と行います

物語序盤に『ナザリックをまとめる絶対の支配者』というキャラ作りをしてしまい、それに見合った行動を余儀なくされています。ただ中身は一介のサラリーマンであるため、その頃の知識が役に立たない場合は勿体つけた言動で話を伸ばし、周囲の知恵者に上手いこと丸投げするのが定番です。

ギルドメンバーと一緒に作った『ナザリック地下大墳墓』とNPCたちのことは、我が子のように想っています。彼らとナザリックの誇りを傷付ける存在には激情を露わにして、苛烈な報復行動を取ります。

内政は苦手ですが、ゲームプレイヤーとして戦闘する場合は知恵が回り、強大な力に驕ることなく冷静に相手を追い詰めます。基本は情報収集に始まり、対抗手段を整え、戦闘時には油断を誘うための会話運びと容赦がないです。

この慎重さは欠点でもあり、相手を過大評価して凡ミスする時があります。その慎重過ぎる姿に周囲が深読みして、変な方向に話が転ぶことも多いです。

石橋を叩く慎重さは自己評価の低さから来るもので、戦闘力に関しては強い自負がある反面、『自分が出来る事・思い付く事は相手にも出来る』という考えを持っています。

また自分のことを内心で『無能』だと卑下する場面も多く、いつか『ナザリックをまとめる絶対の支配者』としてのメッキが剥がれることを恐れています。

まとめ

色んなキャラクターが生きていて、呆気ない結末を迎えたり、幸せになったり、一方的に人生が蹂躙される残酷で残虐なシーンが癖になります。

気になった方は是非一読してみてください。