「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」──このタイトルを初めて見たとき、どんな物語を想像しましたか? 薄暗いスーパーの裏口、煙草の煙が漂う小さな空間。そこで静かに紡がれる、ちょっと不思議でじんわりと温かい大人の関係。
地主先生がXで連載を始めたこの作品は、第1話が累計28万いいねを獲得するという大反響からスタートし、雑誌連載・単行本化を経てじわじわと読者を増やし続けてきました。2026年1月時点では電子書籍を含む累計部数が300万部を突破。
そして2026年夏、ついにTVアニメとして放送されます。 この記事では、アニメ化を前に「ヤニすう」の魅力を改めてたっぷりご紹介します。まだ読んだことがない方にも、すでに大好きな方にも、楽しんでいただける内容を目指しました。ぜひ最後までお付き合いください。
「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」ってどんな作品?
まずは作品の基本情報からお伝えします。「スーパーの裏でヤニ吸うふたり(略称:ヤニすう)」は、地主先生による漫画作品で、2022年3月からXにて連載が始まりました。現在は月刊ビッグガンガン(スクウェア・エニックス)でも連載中です。「次にくるマンガ大賞2022」Webマンガ部門で1位を獲得した実績も持つ、今もっとも注目の恋愛漫画のひとつです。
あらすじ
社畜街道をひた走るくたびれた中年サラリーマン・佐々木。彼の数少ない癒しは、毎日の煙草と、行きつけのスーパーで働く女性店員・山田さんのにこやかな接客でした。
ある夜、長引く会議で疲れ果てた佐々木がいつものようにスーパーに向かうと、目当ての山田さんの姿がない。しかも煙草を吸える場所も見つからず、すっかり意気消沈してしまいます。そんな彼に「ここなら吸える」と声をかけてきたのは、すこし奇抜な服装をした田山という名の女性でした。
スーパーの裏の小さな喫煙スペースで、ふたりは何度も顔を合わせるようになります。他愛もない話をしながら煙草を吸う時間。だんだんと打ち解けていくふたりの間に、少しずつ特別な空気が漂い始めます。
ふたりの関係を一言で言い表すのはむずかしい──それこそがこの作品の最大の魅力です。友達でも恋人でもない。でも確かに、お互いを気にかけている。そんな絶妙な距離感と、喫煙所という日常の片隅から生まれる小さな奇跡のような物語です。

まずは1巻から読んでみよう
アニメ放送前に第1話の出会いのシーンを予習しておくのがおすすめです。
📺 アニメは2026年6月よりABEMAで地上波より先行配信!
「ヤニすう」の雰囲気はこんな感じ
「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」の世界観は、一言でいうなら「ゆるくて、じれったくて、温かい」です。 派手なドラマはありません。大きな事件も起きません。
ただ、スーパーの裏というちょっと非日常な場所で、ふたりが煙草を吸いながら話す。それだけのシーンなのに、なぜかずっと読んでいたくなる。「また明日も読みたい」と思わせてくれる不思議な引力があります。
佐々木のキャラクターはとにかく親しみやすいのが特徴です。仕事に疲れた中年男性というと暗そうなイメージがありますが、田山と話すときの彼はどこか可愛らしくて、読んでいて思わず笑顔になってしまいます。
一方の田山は、すこし不思議でつかみどころのない女性です。奇抜な服装、独特のテンション、でもときどきふと見せる素顔がとても魅力的。彼女の言動に振り回されながらもどんどん引き込まれていく佐々木の反応が、また絶妙に面白いんです。
恋愛漫画というより「大人のじれったいやつ」とでも呼ぶべきジャンル。甘さは控えめでも、読後感は確かに甘い。そんな作品です。タバコを吸わない人でも全然楽しめますし、むしろ「喫煙所ってこういう場所なのか」と新鮮な気持ちで読めるかもしれません。
この作品のここがすごい!おすすめポイント
SNS発のリアルな温度感
もともとXの投稿から始まった作品なので、独特の「生の感覚」があります。読者との距離が近く、登場人物たちの日常がまるで実際にありそうなリアルさで描かれています。第1話が投稿された瞬間から爆発的な反響を呼んだのも、その「誰かの日常にありそうな物語」という共感の力があってこそでしょう。
「喫煙所」という独自の舞台設定
煙草を吸う人同士が集まる喫煙所は、不思議な連帯感が生まれる場所です。素性も関係も関係なく、ただ一緒に煙草を吸うだけの関係──そのシンプルさが、ふたりの距離感を独特なものにしています。他の作品にはなかなかない、この設定の妙を読んでいてじわじわと実感できます。
地主先生いわく「ずっとフィクションの煙草のかっこよさに憧れていたので、煙草を中心にしたお話が描きたかった」とのこと。
「名前が違う」という小さくて大きな謎
田山と佐々木が出会う前、佐々木はレジ係の「山田さん」に片想い気味でいました。ところが喫煙所で出会った女性は「田山」と名乗ります。このちょっとした謎が、物語に絶妙なスパイスを加えています。「あれ、同一人物……?」という読者の疑問と、佐々木の鈍感さのかみ合わなさが、なんともいえないじれったさを生み出しているんです。
地主先生はこの名称不明な関係について、「人間同士の関係って恋人やら友人やら親友やら、はっきりした関係までたどり着くのも最高ですけど、『我々一体なんなんでしょうね』と右往左往しながらも一緒にいようとするのも価値ある行為」と語っています。
主人公の「くたびれ感」がリアル
佐々木というキャラクターの魅力は、彼の「ほどよいダメさ」にあります。仕事に疲れているけど、かといって根っからネガティブでもない。田山に会えただけでちょっと嬉しくなる、そのすなおな感情がとても愛おしい。働く大人なら誰でも「わかる……」と思える等身大の主人公です。
地主先生の絵柄の可愛さ
ちょっとゆるくて、でも表情豊か。地主先生の絵柄は、この作品の空気感にぴったりはまっています。特に田山の服装の独特さと、佐々木の困り顔の組み合わせは、ページをめくるたびに笑顔になれる魅力があります。

登場人物紹介
佐々木(CV:佐藤拓也)
ブラック企業勤めのくたびれた中年サラリーマン(45歳)。誕生日は2月25日。おかきが好き。
疲れた大人だけど、ちゃんと人の良さがある、ちょっと地味めの中年男子。
仕事に追われながらも、行きつけのスーパーでの一服が唯一の癒し。田山と出会ってからというもの、毎日が少しずつ変わっていきます。内心では田山のことが気になりつつも、自分ではなかなか気づいていない不器用な男性です。
吸っているタバコの銘柄は「BON STARs(いい夜を)」。
💬 佐藤拓也さんのコメント
タバコを吸えない僕にとって、喫煙所でのコミュニケーションは別世界でした。原作を読んでは、佐々木さんと田山さんのやり取りの可愛さについ「もおぉ〜!」とヤキモキすることもしばしば。
田山(山田)(CV:星希成奏)
「勤務中は清楚な山田」「勤務外はロックな田山」という二面性を持つスーパー店員(24歳)。
喫煙所での「田山さん」は、ピアスがたくさんで、ロック系の服装です。口調もややクールでちょっとツンけ。ただし、佐々木にはわりとイジって近い距離で接するタイプ。
「山田さん」はレジ担当のパート店員で、接客中は清楚で笑顔の多い人気店員。本性は「田山」寄りで、「山田」の清楚さは接客用のマスク。
マイペースでつかみどころのない言動が多いですが、それがかえって佐々木(と読者)を引き込んでいきます。
吸っているタバコの銘柄は「Beside me」。
アニメ化情報まとめ
2026年夏、いよいよTVアニメ(通称:ヤニめ)がスタートします!放送・配信情報はこちらです。
| 放送局 | TBS系列28局 毎週木曜よる11時56分〜 |
|---|---|
| 配信 | ABEMA(6月より限定先行配信版あり) |
| OPテーマ | ずっと真夜中でいいのに。(楽曲タイトル後日発表) |
| EDテーマ | imase「Fiction」 |
| アニメ制作 | 旭プロダクション |
| 監督 | 鈴木理人・森あおい |
| シリーズ構成 | 井上美緒 |
| キャラクターデザイン | 大滝那佳 |
鈴木理人・森あおいの両監督は『おとなりに銀河』『魔法少女にあこがれて』といった若者向け社会系日常アニメで実績を積んできたコンビです。
主題歌も豪華!
OPテーマを担当するのは、「ダンダダン」EDでもおなじみのずっと真夜中でいいのに。です。原作者の地主先生ともともと交流があるという縁で実現したコラボで、ファンとしてもとても嬉しい人選。「モクモクとしたじれったさを捕まえてみることができるのか」というACAねのコメントが、すでに期待感を高めてくれます。
EDテーマはimase「Fiction」。昔から作品を読んでいたというimaseが手がけた書き下ろし楽曲で、佐々木と田山の関係を「POPだけど少し大人っぽいイメージ」で仕上げたとコメントしています。ふたりの雰囲気をそのまま音楽にしたような一曲になりそうです。なお、imaseは2025年8月より活動を休止しているため、活動休止前に制作された貴重な楽曲となっています。
ABEMAでは地上波放送に先駆けて6月から先行配信版が公開予定です。原作ファンも、これから読もうという方も、アニメと合わせてぜひ楽しんでみてください。
「ヤニすう」ってどんな人におすすめ?
「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」は、幅広い層に刺さる作品ですが、特に次のような方には強くおすすめできます。
- 仕事に疲れた日にほっこりできる漫画を探している
- 激しいドラマより、ゆったりした日常系が好き
- じれったい恋愛ものが大好き
- 大人の恋愛描写が読みたい(学園ものとは違う空気感)
- SNS発の話題作を読んでみたい
- ずっと真夜中でいいのに。やimaseが好き(アニメを機に原作も)
逆に、テンポの速いバトルや複雑なストーリーが好きな方にはゆっくりめに感じることもあるかもしれません。でも、一度ふたりのやり取りにハマれば、そのじれったさがやめられなくなるはずです。
まとめ:アニメ放送前に原作を読んでおこう
「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」は、SNS発の小さな物語が積み重なって、今や300万部を超える大作品になりました。でも作品の空気はずっと変わらない。スーパーの裏の小さな喫煙スペースで、ふたりがただ煙草を吸っている。そのシンプルさの中にある豊かさが、この作品の本当の魅力だと思います。
2026年夏のアニメ放送はもうすぐそこ。放送前に原作を読んでおけば、アニメをより深く楽しめること間違いなしです。1巻から読み始めて、ふたりの関係の変化をゆっくり追いかけてみてください。

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