『極主夫道』をおすすめしたい!
イントロダクション
『お弁当ぉ忘れてるでぇぇ!!!』
最凶ヤクザであり『不死身の龍』と恐れられた男『黒田龍(くろだたつ)』は、たった一人で敵対組織を血祭りに上げる伝説の極道です。
しかし、妻『美久(みく)』との結婚を機に極道から足を洗い、専業主婦として家事をこなす日々を送っていました。
ヤクザ時代と変わらない強面、ドスの効いた関西弁、ヤクザ稼業の隠語、スーツとグラサンにエプロンという風貌で数々の誤解をご近所に与えながらも、龍は主夫の道を究めていきます。
強面で可愛いキャラ弁を作り、染み抜きに白い粉(過炭酸ナトリウム)を持ちだし、タイムセールにカチコミをかけ、シマ(部屋)に入ってきた黒い鉄砲玉(G)を迎え撃つ。
町内、極道、警察が相まみえるアットホーム任侠コメディ『極主夫道』をおすすめしようと記事にしました。
『おおのこうすけ(以下敬略称)』による漫画作品。ジャンルは『コメディ、仁侠、主夫』。
ウェブコミックサイト『くらげバンチ』にて2018年2月23日から連載中です。
当初は短期集中連載が予定されていましたが、SNSを中心に好評を博したため、同年5月18日から本連載がスタートしました。
コミックスは『新潮社(BUNCH COMICS)』にて既刊9巻まで発売中です(2022年6月現在)。巻末には十数ページのおまけマンガが掲載されています。
コミックス発売毎にCMPVが公開されており、『津田健次郎』が『黒田龍』を演じた実写版PVも公開中です。
単行本の累計発行部数は、2022年5月時点で550万部を突破しました。
また劇中世界で放送されているテレビアニメ『クライムキャッチポリキュア☆』がスピンオフ読み切りマンガとして『くらげバンチ』に掲載されています。
数々の賞にランクインされており、 『pixivコミックランキング2018』 1位、 『次にくるマンガ大賞2018』 3位、 『WEBマンガ総選挙2018』 9位、 『このマンガがすごい! 2019 オトコ編部門』8位、 『第4回次にくるマンガ大賞 webマンガ部門』3位、 『みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2019』5位、 『全国書店員が選んだおすすめコミック』2位、 『第4回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞』5位、 マンガ界のアカデミー賞と言われる『第32回アイズナー賞 最優秀ユーモア賞』を受賞しています。日本では『田中政志』の『ゴン』以来22年ぶりの快挙です。 |
メディアミックスとして、テレビドラマ化、実写映画化、テレビアニメ化が行われています。
テレビドラマは『極主夫道』のタイトルで2020年10月から全10話で放送されました。主演は『玉木宏(黒田龍役)』です。
視聴率は最大11.8%と高視聴率を記録しました。
また『第106回ザテレビジョンドラマアカデミー賞』にノミネートされており、『Da-iCE』が歌う主題歌の『CITRUS』は第63回日本レコード大賞で大賞を受賞しています。
テレビドラマの続編として、『極主夫道 ザ・シネマ』が2022年6月3日に公開されました。
映画化に伴い、龍の最強家事テクニックや料理レシピなどをまとめたオフィシャルブック『「極主夫道」公式ガイド 一生使える龍の極家事道』が2022年5月20日から発売されています。
テレビアニメは『処刑少女の生きる道』や『まちカドまぞく』を手掛けた『J.C.STAFF(株式会社ジェー・シー・スタッフ)』によって制作され、2021年4月から『Netflix』独占で全世界配信されました。
また同年8月から『TOKYO MX、BS11、読売テレビ』でも放送が開始されています。
続編となるパート2が同年10月から『Netflix』で配信中であり、2022年4月からMXでも放送開始されました。
本作の魅力として、
『黒田龍』役の『津田健次郎』は『主夫業に全力のオンパレードなので、思わずツッコミたくなるシーンだらけだった気がします(笑)。龍自身は別に誰かを笑わせようとしているわけではなく、一生懸命物事や人に接しているだけなので、演じながら笑ってしまうことはないんですが、待ち時間にキャスト同士で「バカだな~」と突っ込みながら笑っていました』
とコメントしています。
あらすじ(序盤のネタバレあり)
全身に刺青を彫った強面の男『黒田龍』はドスをズボンに忍ばせ、スーツを身に纏い、サングラスをかけ、最後にエプロンを巻きました。
それからガスコンロに卵焼き器をセットして、手慣れた様子で卵焼きを作ります。そして女児向けアニメのキャラクターがプリントされたお弁当箱に、丁寧に盛り付けていきました。
龍が完成したキャラ弁当の写真をスマホで寝そべるように撮っていると、仕事で大切な会議があることを忘れていた妻『美久』が飛び込んできて、挨拶もそこそこに家を飛び出していきます。
残された龍は、飼い猫『銀』のごはんを用意しようとしたところで、放置されているお弁当に気づきました。
『お弁当ぉ忘れてるでぇぇ!!!』
龍はお弁当を袋に入れ、アタッシュケースにしまい、エプロンを巻いたままママチャリで追いかけました。
しかし、ママチャリで爆走するどう見てもカタギに見えない龍は、警察に呼び止められて職務質問されます。
『専業主婦です』
正直に答える龍ですが、警察はその顔を見て、一晩に単身丸裸で抗争相手の事務所を十カ所潰したと言われている伝説のヤクザ『不死身の龍』であることに気づきます。
正体を知られた龍は、懐に手を入れました。
警察は慄きますが、龍が懐から取り出したのはスーパーのクーポン券であり、それを渡して『ほな』と立ち去るのでした(もちろん止められた)。
作風・感想
元伝説のヤクザ『不死身の龍』が結婚を機に足を洗い、働く妻を専業主婦として支えるアットホーム任侠コメディです。
基本的に一話完結の漫画であり、強面の元ヤクザである龍が家事全般に全力で打ち込むギャップが笑いの軸になっています。
登場人物たちはどこかしらズレており、黒田夫妻、近所の人々、警察、現役のヤクザがズレの連鎖反応を起こしていき、ツッコミ不在のまま進む投げっぱなしのギャグが魅力です。
任侠漫画でも違和感のない高い画力によって、一度見たら脳裏に焼き付くような顔で自家製カヌレを作り、ママさんバレーに興じる元ヤクザの絵面がクセになります。
登場人物
黒田龍
本作の主人公。人気投票第1位。
『不死身の龍』と呼ばれた元最凶のヤクザで、かつては辰崎組の構成員でした。今も上の組織からスカウトの話が上がるほどで、現役のヤクザたちにも顔を覚えられています。
ドスの効いた関西弁を喋り、服装もエプロンを巻いていますがヤクザ稼業の時と変わっていません。その風貌でヤクザ稼業の隠語を使うので、いらぬ誤解を生むことが多いです。
真面目で折り目正しい人物であり、専業主婦になってからは丸くなったとも言われています。
料理のレパートリーはハンバーグやコロッケ、薬膳料理からケーキ作りまで幅広いです。近所のママさんたちと料理教室に通っており、野菜が嫌いな子供のために工夫をしたり、食材の栄養素についても勉強しています。
また家ではバジル、カモミール、オクラ、プチトマトなどを栽培していました。
手先が器用で、編み物や羊毛フェルト、DIY(日曜大工)を異常な精度で作り込みます。
モイストポプリやリースなども作っており、リップクリームも手作りしていました。
掃除は丁寧に行っており、生地ごとにしっかり洗剤と洗い方を変えています。
絵も任侠チックですが上手く、SNSにも精通しており、接待ゴルフも得意です。
裏社会にいたこともありますが、テーマパークとは無縁の人生だったので憧れを抱いており、牧場や遊園地に行った時は誰よりもはしゃぐ姿を見せています。
ご近所付き合いは誤解されることがあるものの総じて上手くいっており、家事スキルの高さから相談を受けることも多いです。近所の子供にお年玉を渡すこともありました。
どこかズレている部分があり、町内子供会のクリスマスパーティに毛ガニを持ち込み、組長の孫娘のお誕生日プレゼントにオーガニックシアバター配合ハンドクリームを渡しました。
クワガタかカブトならカブト派で、バイキングはサラダからスタートしてキッチリ元を取りたいタイプです。
まとめ
強面が揃ってギャップしか感じないシュールな行動を取るのが面白い作品です。
気になった方は是非一読してみてください。
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