「名前も身体も借り物だけど、この恋心だけは私だけのもの——」
『レプリカだって、恋をする。』は、身代わりとして生み出されたレプリカの少女が、初めての恋を通して”自分”を見つけていく青春ラブストーリー。第29回電撃小説大賞の大賞受賞作にして、読書メーター OF THE YEAR 2023-2024ライトノベル部門1位、第11回静岡書店大賞【映像化したい文庫部門】1位を獲得した人気作です。
2026年4月7日からはTVアニメ放送もスタート。この記事では、原作小説の魅力を中心に、アニメについても紹介します。初めて触れる方も、アニメから入った方にも届けたい物語です。
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『レプリカだって、恋をする。』とはどんな作品?
作者は静岡県出身の榛名丼。本作は『ドッペルゲンガーは恋をする』というタイトルで電撃小説大賞に投稿され、大賞を受賞後に改題して2023年2月に電撃文庫から刊行されました。略称は「レプリコ」。漫画版は花田ももせが担当し、2023年から電撃マオウにてコミカライズ連載中です。
物語の舞台は静岡市駿河区用宗——美しい海が広がる港町。通学路にある用宗海岸の消波ブロック、静岡大橋など、実在のスポットが数多く登場し、聖地巡礼としても注目を集めています。
あらすじ
高校2年生の愛川素直は、7歳のころに自分と瓜二つのレプリカ「ナオ」を生み出した。それ以来、学校に行くのがしんどい日は、ナオに身代わりとして登校させてきました。
素直を助けるためだけに存在するナオ。勉強も運動も頑張り、文芸部にも通う。そんなある日——文芸部に季節外れの入部希望者、真田秋也が現れる。
ナオの心が、静かに動き出します。制服デートも、内緒の約束も、二人だけの特別な時間。恋をしたナオは少しずつ変わっていく。しかしその変化を感じた素直もまた、焦りを抱くようになっていく——。
オリジナルとレプリカ、ふたりの少女が同じ空間を生きる、甘くてほろ苦い青春の物語です。
——偽物の自分に芽生えた、本物の感情。
——名前も身体も借り物でも、この恋だけは誰にも渡さない。
——甘くて、ちょっぴり不思議な、海沿いの街の青春ラブストーリー。
ここが好き!魅力を紹介!
① 「ただの青春」が特別になる、新しい切り口
本作の設定でまず目を引くのが「レプリカ」という存在。SFやファンタジーの文脈にありそうだが、あくまで素直とナオの間だけの”秘密”として物語が始まります。レプリカが社会に認知された世界ではなく、素直とナオの問題として描くことで、世界観の説明を省いて青春ストーリーに集中できます。
やってることは部活・遠足・放課後の会話といった「ただの青春」なのに、ナオがレプリカである事実が常に影を落とすことで、一つひとつの場面に独特の切なさと重みが生まれます。
② 「自分」とは何か——普遍的なアイデンティティの問い
名前も身体も記憶も、すべてはオリジナルである素直から借りたもの。そんなナオに芽生えた恋心だけは、誰にも共有されない自分だけのもの。恋することで、ナオは初めて「私」というアイデンティティに気づきます。
「自分とは何か」「本物と偽物の差はどこにあるか」という問いは、レプリカという特殊設定を通じながら、どこか誰もが覚えのある普遍的な悩みとして響いてきます。これは本作が幅広い読者に刺さる理由のひとつです。
③ ナオと素直、二人の少女の対比と成長
真面目で読書好きなナオ、どこか冷めていてひねくれ者の素直。見た目はそっくりなのに、まったく異なるパーソナリティを持つ二人の関係は、物語の中心を貫く縦軸です。ナオが恋をして輝けば輝くほど、素直は焦り、嫉妬し、自分の居場所を失う恐怖に揺れる。どちらの気持ちも嘘ではないから、読んでいてどうしても胸が痛くなります。
④ 水色のシュシュと、ハーフアップの合言葉
「話しかけていい?」「ハーフアップだったら」「オーケー」——ナオと真田秋也の間で生まれた、小さな合言葉。ナオは素直に気づかれないように、ハーフアップの髪型で自分であることを示す。水色のシュシュひとつで成り立つこの関係性の愛おしさは、本作の魅力を象徴する場面のひとつです。
⑤ 驚きの展開
中盤で明かされる真田秋也の秘密。この事実によって物語は一気に深みを増し、お互いの孤独を理解し合う関係へと発展していきます。「存在することの意味」を問い続ける二人が、やがて互いの存在そのものが生きる理由になっていく——その過程が丁寧に描かれた物語です。
登場人物
ナオ(レプリカ)CV:諸星すみれ
愛川素直のレプリカ / 文芸部に通う真面目な読書好き
素直が学校に行きたくないときに呼び出される身代わりの少女。素直と同じ姿を持ちながら、真面目で読書を愛する性格は対照的。呼び出されるたびに素直の最新の記憶が共有されるが、素直の関心が薄い部分は曖昧なまま。真田との出会いを機に、自分だけの「恋心」という名の本物の感情を手に入れる。ナオとオリジナルの素直を二役で演じる諸星すみれの演技分けにも注目。
愛川素直 CV:諸星すみれ
本物 / レプリカ作成能力者
勉強、運動、学校自体が好きではなく、人付き合いを避けがち。ナオに日常の面倒を任せ、自分は引きこもりがちな生活を送っています。ナオを「都合の良い道具」として扱うため、序盤はかなり嫌な印象を受けるが、ナオの変化(恋など)に焦り、葛藤を抱えていく『人間らしい弱さを持つ本物』です。
真田秋也 CV:鈴木崚汰
元バスケ部エース / 突然文芸部に入部してきた同クラスの男子
素直(ナオ)と同じクラスの高校2年生。バスケ部のエースとして期待されていたが、足の怪我をきっかけに退部し、文芸部の扉を叩く。過去に「とある先輩」が関係しているという噂も。物語の中盤で明かされる彼自身の秘密が、物語に大きなうねりをもたらす。
広中律子(りっちゃん) CV:高田憂希
素直の幼馴染 / 文芸部のラノベ好き後輩
素直・ナオと小学生からの幼馴染。高校入学後にナオと文芸部で先輩後輩として再会する。ラノベを愛し、自ら小説を執筆しているという文芸部らしいキャラクター。
森すずみ(もりりん先輩) CV:名塚佳織
前生徒会長 / 校内の有名人
高校3年生。下級生から「もりりん先輩」として親しまれている人気者。快活な雰囲気の裏に、物語に関わる秘密を抱えている。
TVアニメ概要(2026年4月放送開始)
2026年4月7日より放送スタート。TOKYO MX・静岡朝日テレビ・テレビ愛知・KBS京都・サンテレビ・AT-X・BS11にて毎週火曜23:30〜放送中です。各種動画配信サービスでも順次配信予定。
| 原作 | 榛名丼(電撃文庫/KADOKAWA刊) |
|---|---|
| キャラクター原案 | raemz |
| 監督 | 木村隆一(「おとなりに銀河」「アイカツ!」) |
| シリーズ構成 | 篠塚智子(「スキップとローファー」「ヲタクに恋は難しい」) |
| キャラクターデザイン | 安彦英二(「はたらく細胞BLACK」「おそ松さん第3期」) |
| 音楽 | はらかなこ |
| アニメーション制作 | Voil |
| OPテーマ | シャイトープ「リフレイン」(作詞・作曲:佐々木想) |
| EDテーマ | asmi「あわ」 |
シリーズ構成を手がける篠塚智子は「スキップとローファー」で高評価を得た脚本家。繊細な人間関係と青春の機微を得意とするスタッフ陣が集結しており、原作の空気感をどこまで映像で再現できるかが注目ポイントです。
関係者のコメント
諸星すみれ(ナオ/愛川素直役)
原作を読んだとき、登場人物それぞれのリアルな心情の表現に惹き込まれました。爽やかな世界に描かれる繊細さ、強さ、愛らしさ、危うさ、そのすべてが胸に刺さり、私自身も、彼女たちとともに青春を過ごしたような気持ちです。きゅんとくるお気に入りのシーンもたくさんあるので、ぜひ楽しみにお待ちいただけたらうれしいです。
鈴木崚汰(真田秋也役)
本作は眩しい青春の中で登場人物の心の機微を繊細に描いた作品で、一つ一つの言葉を大切に紡がせていただいています。もしも姿かたちが全く同じ存在がもう一人いたら——様々な面で便利だろうな、と誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。そんな”もう一人の自分”が何を思い、どんな決断をしていくのか、放送まで楽しみにお待ちいただければ幸いです。
「もう一人の自分」というフレーズには、物語を知っている人が読むと深い意味が込められています。真田秋也の秘密を知ったうえで読み返すと、このコメントがより一層胸に刺さります。
どこから読む?原作購入ガイド
原作は全6巻(2026年4月現在)。1〜4巻でナオのメインストーリーが完結しており、6巻は青春を締めくくる書き下ろし短編集となっています。アニメと並行して原作を追いかけるなら、まずは1巻から読み始めるのがおすすめです。
こんな人におすすめ
✅ 切なくてほろ苦い青春ラブが好きな人
✅ 「自分とは何か」という問いに共感できる人
✅ 『安達としまむら』『スキップとローファー』のような繊細な青春ものが好きな人
✅ SFっぽい設定が好きだけど、まずはラブストーリーを楽しみたい人
✅ 舞台の静岡・用宗に興味がある人
まとめ
『レプリカだって、恋をする。』は、レプリカという特殊な設定を通しながら、「自分であることの意味」や「借り物ではない本物の感情」を問い続ける青春ラブストーリーです。特別なことは何もない放課後の文芸部、水色のシュシュ、小さな合言葉——そういった細部に宿る切なさと愛おしさが、読んだ人の胸にじんわりと残ります。
2026年春アニメが始まった今がまさに読み時。アニメと並走しながら原作を楽しむのも、アニメを先に完走してから小説を追いかけるのも、どちらも最高に楽しい体験ができるはずです。
©榛名丼/KADOKAWA/レプリカだって、恋をする。
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