『異世界迷宮でハーレムを』をおすすめしたい!
目次
イントロダクション
『俺は認めるべきなのだ。ここが現実であると、ゲームキャラではない人を殺したんだと』
高校生『加賀道夫(かがみちお)』は、学校でも家でも居場所がなく人生に絶望していました。
この世に未練があるとすれば、童貞を卒業しておきたかったぐらいです。
その日、道夫がインターネットでサイトを巡っていると『この世界で生きづらいなら異世界で生きればいいじゃない』というネットゲームへの入り口を思わせるページに辿り着きました。
どのような世界に行くか、文化の数、国の数、住んでいる住民の人種、果ては言語まで、まるで人生設計を組み直すような細かな設定を選んでいくと、警告文が表示されます。
『警告、あなたはこの世界を捨て、異世界で生きることを選択しました。二度とこの世界に帰ってくることはできません。続けますか? はいorいいえ』
選ぶ項目の多さに辟易していた道夫は、深く考えず『はい』をクリックしました。
『最終警告! 本当に二度と帰ってくることはできません。それでも続けますか? はいorいいえ』
再び表示された警告文も『はい』をクリックした瞬間、道夫の意識は閉ざされました。
目を覚ますと見知らぬ馬小屋で倒れていた道夫は、設定通りの能力を行使できたことから、ここがゲームの世界だと判断します。
馬小屋を出て田舎の村を探索していると、盗賊の集団が現れて村を襲い始めました。
それをゲームのイベントだと判断した道夫は、剣で盗賊たちを斬り捨てます。
しかし、その手ごたえはあまりにも生々しく、ゲームを中断しようとしてもできないことに気付きました。
現実に戻れない。
道夫はゲームでも夢でもない異世界で、『ミチオ』として生きていくことになりました。
ゲーム設定時に獲得したスキルを使い、夢のハーレム生活を送るため冒険に出る『異世界迷宮でハーレムを』をおススメしようと記事にしました。
『蘇我捨恥』によるライトノベル。イラストは『四季童子』。
ジャンルは『ファンタジー、ハーレム』。
小説投稿サイト『小説家になろう』にて『異世界迷宮で奴隷ハーレムを』のタイトルで2011年4月から連載が始まりました。
2012年から加筆・修正されたモノが『ヒーロー文庫』より『異世界迷宮でハーレムを』と題名を改めて書籍化されています。小説は既刊12巻まで発売中です。
2020年3月時点で、シリーズ累計発行部数180万部を突破しています。
メディアミックスとして、コミカライズ化とテレビアニメ化が行われています。
コミカライズ化は作画『氷樹一世』の手で行われており、『月刊少年エース』にて連載中です。
コミックスは既刊8巻まで発売しています。
行為のシーンも生々しくしっかり描かれていました。
テレビアニメは『株式会社パッショーネ』により制作され、2022年7月から放送が開始されています。
監督は『ニセコイ』を手掛けた『龍輪直征』、キャラクターデザインは『ラブひな』を担当した『渡航』です。
アニメ版は『TV放送 ver.』『ハーレム ver.』『超ハーレム ver.』の3種類があります。
『TV放送 ver.』……放送倫理に対応し、ピー音が入っていたり、胸やパンツ・お尻の大部分がビックリマークや黒いモザイクが入って見えないです。
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『ハーレム ver.』……R15+指定であり、ピー音と胸に規制が入りません。dアニメストア独占配信です。
『超ハーレム ver.』……R15+指定であり、一切の修正が入りません。配信はAT-Xのみです。
本作の魅力について、ミチオ 役の『八代拓』は『ここまで丁寧な異世界生活に初めて出会いました。アニメや漫画作品で往々にして起きる『都合がいい現象』が本作では起こらず、むしろ都合が悪いことが起こり、ミチオが丁寧に向き合っています。ゲームをしてる時のようなミチオのトライアンドエラーへの共感と、圧倒的な華をもつヒロインたちの存在を楽しめます』とコメントしました。
あらすじ
異世界に迷い込んだ『ミチオ』は、『盗賊が普通に人を襲い』『奴隷制度と司法が結びついている』世界の論理観に戸惑いながらも、『冒険者』としてモンスターが蔓延る『迷宮』で生活資金を稼ぐことにしました。
その矢先、村を救ったコネで知り合った奴隷商人から『迷宮に潜るなら奴隷を購入した方が効率的に狩りができる』と勧められ、聡明で性格もよく、戦闘に秀でた種族『狼人族』の少女『ロクサーヌ』を紹介されます。
奴隷を購入することに抵抗があるミチオでしたが、奴隷商人の巧みな話術に乗せられ、なによりロクサーヌの魅力に抗えず、迷宮に潜って購入資金を稼ぐことにしました。
5日間の期限を設けられたミチオは、危険な迷宮に潜ってモンスターを討伐しますが、迷宮での金策は厳しく購入額に届きそうにありません。
いよいよ猶予がなくなり、迷宮以上の危険を冒してでも賞金首を狩って金を作ることにしたミチオは、入念な準備を整えて盗賊をその手にかけます。
なんとか購入資金を集めてロクサーヌを購入したミチオは、拠点としている宿で大人の階段を登りました。
作風、感想
本作は迷宮に潜って生計を立てる主人公が、奴隷を購入してハーレムを築く『奴隷ハーレムもの』です。
舞台はエルフ、ドワーフ、獣人などが住む異世界であり、人の死が軽く、奴隷制度があったり、モンスターが登場するなどシビアな世界観となっています。ただ主人公とヒロインたちの掛け合いが多く、また主人公が自分のスケベ心に従って動くなど、作風は明るいです。
タイトルから連想される通り、ヒロインたちとの甘々なシーン(特にコミック版やアニメ版は行為中までばっちり描いています)はありますが、迷宮の中でモンスターたちと命をかけて戦い、生活を良くするために試行錯誤したり、安い買い物をするために商人と交渉して値切るなど、異世界における日常風景が事細かに描かれているのが魅力の1つとなっています。
この点について『蘇我捨恥』は、設定などを事細かに描くと矛盾が発生しやすくなるが、ファンタジーだからこそ詳細に描きたかったと述べていました。
チートな能力を持っていますが、最強主人公ではないミチオ
ミチオが持っているチートな能力は大まかに言うと、『ジョブの付け替え』や『ボーナスポイントの再設定』です。これらの能力は他人と一線を画すチートではなく、使い方次第で有利に立ち回れる程度となっています。
例えばジョブを戦士から魔法使いに変えても、魔法による遠距離攻撃ができるようになるだけです。しかも戦闘中に付け替えると大きな隙を晒すので、事前情報から最適なジョブやスキルを見極める必要があります。ボーナスポイントの再設定も、『値引き交渉30%値引』にポイントを振って、商品を3割引きで買えるようにしても、高いものは高いので手が出せません。
世界を変えてしまうような力ではなく、むしろ物語が進むにつれて、チートな能力をただ使うだけではモンスターを倒せなくなります。そのため考え抜いて戦略性を磨き、努力を重ねなければ先に進めないのが見所の1つです。
ミチオは読者サイドから安全厨だと指摘されるほど慎重な主人公であり、『自分がチート能力を持っている』ことが露見して起こるリスクを考えたり、獲得した能力をフルに発揮できる方法を模索し続けます。
その様子はゲームで装備を整えたり、プレイヤーが戦略を練るシュミレーションゲームに近いです。実際に本作のアイディアは『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』に影響を与えた3DダンジョンRPG『ウィザードリィ』から着想を得たことが明かされています。
自分が持つチート能力、新たに獲得したジョブとスキルなどの実験や検証をミチオは行っていますが、あくまで生き残るために必要なことです。死を恐れる描写や欲望に忠実なところなど、戦闘能力や精神面で最強ではなく、あくまで人間らしい主人公となっています。
異世界ファンタジーでありながら、まるで現実のように感じられる細かな設定
主人公のチートな能力など、ゲーム的な描写はありますが、上述したように設定の1つ1つが詳細に書かれています。
例えば税金の制度があり、それが払えなかったから奴隷として売られたというフレーバーテキストなだけでなく、人頭税で毎年冬に払う必要があり、一般市民と奴隷で税金の金額が違い、その金額まで決められているなど、設定が細かいです。そこから税抜け手段が明かされたりするなど、話が広がることもありました。
また作中では料理シーンが多く、その食材も何から入手できるか、相場はどれくらいか、誰が買って誰が売るか、どういった人種が好んでいるかまで描かれています。
主人公が共に行動するヒロインたちも種族が細かに別れており、それぞれに歴史や文化、言語の違いがあり、考え方も異なるのが面白さの1つです。
そういった異世界の常識を、何も知らない主人公と一緒に体験できます。
登場人物
ミチオ/加賀 道夫
本作の主人公。17歳。
異世界に来た当初はゲームの中だと思い、深く考えずに村を襲った盗賊を手にかけました。それからすぐにゲームではなく現実だと気づいたあとは、死が軽い世界でゲームだと思っているうちに殺し合いを経験できた(いざという時に腰が引けてやられては目も当てられないため)、と人を殺した恐れを呑み込みました。
慎重な性格で思考量も多いですが、会話の駆け引きや交渉術は年相応であり、優位に話を進めることもあれば、言いくるめられることもあります。
年頃の男子高校生らしく性欲旺盛で、娼館に興味を持ったり、美少女であるロクサーヌを購入するために迷宮でモンスターと戦い、賞金首を狙うなど、自分の欲望に忠実です。
しかし論理観自体はまともであり、相手は選びますが基本的に優しい性格なため、奴隷に対する待遇は異世界の中では厚遇となっています。そのため奴隷であるヒロインたちからは、扱いが良すぎて逆に困惑されることが多いです。
戦い方は安全第一であり、新たなスキルをぶっつけ本番で使うことはほぼなく、入念に能力を精査してから戦闘に導入します。異世界に来る前は剣道を習っていたので剣を扱えますが、戦闘能力自体はボーナスポイントを振って手に入る強力な武器(ゲームによくある序盤だけ強い武器)と自己強化スキルに頼っているので、スキルを使うためのMPが切れると動きが鈍くなることが弱点です。
そのためスキルを使わずとも戦えるロクサーヌが仲間になった後は、彼女に前衛を任せ、後衛で攻撃・防御・回復魔法を使い分けて援護することが増えました。ただボス戦など火力が必要な場合は、前衛で戦います。
ロクサーヌ
狼人族の少女。16歳。
ミチオが初めて購入した奴隷です。一番奴隷を自称して、後々仲間となる奴隷たちの指導役兼お姉さん役を務めています。
聡明な性格であり、従順で気立てが良いです。異世界の常識を知らないミチオの言動に困惑することはありますが、必要な知識を嫌な顔一つせずに教え、その指示を破ることはありません。その忠誠心に満ちた言動から『奴隷として妙な矜持がある』『忠義の士に対する憧れがある』とミチオから言われていました。
迷宮に潜ると普段の優しい振る舞いが一変して、言葉には出しませんが、戦いが好きなそうな雰囲気を醸し出します。
その戦闘能力はスキルを使って戦うミチオと比べて、技術面で優れており、『最小限の動きで攻撃を避け、カウンター気味に片手剣でダメージを与える』戦い方が基本です。その姿を見たミチオからは『まるで華麗に踊っているかのようだ』と評されています。
戦闘能力だけでなく、匂いだけで魔物の位置を感知することも可能です。しかし自分の凄さにイマイチ気づいておらず、毒攻撃に対しても『当たらなければ、毒になりません』と真顔で言い切るなど、天然気味な発言で仲間を絶句させることもありました。
自分を過小評価するのは、その性格と昔組んでいたパーティで意見を聞いてもらえなかったことが原因なため、ロクサーヌを正しく評価して意見を聞いてくれるミチオのことは信頼し、後の好意に繋がっています。
買い物はこだわるタイプで、眉間にしわを寄せながら、店の商品の全部ひっくり返す勢いで品定めをしていました。
得意料理はポトフ。嬉しいと尻尾がぴくぴく動きます。ケモミミの食感は磯辺焼き(byミチオ)。
まとめ
ヒロインたちとムフフなことをするために、お風呂や石鹸を作る主人公が欲望に忠実で面白いです。
気になった方は是非一読してみてください。
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