『スティルインラブ(ウマ娘)』ストーリーネタバレ・上
『我慢できない……啜らせて。アナタたちの全て……!』の紹介文から始まるスティルインラブの記事です。
普段は控えめで大人しいが、ひとたびレースに立てば、怪しく艶めく本能のままに走るウマ娘。
最後方にいたはずが急加速し、先頭集団に飛びつく。その異様な動き、気迫に誰もが凍りつく。あらゆる絶叫が、虚空に谺します。
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プロフィール
誕生日は5月2日
身長は153cm、スリーサイズはB72・W50・H76 体重は魅惑的。
身長は下から数えた方が早く、スリーサイズも『Bが身長139cmのスイープトウショウ、Wが身長145cmのナリタイシン、Hが身長141cmのダイイチルビーと同じ』という小柄かつ細身。ホーム画面でメジロラモーヌ、ジェンティルドンナとの会話があるが、立ち位置や2人の体格の良さを加味しても、かなり小さく見えます。
学園は中等部 所属寮は栗東寮 同室はネオユニヴァース。
普段の一人称は『私』。周囲からは『スティル(さん/ちゃん)』と愛称で呼ばれています。他者のことは『〇〇さん、貴方、あの方』など丁寧な呼び方です。
今時の言葉は使わず、誰に対しても敬語で話すが、1人の時や独白では女性口調です。
肌は蝋のように白く、瞳の色はハイライトが薄い紅。髪は栗毛の長髪で、額部分に白い流星が走っています。頭頂部から後頭部に伸びる白いヴェールのようなヘッドドレスと、後ろ髪を二又に分ける赤いリボンが印象的です。ヘッドドレスの耳部分は水色のカバーになっており、髪と同じ赤いリボンを結んでいます。また、右前方に垂れた髪を三ツ星の髪飾りで纏めています。
第一印象は、大人しく控えめなウマ娘。小さな笑みを浮かべたり、小首を傾げるなど、上品な振る舞いが多いです。良家のお嬢様と言われても違和感がなく、深窓の令嬢を思わせる浮世離れした雰囲気が漂っています。
性格は良識的で、気遣いもできるごく普通の優しい子。困っている人を見つけたら、自分にできる範囲で手助けします。基本的に怒ることはないが、譲れない一線はしっかり持っており、普段は大人しいが怒らせると怖いタイプ。
ただ怒りに身を任せたり、本能のまま大声を上げて笑うなど、衝動的な行動は『はしたない、みっともない』と避けています。そのため笑う時も控えめだが、笑顔や照れ隠しが目を惹き、ドキッとするくらい印象的です。
お堅いわけではなく、スイープトウショウに教わったトマトジュースが美味しくなる呪文『トマトゥル☆アマリリス!』をノリノリで口にするなど、柔軟性は持っています。
一方で、赤面しながら何かを耐えるように身悶えする。頬に手を添えてうっとりする。頬から口元に向けて指を這わせるなど、謎の色気が漂う姿も見せています。発言に関しても、ハスカップのお菓子を食べた感想がホッコータルマエいわく『なんだかいけないものを見てしまった気がする』など、艶めかしい言葉がときどき出てきます ¹。
¹……『まだ……指先に、甘い香りが残っているような気がします……。はぁ……思い出すと、恥ずかしい。唇にジャムがついてしまって……何度も舌で舐めとったのですが。それでも取り切れず、指にも手のひらにも、甘いジャムが……。ああ、けれどあの芳醇な香り、口内に残る甘美な味わいが……忘れられなくなりそうです』
申し訳なさそうに目を伏せたり、縮こまるように自分の身体を抱きしめるなど、不安げな仕草が多いが、臆病ではなく冷静です。見知らぬ相手に躊躇なく話しかけたり、独特のプレッシャーを感じるメジロラモーヌやアドマイヤグルーヴとも普段通りに接しています。しかし、自分の世界に入ってしまうことが多々あり、時々会話が噛み合っていません。
存在感が薄い
そよ風にさえ吹かれそうなほど、儚く佇み、いつもどこにいるのかわかりません。少しでも視線を外したり、人混みに紛れると、その姿を見失います。
足音がしないわけでもない、目立たない外見でもない。それでも、多くの者がスティルインラブの気配に気づきません。
自動ドアが開かない。列の順番を飛ばされる。声をかけると驚かれるなどは、日常茶飯事です。
肝試しの季節は幽霊に間違われるらしく、不用意に暗がり立つのを避けています。しばし日陰に入っていたら、知らぬ間に失踪事件に発展したこともあったようです。そのため居場所を知らせるために、『常に歌いましょうか』と考えたほど。
本人が知らないことまで知っているウマ娘大好き娘のアグネスデジタルでさえ動向を認知できないことがあり、警戒心が強い動物も「何もない」かのようのに近づいてきます。ウマ娘特別狩猟免許を持つデアリングタクトいわく『山で狩猟をされる方でも、あれほど気配を消せる方は滅多にいない、見習いたい限り』とのこと。
教室では、『落とし物を拾って届ける』『教室の清掃』などをまったく気づかれていない状態で日常的に行い、クラスメイトから優しい妖精さん扱いされていました²。福引で当てたにんじん山盛りを配った時は、にんじん妖精さまと崇められ、トレセン学園内のにんじん畑に向かってウマ娘たちが手を合わせていました(その光景を遠目から不思議そうに眺めるスティルインラブと担当トレーナーというオチ)。
²……トレーナーも落とした財布を気付かぬうちに届けてもらい、妖精さんかと疑った。
もちろん担当トレーナーも例に漏れず、契約した当初は、(ノックをしたにも関わらず)一時間ほどトレーナー室で2人きりでいても気づかれませんでした。
数少ない例外として、特異な能力を持つネオユニヴァースは、ほとんどの場面でスティルインラブの存在に気づいてます。アドマイヤグルーヴも、スティルインラブが声をかけてもあまり驚きません。
自然とこうなったわけではなく、『誰の邪魔にもならないように、いない者のようにふるまうべき。目立たぬように、皆さんの目に留まらぬように』と自分を律して、望んで努力した結果です。
上述したようなマイナス面が目立つが、存在感の薄さがプラスに働くこともあります。
ファン感謝祭で行われたチーム競技『サッカー』では、控えめな存在感を活かして、ガンガンにこぼれ球を拾ってシュートを決めていました³。バスケットボールでも、影のようにボールをスティールしています。
³……いつもは邪魔にならないように、端で控えておくのが鉄則だったが、トレーナーから『相手の裏をつくんだ』と助言を受けた。普段は気づかれず、ただ立って、終わっていた模様。
逃亡したペット探しでも、音や匂いに敏感なフェレットの目の前まで接近して捕まえています。
夜間外出する際に、門の前に警備員が2人いたが、素通りできました(門限破りなので、声に出して謝っているが、風だと思われた)。
ただし、店員に声をかけても気のせいと思われる。目の前に立って、通り道を塞がないと気づかれない。企画に参加する申請を届けたが、受理されていない。部屋にいるのに消灯される。G1レースを勝利しても観客から忘れられる。など、努力だけでは片づけられない不可思議なシーンも多く、担当トレーナーからは『まるで知らない力が働いているみたい』と言われています。
存在感の薄さが役立った時や、妖精さんの正体を知ったゼンノロブロイから『クラスメイトに打ち明けたらどうか?』と言われても、スティルインラブは『喜んでくれる人がいるなら、それで充分ですから。それに、目立ちすぎるのは、少々恥ずかしい』と微笑みます。
スティルインラブにとって、目立たないことは当たり前のこと。はしたない『ワタシ』を見られたくないから。
内なる紅
普段は理性的で冷静なスティルインラブだが、強者と競い合う時や満月の夜になると豹変します。
怪しく、昏い輝きを放つ、ぞっとするほど紅い瞳。後ずさりしたくなるほどの快楽に満ちた絶叫。貞淑とは程遠い、強者を求める獰猛な笑み。聞いたものを蕩けさせる魅惑的な言葉使い。
普段のスティルインラブからは想像できない狂気に満ちた姿です。一人称も『ワタシ』に変わり、周囲のことは『アナタ』と呼びます。
それは理性から解き放たれ、歓喜に狂うスティルインラブの獣めいた本能。彼女の中に在る。良識に背けと囁く、狂気の血。それはひとたび目覚めると、この世ならざる異形が現れます。
初めて目覚めたのは、トゥインクル・シリーズで本気のレースを見た時です。美しくも激しい競り合いに心を奪われ、あそこへ、飛び込んでみたいと思った。そこまでは、普通のことです。
違ったのは、最終直線。本能と本能がぶつかり合うのを、肌で感じた。その瞬間、背筋が粟立ち……ナニかが囁いた。
『血と、月と、背徳。それが宿縁の罪科』
残ったのは、自他が曖昧になるほどの興奮。衝動。全てを喰らいたいという、強烈な喉の渇き。それから狂いだした。強者と競い合う時や満月の夜になると、魔物が現れるようになった。特に、強いウマ娘と競っているときに、それは暴れ出す。
興奮して正気を失い、意識が戻ったときには、周囲に誰もいない。理性的であろうとする『私』と。あるがままに走り、全てを喰らいつくしたいと叫ぶ『ワタシ』。狂気を抑える道を選んだ結果、分かれてしまった本能。
ウマ娘ならば、誰もが闘争心を、本能を飼っています。けれど、あんな化け物は『私/ワタシ』だけ、『私/ワタシ』だけが醜い。迷惑をかけてしまう、消えてしまいたい。
それでも、『私』自身もすでに、レースに魅了されていました。だから、目立つことを避けて、誰の目に留まらぬように振る舞い始めました。周囲から『化け物』と呼ばれて、嫌われるのを避けるために。
『私』と『ワタシ』で会話が可能なため、『私』はもう1人の自分のように扱っているが、『ワタシ』からは『アナタも本当は、好きなクセに。貞淑ぶってもムダ、ワタシは……アナタなのよ』と言われています。
葛藤して悶え苦しむ『私』の裏で、『ワタシ』は謳います。
命は遍く獣。相手を打ち負かしたい。誰よりも優れていたい。みな、闘争心という名の獣を飼っている。スティルインラブは、それが最も、色濃く残っている。それが狂気の血。
『ワタシ』は貞淑ではない。誰よりも気高い獣。だから、強者との戦いを求める。『ワタシ』を満たしてくれる、とびきり極上なご馳走を求めて、乱れ狂う。滴るモノまではしたなく啜りながら。
本能と本能をぶつけ合えば、この肉体は流れ落ちる汗も止められず、ただ乱れた呼吸のなかで、果てるのみ。勝者はただ1人。欲望のままに求めれば、もう、逃げられない。その快楽に溺れるだけ。
この世の全ての快楽を、味わい尽くしましょう。この本能が、満たされるまで。ずゥ っと。
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