『転生賢者の異世界ライフ』をおすすめしたい!

イントロダクション

『夢でないのなら、それはそれでいい。あのクソみたいなブラック企業の元に戻るより、まだ望みがある

突如、異世界に召喚されたブラック企業の社畜『佐野(さの)ユージ』は、職業『テイマー』の冒険者として旅をしていました。

本来、武器も魔法も使えないテイマーは、冒険者としては不向きな職業です

しかしユージは召喚直後に訪れた廃屋にある魔導書を読んだことで、第二の職業『賢者』を手に入れていました。

職業『賢者』により多彩で強力な魔法を扱えるユージは、その影響力に無自覚なまま行く先々で起こる事件を解決していきます

共に旅をする仲間は愛らしくも騒がしいスライム、図体がデカく見た目はカッコいいが小心者のプラウド・ウルフを始めとした魔物たちです。

ユージはスライムたちを駆使して、魔物の異常発生から村を守ったり、伝説の龍を撃退したり、呪いの大樹が支配する島を丸ごと消し飛ばしたりした結果、とある組織から命を狙われ始めます

今までユージが解決した事件の裏には、40年ほど前に滅んだはずの組織『救済の蒼月』を始めとする犯罪組織が暗躍していました。

ユージは降りかかる火の粉を払いながら、自身がこの世界に召喚された理由や世界を滅ぼす『厄災の竜の歴史』を知っていくことになります。

圧倒的な力を手に入れた主人公の無自覚無双『転生賢者の異世界ライフ 〜第二の職業を得て、世界最強になりました〜』をおすすめしようと記事にしました。

『進行諸島(以下敬略称)』によるライトノベル。イラストは『風花風花』

ジャンルは『ファンタジー』。略称は『転生賢者』です。

2017年に『小説家になろう』で初投稿された後、2018年から『GAノベル(SBクリエイティブ)』にて刊行されています(『小説家になろう』にて掲載されていたモノは、2022年7月現在は削除済)。

小説は『SBクリエイティブ〈GAノベル〉』にて既刊10巻まで発売中です。11巻は2022年7月13日から発売が予定されています。

シリーズ累計発行部数は600万部を突破しました。

コミカライズ化もされており、作画『彭傑』の手で『マンガUP!(スクウェア・エニックス)』にて連載されています。

コミックスは『スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックスUP!〉』にて既刊16巻まで発売中です。

テレビアニメは『株式会社レヴォルト』により制作され、監督は弱冠25歳ながら『織田信奈の野望』で初の作画監督を担当した『小嶋慶祐』です。

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プロモーションとして、作中に出てくるスライムたちの声を担当する声優6名『 遠野ひかる、菅野真衣、三川華月、久遠エリサ、大森日雅、花井美春』がユニット『スラちゃんず△(EDも担当)』を結成し、各SNSで広報活動を行っています。

本作の魅力について、

『特徴のない基本的なスライム』を演じる『遠野ひかる』は『ローテンションなユージが敵をばっさばっさと倒していくところだと思います。そんなユージに、ワイワイとついていくスライムたちが可愛くて、テンションの低いユージとのギャップが際立っていて面白いです。爽快な冒険と仲間たちとの楽しい癒し要素が満載になっています

とコメントしています。

 

あらすじ(序盤のネタバレあり)

『俺は佐野ユージ。某企業に勤める、社畜だ』

ブラック企業の社畜『佐野ユージ』が仕事を自宅へ持ち帰ってPCで作業をしていると、見慣れないウィンドウが画面に表示されました。

あなたは異世界に召喚されました!

承諾するのであればYESを、拒否するのであればNOを押してください。

無回答の場合、承諾と見なします』

ふざけているとしか思えない文面に、ウィルスである可能性を疑ったユージはPCを再起動しますが、その視界が急に暗転します。

『無回答、承諾と見なします』

気付けば森の中に倒れていたユージの前に、ステータスウィンドウが表示されました。

職業『テイマー(魔物使い)』

うん、これは夢だな。と判断したユージの前に、丸くて透き通った塊『スライム』が現れます。

目を覚まして仕事をするために、ユージはスライムに倒されようとしますが、なぜかテイムしてしまいました。

その後、古びた建物の中で夢が覚めるまでの時間潰しとして本を読んでいたユージは、新たな職業『賢者』の力を得ます

ユージが読んでいた本は、魔導書でした。

それから腹を空かせたユージが食料、具体的には肉を求めて建物の外に出ると、体長10メートルを超えるドラゴンが現れます

『この肉はハイレベルすぎだろ』

ドラゴンに襲われて窮地に立たされたユージは、なんとか抵抗するために魔法を使います

『終焉の業火』

その瞬間、眼の前が赤く染まりました。

ユージが唱えた魔法は大きな火柱となり、ドラゴンどころか、眼の前にある森を全てまとめて更地に変えていきます

あまりにもリアルな破壊の痕跡とドラゴンに受けた傷から走る確かな痛みに、ユージは『この世界は夢じゃないのかもしれない』と疑い始めました。

 

作風・感想

本作は強力な力を手に入れた主人公が、賑やかな仲間たちと共に異世界で旅をしながら事件を解決していく物語です

題名には『転生』賢者とありますが、作中では異世界に召喚されていました

物語の舞台は剣と魔法が登場するファンタジーな異世界です。人の手に負えない魔物が登場したり、世界を滅ぼすドラゴンの神話が残っているなど、底知れない危険な気配が漂っています

旅の仲間は魔物

ライトノベルとしては珍しくメインヒロインと呼べるキャラクターがおらず、何度か登場する女性はいますが、あくまで協力者という立ち位置です。そのため恋愛劇を始めとしたハーレム要素はなく、主人公が大活躍して女性キャラクターが惚れた腫れたという描写はほぼありません。

旅の仲間はスライムを始めたとした魔物たちであり、ブラック企業に勤めていた経験からテンションが低めな主人公の代わりに大騒ぎをしてくれます。特にスライムは欲望に忠実で元気いっぱい跳ね回る姿が可愛らしく、だんだんヒロインに見えるかもしれません。

主要キャラクター以外もまともな考え方をしているキャラクターが多く、無双系主人公にありがちな実力を見抜けず馬鹿にしたり、なんとか足を引っ張ろうとする嫌なキャラクターがおらず、共通の外敵である魔物が存在する世界で手を取り合って生きています。

悪役もゲスな行動は取りますがしっかり報いを受けたり、ちゃんと加害者のまま出番を終えることがほとんどです。

テンポが良く、伏線もしっかり

作風は明るく話のテンポも爽快であり、人間関係の煩わしさや不快感を始めとした後味の悪さを感じるような描写がなく、世界観もまさに『異世界ファンタジー』なので話に入り込みやすい設定をしており、すらすらと読み進めることができます

主人公一行は拠点を持たず、街から街へと移動しているので、新たな舞台へ行く度に登場人物や街固有の文化が一新され、読書を飽きさせません

また主人公が異世界に召喚された謎や世界の危機を予感させる神話など、わかりやすいですが続きが気になる伏線が張られています

 

登場人物

佐野ユージ

本作の主人公。

元々はブラック企業に勤めるしがない社畜であり、作中では事あるごとに社畜時代の経験を世知辛く回想していました。

そのため自己評価が低く、他人の言葉をネガティブ気味に受け取ります

社畜だった頃の影響で常に何かしら動いていないと落ち着かず、潤沢な資金を手に入れてもギルドで依頼を受け続けていました。また旅の先々で出会う親切な人々の好意が、社畜時代の待遇と違い過ぎて困惑することがあります。

好戦的な性格ではないですが、敵対者には容赦がなく、結果的に命を奪ってしまっても気にする様子は見せません。

ただ自分を助けてくれたり、良くしてくれた人に対しては、陰ながら助けに入るなど義理堅い一面があります。

基本的にローテンションで動きますが、異世界に住む強かな住人たちに内心で感心したり、ツッコミを入れていることが多いです。

多彩な魔法を使いますが、『MP(マジックポイント)』制であり、火力が高い魔法を数発撃つと最悪の場合動けなくなります。

好きなことは美味しいご飯を食べること

 

スライム

本作のヒロインマスコットキャラ

数が多く、ほとんと本能で動いていますが少なからず知性を感じさせます。

最初は草ばかり食べていましたが、ユージと一緒に色んなモノを食べているので舌が肥えてきました

戦闘能力自体は高くないですが、数を活かした索敵が得意です。それ以外にもユージがスライムを通して魔法を使うことができるので、移動砲台として活躍します。

また姿が見えなくなる魔法を受ければ、液体に近いため小さな隙間さえあれば音もなく建物内部に侵入し、誰にも気づかれることなく情報を収集することが可能です。

警戒心がなくちょろい

 

プラウドウルフ

本作の三枚目。

和訳すると気高い狼で見た目もカッコいいですが、卑屈な物言いが多くとても臆病な性格です

戦いが始まると真っ先に逃げるため、戦闘面ではまったく期待されておらず、主に移動要員として活躍します。

おだてに乗りやすいですが、メンタルが雑魚です。

ただユージの強さは信頼しており、見捨てて逃げたり裏切ったりはしません

語尾は『○○ッス』。肉食ですが脂の多い肉が苦手です

 

まとめ

笑えるシーンと無双シーンのメリハリがしっかりしているので、サクサク読める『異世界ファンタジー』です。

気になった方は是非一読してみてください。

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