
原作:アタモト(フロンティアワークス〈リラクトコミックス〉)
巻数:フルカラーの本編が10巻、モノクロの『ゆるっと』が2巻(2026年10月時点)。ほかに絵本が3冊
アニメ:2026年10月4日からテレ東系「アニもり!」内で放送中(毎週日曜あさ7:00〜)
「寝る前に絵本を読んであげようね」。キツネにそう言われて、布団の中のタヌキは「わーい」と喜びます。ところが、キツネが持ってきた絵本は昔話の『カチカチ山』。背負った荷に火をつけられる、あのタヌキの話です。次のコマのタヌキは、布団の中でおびえた顔のまま固まっています。原作漫画『タヌキとキツネ』の1巻は、表紙がまるごとこの3コマ漫画です。
描いているのは、2016年からSNSでこの2匹の日常を発表してきたアタモトさん。本はフルカラーの本編が10巻、モノクロの『タヌキとキツネ ゆるっと』が2巻、ほかに絵本が3冊あり、シリーズ累計は135万部です。10周年を迎えた2026年は、10月からテレ東系の日曜朝の番組「アニもり!」の中で、1話2分足らずのTVアニメが放送されています。
この記事では、キツネのいじわるに出てくる昔話を手がかりに作品の面白さを紹介し、本編・『ゆるっと』・絵本のどれから読めばいいか、アニメはどこで観られるかもまとめました。
『タヌキとキツネ』はどんな作品?
ジャンルは、山で暮らす動物たちの日常を描くギャグ漫画です。原作の公式サイトは、主役の2匹を「ちょっぴりぬけてるタヌキと、ちょっぴりいじわるなキツネ」と紹介しています。
本編はフルカラー。1巻を開くと、1ページに2〜3コマの短い話が続き、「おののくタヌキ」「されるがままタヌキ」「引っかかったタヌキ」と、「◯◯タヌキ」という題がずらりと並びます。タヌキに何が起きるかを、題で先に言ってしまう形です。
1巻の最初の話「タヌキとキツネ」は、「昔むかし、ある所に子ダヌキと子ギツネが住んでおりました。」で始まります。タヌキ山に迷い込んできた子ギツネを子ダヌキが助けたことで、2匹は仲良くなりました。それから子ギツネは、毎日タヌキ山に遊びに通ってくるようになります。ある日の夕暮れ、「もう日が暮れちゃうけど帰らなくて大丈夫?」と聞くタヌキに、キツネは寝転んだまま「山の行き来がめんどくさくなったからここに住む」。こうしてタヌキ山に住みついたキツネは、タヌキとは気が向いた時に遊ぶようになり、話は昔話の結びの言葉「とっぴんぱらりのぷう」で終わります。
アニメ公式サイトのストーリー紹介も「昔むかし、あるところに、タヌキとキツネがおりました。」で始まり、第1話の題は「はじまりはじまり」です。『ゆるっと』の1巻・2巻も、最初の話は同じ「昔むかし」から始まります。
表紙の3コマ漫画は、本文では「おののくタヌキ」という1話として入っています。最初の話「タヌキとキツネ」をはじめ、この記事で紹介する場面の多くは1巻で読めます。
主要キャラクター紹介
タヌキ(CV:久野美咲)
食べることと遊ぶことが大好きな、マイペースなタヌキ。いつもキツネにちょっかいを出される側ですが、ただぬけているだけではありません。そばでキツネが石を「カチ カチ」と打ち鳴らしているときは、“カブト”をかぶり、ネギの“護身刀”を構えて「自分の身は自分で守らないと」。妙なところで用心深いのも、このタヌキです。
タヌキ役の久野美咲さんは、アニメ公式サイトに寄せたコメントで「原作の、のほほんとしたキャラクターの雰囲気を表現できるよう頑張ります!」と意気込んでいます。
キツネ(CV:東山奈央)
タヌキにちょっかいを出してばかりの、素直になれないあまのじゃく。1巻の「されるがままタヌキ」では、タヌキの顔をつつき、つつき返されると今度は上に乗っかって、タヌキに「ぐえー」と言わせて終わります。
キツネ役の東山奈央さんは、以前から気になっていた作品だったそうで、コメントでは「ふたりの関係性にほっこりしたり、のどかな作品の空気に癒やしをもらえること間違いなし、です!」と太鼓判を押しています。
オオカミ(CV:森川智之)
口数の少ない一匹狼ですが、なぜかタヌキに懐かれています。原作の本編では、クマといっしょに2巻で仲間入りします。タヌキにとっては、幼いころから大好きな“絵本のスター”。アニメ第4話「オオカミと出会った日のおはなし」は、そのオオカミにタヌキがついに出会う回です。
ウサギ(CV:長縄まりあ/永塚拓馬)
月に住んでいて、タヌキたちを温かく、ときにはおかしく見守っています。アニメでは、ウサギ役の長縄まりあさんがナレーションも担当しています。
その他の仲間たち
- クマ(CV:永塚拓馬)――とても力が強く、できることならみんなと全力で遊んでみたいと思っています。
- トリ――ピヨピヨとにぎやかな、何羽かのトリたち。公式のキャラクター紹介は「ぴよぴよ。」の一言だけです。
- オコジョ――遠くの山から、ときどきタヌキ山へ遊びにやってきます。本編では8巻で、龍といっしょに加わります。
- 龍――神出鬼没で、どこに現れるかわかりません。
ここがすごい!『タヌキとキツネ』のおすすめポイント3選
① キツネのいじわるの“元ネタ”は昔話――『カチカチ山』に「あんたがたどこさ」
表紙でキツネが読み聞かせる絵本が『カチカチ山』だったように、キツネのいじわるには、昔話やわらべうたでタヌキがひどい目にあう場面が何度も出てきます。1巻から拾うと、次のとおりです。
| キツネがすること | タヌキの反応 | 元になった昔話・わらべうた |
|---|---|---|
| 「寝る前に絵本を読んであげようね」と言って、『カチカチ山』を読み聞かせる | 布団の中で、おびえた顔のまま固まる | 『カチカチ山』 |
| 「オシャレアイテム持ってきたよ」と、背中に薪の束を背負わせて「似合う」 | 「これどっかで見たことある」 | 『カチカチ山』 |
| 「寝冷えしないようにね」と、うたた寝のタヌキに布をかける。布の柄は炎 | 「やさしいなー」 | 『カチカチ山』 |
| 手まり歌の「あんたがたどこさ」を、せんば山のタヌキが猟師に撃たれて食べられるくだりまで歌い進める | あわててキツネの口をふさぐ | 「あんたがたどこさ」 |
どれも、元の話を知っているほど笑える仕掛けです。そして、いじわるがいつも通じるとは限りません。炎の柄の布にくるまったタヌキの感想は「やさしいなー」。いじわるのつもりが、タヌキには親切として届いています。
元ネタ探しは、モノクロの『ゆるっと』でも楽しめます。1巻には、タヌキが茶釜を水に沈めてぶくぶく泡を立てる「ぶくぶく茶釜」(昔話の『ぶんぶく茶釜』)や、トリたちと「かごめかごめ」で遊ぶ話が入っています。
② 引っぱると伸びる“モチモチ”のタヌキ
セリフが少ないぶん、笑いの多くは絵が運んできます。中でも何度も出てくるのが、よく伸びるタヌキの体です。
『ゆるっと』は1巻も2巻も、最初の話でキツネがタヌキの鼻をくわえて引っぱり、タヌキの顔が「うおー」と長く伸びます。2巻では、それを見たウサギたちが「そんなに伸ばしたら形が変わってタヌちゃんが別の子になっちゃうよ〜」と心配するほどです。
クマ・ウサギ役の永塚拓馬さんは、この作品を「モチモチの可愛い動物達がいっぱい出てくる素敵な作品。」とコメントしています。引っぱられて伸びるタヌキは、その“モチモチ”がいちばんよくわかる絵です。
③ 「いま助ける」――そっけなくても、タヌキを放っておかないキツネ
1巻には、2匹の今と昔を見開きで並べたページがあります。「遊びに誘われるタヌキ(昔)」では、キツネのほうから「あそぼう」と声をかけ、2匹でじゃれ合って転げ回っていました。それが「遊びに誘うタヌキ(今)」になると、タヌキの「遊ぼう」に、キツネは寝転んだまま「いまちょっと忙しい」。
誘いに乗らなくなったキツネですが、タヌキを放ってはおきません。どら焼きを持っていれば「ちょっともらう?」と分けてくれます。もっとも、「わーい」と喜んだタヌキがもらえたのは上の皮だけ。それでも最後のコマでは、2匹並んで同じどら焼きを食べています。
枝に引っかかって動けなくなったタヌキには「いま助ける」。ただし助け方は、しっぽを引っぱること。タヌキの体は、またしても長く伸びてしまいます。思えば2匹の出会いも、迷い込んだ子ギツネを子ダヌキが助けたことでした。その本当の距離感は、話を重ねて読むほど見えてきます。
本編・『ゆるっと』・絵本の違いは?どれから読めばいい?
『タヌキとキツネ』の本は、フルカラーの本編、モノクロの『ゆるっと』、絵本の3種類です。違いを表にまとめました。
| 本 | 冊数(2026年10月時点) | どんな本か | こんな人に |
|---|---|---|---|
| 本編『タヌキとキツネ』 | 1〜10巻(10巻は2024年10月発売) | フルカラーの漫画 | 最初の1冊を選ぶ人、アニメから入った人 |
| 『タヌキとキツネ ゆるっと』 | 1・2巻(2巻は2026年10月15日発売) | モノクロの縦4コマが中心。絵は本編よりシンプル | 本編を読んだ人、4コマが好きな人 |
| 絵本 | 3冊(2020〜2021年発売) | 本編より大きなB5変型の絵本 | 子どもと一緒に読みたい人、贈り物を探している人 |
最初の1冊は、本編の1巻です。『カチカチ山』のいじわるも、引っぱられて伸びるタヌキも、1巻から始まっています。
Amazonのまとめ買い(Kindle)は本編の1〜10巻です。楽天Koboのまとめ買いは、本編10巻に『ゆるっと』2巻を加えた12冊がシリーズページに並び、まとめてかごに入れられます。オオカミやクマ、オコジョや龍が巻を追うごとに仲間入りしていくので、2匹のまわりがにぎやかになっていく流れは、1巻から順に読むとよくわかります。
本編とはまた違う味わいなのが、モノクロの『ゆるっと』です。4コマのテンポは、たとえば1巻の「かしこい」。メガネをかけたタヌキが「いちたすいちは」「に」と得意げなところへ、本を読んでいたキツネが「1015足す281引く496は?」。しばらく固まったタヌキの答えは「たくさん」です。

SNSで発表した漫画に加筆・修正し、描き下ろしを加えた単行本です。絵は本編よりさらに丸くシンプルになり、話は1ページに縦4コマが中心。1巻の最初の話は「たくさんの仲間たちといっしょに今日もゆるっと暮らすタヌキとキツネなのでした」と結ばれます。最新の2巻(2026年10月15日発売)には61ページの描き下ろしが入り、ちっちゃい頃のお話や、2匹が探偵やヒーローになりきるお話が収められています。
子どもと一緒に読むなら、絵本の3冊です。最初の『タヌキとキツネ 小さなともだち』は、公式の紹介で「おとなも子どもも楽しめる、とっておきの絵本」。2冊目の『冬のおはなし』は、お山に冬がやってくるお話、3冊目の『ちびっこの冒険』(Amazon/楽天ブックス)は、「ちびっこタヌキとちびっこキツネのはじまりのお話」です。
アニメ『タヌキとキツネ』の放送・配信情報
アニメは、テレ東系で毎週日曜あさ7時から放送している30分番組「アニもり!」の中の1本です。「アニもり!」は注目のショートアニメを集めた番組で、『タヌキとキツネ』は1話2分足らず。公式YouTubeチャンネルの第1話「はじまりはじまり」は、再生回数が100万回を超えました。
原作者のアタモトさんは、アニメ化決定に寄せたコメントで「原作以上に生き生きとした可愛い世界が作られております」と書いています。主題歌はSILENT SIRENの「ニコイチ!」。作詞したすぅさんは、曲の最後の一節に、毎週アニメを楽しみに待つ気持ちと、「タヌキとキツネがいつも変わらずそこにいてくれる安心感」を重ねたと明かしています。
| 放送 | テレ東系6局ネット「アニもり!」内:2026年10月4日(日)から毎週日曜あさ7:00〜 |
| 見逃し配信 | YouTube・ネットもテレ東・TVerで、最新話を1週間限定で無料配信 |
| 配信 | U-NEXT・プライムビデオ(どちらも見放題)ほか |
| 原作 | アタモト『タヌキとキツネ』(フロンティアワークス〈リラクトコミックス〉) |
| 監督 | 日野トミー |
| シリーズ構成・脚本 | 木原梨花 |
| アニメーション制作 | アカツキメディアスタジオ |
| 主題歌 | SILENT SIREN「ニコイチ!」(作詞:すぅ/作曲・編曲:クボナオキ) |
| キャスト | タヌキ:久野美咲/キツネ:東山奈央/オオカミ:森川智之/ウサギ:長縄まりあ・永塚拓馬/クマ:永塚拓馬/ナレーション:長縄まりあ |
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※本ページの配信情報は2026年10月28日時点のものです。最新の配信状況は各公式サイトでご確認ください。
よくある疑問に答えます
『タヌキとキツネ』は何巻まで出ていますか?
2026年10月時点で、フルカラーの本編が10巻(10巻は2024年10月15日発売)、モノクロの『ゆるっと』が2巻です。いちばん新しいのは、2026年10月15日に出た『ゆるっと』2巻。本編の11巻は、まだ発表されていません。
漫画は無料で読めますか?
作者のnoteで、タヌキとキツネの絵や漫画が無料で公開されています。ただしnoteの更新は2025年6月が最後で、作者はそれ以降、Blueskyでのらくがき更新が中心になると書いています。本編の1巻には、本のための描き下ろしが50ページ以上入っています。
アニメ化は今回が初めてですか?
TVアニメは今回が初めてです。ただ、2018年にもショートアニメが作られていて、同じ年の5月に出た本編4巻の限定版には、そのDVDが付いていました。
こんな人におすすめ!
- 動物たちのゆるい日常ギャグで、少し毒のある笑いも楽しみたい人――キツネのいじわるは、『カチカチ山』を読み聞かせるような、昔話を知っているほど効いてくる種類です
- 寝る前や休憩中に、短い漫画を少しずつ読みたい人――1話ずつが短いので、どこで閉じても区切りがつきます
- 子どもと一緒に読める本を探している人――大きな判型の絵本が3冊。フルカラーの本編も、セリフの少ない漫画です
- 日曜朝のアニメで気になって、もっと読みたくなった人――本編10巻と『ゆるっと』2巻に、2匹と仲間たちの話がたっぷり詰まっています
まとめ
『タヌキとキツネ』は、タヌキ山に住みついたキツネと、マイペースなタヌキ、2匹をとりまく仲間たちの毎日を、短い話でつづった漫画です。キツネのいじわるは昔話仕立てなのに、炎の柄の布をかけられたタヌキは「やさしいなー」。そんなすれ違いが、そのまま笑いになります。
アニメは日曜朝の短い1本です。気になったら、表紙からもう『カチカチ山』が始まっている本編の1巻を開いてみてください。4コマで読みたくなったら『ゆるっと』、子どもと読むなら絵本と、次の1冊の選び方もそろっています。
1巻の最初の話は「とっぴんぱらりのぷう」で幕を閉じます。けれど2匹の毎日は、10年たった今も続いています。
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本編は10巻まで刊行(2026年10月時点)。1巻は表紙まで3コマ漫画になっていて、紙の本で手元に置きたくなる1冊です。続けて読むなら、電子書籍のシリーズページからまとめて買えます。
原作を読んだら、アニメは第1話「はじまりはじまり」から。動いて声のつくタヌキとキツネに、U-NEXTかプライムビデオの見放題で会えます。
※本ページの配信情報は2026年10月28日時点のものです。最新の配信状況は各公式サイトでご確認ください。

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