『骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中』をおすすめしたい!

イントロダクション

『我はアークと申す。騎士などではなく、ただの傭兵よ』MMORPGプレイ中に寝落ちしてしまい、目覚めると操作していたゲームキャラである骸骨騎士の姿で見知らぬ異世界に立っていた『アーク』は、自分の正体が周囲にバレたら討伐されかねないと思い、目立たぬようにすごそうと決意しました。

日銭を稼ぐために依頼を受けている日々の中で、ダークエルフの美女『アリアン』と出会い、彼女に雇われて囚われたエルフを救助します。その裏では王族の策謀が渦巻いており。

無自覚な『世直し』異世界ファンタジー『骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中』を推そうと記事にしました。

『秤猿鬼(敬略称)』によるライトノベル。ジャンルは異世界ファンタジー

『小説家になろう』で掲載されており、web版は全8章200話で2018年に完結済みです。

オーバーラップノベルス(オーバーラップ)により書籍化され、イラストは『KeG』が担当しています。既刊10巻(2022年4月現在)。

書籍版ではweb版の続きである第2部が始まっています。

漫画版がWEBコミックサイト『コミックガルド』(オーバーラップ)にて、コミカライズ版が『サワノアキラ』により連載中です。既刊10巻(2022年4月現在)。

漫画ならではのコミカルな表現や、骸骨であるにも関わらず表情豊かな主人公が楽しめます。

電子書籍版を含めたシリーズ累計発行部数は200万部を突破しており、『書泉ブックタワー』によるライトノベル週間ランキングで最高7位を獲得しています。

『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』を手掛けた『株式会社スタジオKAI』『株式会社HORNETS』の共同制作で2022年4月からアニメ版が放送開始されました。キャッチコピーは『異世界は本日も旅日和』

音泉にてwebラジオ『骸骨騎士様、只今ラジオへお出掛け中』が配信されています。初回配信は2022年1月28日で、3月まで毎月1回配信されており、4月8日から隔週金曜日で配信される予定です。MCは『前野智昭』『稗田寧々』

あらすじ(序盤のネタバレあり)

MMORPGプレイ中に寝落ちした主人公が目を覚ますと、見知らぬ森の中で倒れていました。身長2メートル越えの巨体に、神秘的な意匠が施された白銀の鎧を身に纏ったその姿は、彼がゲームで使用していたアバター『アーク』でした。

ゲーム内で手に入れた神話級の武器と防具を持ち、さらにはレベルもカンストしており、魔法も使用可能です。その強さは、試し斬りで森の木々を軽く粉砕するほどで、想像以上の破壊力に『なんじゃこりゃあ』状態になりながら、水を飲んで落ち着こうと川に近づいて水面を覗き込みます。そこには骸骨になった自分の顔がありました。

鎧の下は有料コンテンツで『全身骨格』に変えており(web版ではコウモリだけが知っているヒーローを意識した模様)、鎧を外すとおぞましいモンスターにしか見えないその姿を、人前に晒せば誤解から攻撃されると判断したアークは今後の方針を『目立たず生きていく(身長2メートル、体重180キロオーバーの巨体+全身甲冑。本人もちょっと無理があるとは思う)』と決めました。

ひとまず日銭を稼ぎ、生活基盤を確保するために街へ向かったアークは、案の定目立ちながらも数々の依頼をこなして異世界を堪能します。

その最中、盗賊に捕獲されていた綿毛狐という精霊獣『ポンタ(命名アーク)』や、囚われた仲間のエルフを救出するために行動するダークエルフ『アリアン・グレニス・メープル』と出会います。本人は目の前の悪事を見過ごせなかっただけなのですが、その裏では大陸全土を巻き込む陰謀が渦巻いており。

 

作風・感想

『レベルをカンストしている主人公が無双する異世界ファンタジー』ではあるものの、威力が高過ぎて迂闊に強力な攻撃ができなかったり、肉体は強くても主人公自身が戦いの素人であることから苦戦する描写は多いです。

バトルものというよりは、数多くの種族が生活する様々な国へ向かい、そこで発生する事件を解決して、その裏で悪党が企てていた陰謀も間接的に破綻させる『水戸黄門的な世直しの旅(無自覚)』がメインです。

主人公がコミカルで、また話の起承転結がしっかりしており読みやすく、明るい気持ちで読み進めることができます。

読みやすいですが、国家内の派閥争いや種族間の軋轢も丁寧に描かれており、それを主人公が直接ないし自覚無しで解決するので、話に深みがありながらも爽快感があります

作中ではエルフや獣人を始めとした数多くの種族が登場しており、各々が独自の文化、歴史、生活をしています。新しい舞台へ行く度にわくわくできるのも、この作品の特徴だと思いました。

 

登場人物

アーク

ゲームで寝落ちしたら異世界に放り出されていた主人公です。

口調は40代前半のナイスガイな武人ですが、これはロールプレイであり、内心や人目がないところでは若者口調で話します。

アークはアバターの名前であり、本名や素性は不明です。レベルをカンストさせて複数の職業でゲームをプレイしており、運営が浪漫だけで作った天騎士という職業を使用していたことから、廃人ゲーマーであることが窺えます。

性格はドジでお茶目なうっかりさんであり、当たり前ですがとても人間くさいです。しかしレベルをカンストしている影響で、ドジを踏んだ時の被害が尋常ではなく、轟音が鳴る雷の魔法を仲間の近くで発動して鼓膜にダメージを与えたり地下空洞で地形に影響を与える地属性の魔法を使って危うく生き埋めになるなど、やらかす度に仲間からはツッコミを受けています。

正義感が強く、眼の前の悪事を見過ごせない一面があり、旅先で起こるトラブルには自分から突っ込んでいきます。これは自分の実力を把握する前からであり、初めて実戦を行った時は、負ける可能性を加味して必勝の作戦『不意打ち』で盗賊を討伐しました。

これに加えて異常なほど無欲で、また正体がバレないように謙虚な姿勢で報酬を断ることもあり、周囲の好感度がどんどん上がっていきます。

異性に対する興味は、ほとんど表に出しません。一応、煽情的な恰好の女性に遭遇すると気まずそうに目を反らしたり、モブな悪党が欲情に駆られた言葉を口走った時は内心で少なからず同意します。

旅をする中で遭遇するファンタジー要素に目を輝かせては、仲間から呆れられることもあります。

一方で悪党の命を奪うことに躊躇がなく、また描写できないような亡骸や悪党によって悲惨な姿に変えられた犠牲者を見ても、精神的に動揺することは少ないです。実は無欲だったり、性的欲求も含めて、感情の起伏が乏しいのには理由があり……。

骸骨な見た目ですが、飲食は可能であり、また食に対する造形も深いです。醤油っぽい調味料を一から作ったり、料理の腕も仲間から好評を受けています。

手先も器用で、鞍にサスペンションを組み込み、かまどを一から作ることもありました。

日本人のさがか温泉大好きですが、入浴する姿は水面に浮かぶ白骨の亡骸です。

 

アリアン・グレニス・メープル

ダークエルフの女戦士であり、白く長い髪、薄紫色の肌を持つナイスバディの美女です。今作のお色気担当。

アークとは、人間に囚われたエルフを救出する際に出会い、その実力を見込んで傭兵として雇いました。

戦士として勝気な性格をしていますが、仲間を気遣ったり、可愛いものが好きという女性らしい部分もあります。

同胞を攫う人間に対しては不信感があり、アークのことも当初は警戒していました。差別主義者ではなく、同胞を傷つけられて、仲間想いの優しいアリアン自身の心が傷ついていることが原因です。そんなアリアンも旅の中で様々な人と出会い、成長していくことになります。

エルフの戦士として戦闘能力は高く、剣や魔法も一流です。父親を除いた一家全員が出鱈目に強く、単純な剣技でアークとアリアン両方を相手にして余裕で勝つ母親と、アリアンをして戦闘狂と呼ぶ実力者の姉がいます

 

まとめ

異世界を旅する冒険譚、気になったら、是非一読してみてください。

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