ブランパン(ふすまパン)とは? 身体に良いのか?

糖質が低い食品として、最近ではコンビニやスーパー、通販サイトなどでも売られているブランパン(ふすまパン)とは、いったいどういう食品なのか、また身体にどんな影響があるのか、気になったので調べて記事にしました。

低糖質ダイエット中でも、糖質を気にせず食べられる食品として有名ですが、普通の食パンと違ってもっさりして、少し食べづらいブランパン(ふすまパン)。最近では食パンに始まり、マフィンやクロワッサン、どら焼きなど様々な種類が売られています。

ちょっとお高く、低糖質だけど実は落とし穴があるのでは? そんな疑問を吹き飛ばすスーパーフードとしてのブラン(ふすま)ついても書いていきます。




糖質オフの食品専門店『低糖工房』

そもそもブラン(ふすま)とはなに?

ブラン(ふすま)とは、英語で小麦の外皮を指しています。お米でいうところの糠(ぬか)にあたる部分になります。

小麦は『胚乳(83%)』『胚芽(2%)』『表皮(15%)』に別れており、通常小麦粉を作る際は柔らかい『胚乳』だけを使い、硬い『胚芽』と『表皮』は取り除きます。取り除く理由としては、硬い部分を残すとゴワゴワした食感になってしまい、口当たりが悪くなるためです。

・小麦を丸ごと粉砕して、『胚芽』と『表皮』を取り除いたものが『小麦粉』。

・なにも取り除かない場合が『全粒粉』(お米でいう玄米)。

・『胚芽』と『表皮』のみを使う場合は『ブラン粉』。

ブラン粉は、小麦全体から17%しか取れない希少部位になります。

悪く言えば残りカスであり、食感が悪くなったり、独特な麦臭さが出ることから取り除かれて、家畜のエサとしても使われていましたが、最近では評価が大きく変わった栄養豊富なスーパーフードでもあります。

 

まず『第六の栄養素』である食物繊維が、他の食品と比べると多いです。

名前食物繊維含有量(100g辺り)
ブラン粉約41.7g
全粒粉約11・2g
小麦粉約2.5g
玄米約3g
椎茸約4.2g
大豆(乾)約17.1g
ごぼう約5.7g

                日本食品標準成分表より

穀物の食物繊維は、水に溶けづらい『不溶性食物繊維』が多く、整腸作用への効果が期待されています。食物繊維が多い食品は、よく噛む必要があるため満腹感を得られやすく、食べ過ぎを防いで肥満の予防に繋がり、脂質やコレステロールの吸収を阻害することから、動脈硬化の予防にも繋がります。

さらには、全粒粉やブラン(ふすま)粉のような不溶性食物繊維を豊富に有する穀物をとり続けると、糖尿病や大腸がん、心臓病の人のリスクを低く抑えるという報告もあります。

食物繊維以外にも、現代人に不足しがちと言われているマグネシウム、鉄分、亜鉛などのミネラルに加えて、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEを多く含んでいます。

糖質については、小麦粉が100g中、約70gに対して、品種にもよりますが10gから30gになります。

パンの状態で考えると、一般的な6枚切りの食パンの糖質が約30g近いのに対して、ブランパン(ふすまパン)1枚は約4gと、だいたい8割ほど低くなります。

ブラン(ふすま)粉はタンパク質にも富んでおり、小麦粉と比べて約2倍ほど多く含んでいます。

欧米では、全粒粉やブラン(ふすま)粉を使ったパンの消費が伸びてきているそうです。

またパン以外にも、クッキーなどのおやつの材料として使用されることも増えてきました。




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ブランパン(ふすまパン)について

小麦粉や全粒粉とは違い、ブラン(ふすま)粉には『胚乳』に含まれている『グルテン』がないので、それだけではパンを作ることはできません。

なので強力粉やドライイースト、小麦グルテンを使って、膨らませることになります。

ブランパン(ふすまパン)によっては、小麦粉や砂糖を使用したり、大豆粉を使っているモノもあるので、気になる方は原材料欄などを確認してみてください。

低糖質な食品目当てでブランパン(ふすまパン)を購入したのに、小麦粉や砂糖が使われており、思ったより低糖質じゃない場合もあります。

最近ではホームベーカリーで使えるブランミックスなどもあるので、より低糖質なブランパン(ふすまパン)を作る場合は、自分で作ってみるのもいいでしょう。

その場合も、原材料欄で何が含まれているか確認してから購入しましょう。ただのブラン(ふすま)粉を買ってしまったり、小麦粉や砂糖が含まれているモノもあるので、自分の目的に合わせて選んでください。

糖質が低いと言っても、パンである以上は卵やバターなどの油分が少なからず含まれているので、脂質が気になる方は気を付けてください。塩分についても同様です。

ブランパン(ふすまパン)を実際に食べてみる

普通の食パンが『しっとりふわふわ』なのに対して、ブランパン(ふすまパン)はどうしても『もそもそ』としており、また麦の独特の臭いが漂うなので、好みがだいぶ別れると思います。

ただ食べ応えがよく、普通の食パンと同じ量を食べた時の満足感が違います

糖質制限をしている人、健康に気を使っている人、食べることに罪悪感がある人、ロカボを意識している人など『パンが食べたいけど、どうしても糖質が気になって食べにくい』人におすすめな食品です。

最近は種類が豊富で、あんぱんやクリームパンのような菓子パンでも低糖質なブランパン(ふすまパン)として売っているので、だいぶ食べやすくなってきました。

 

食生活にブランパン(ふすまパン)を取り入れる場合

そのまま食べると、普通の食パン同様に味気ないですが、そこで糖質の高いジャムやソースを使うと本末転倒なので、あくまで低糖質にこだわるならば、サラダチキンやツナ、レタスなどの淡色野菜を挟むのをおすすめします。

最近では、糖質を控えたジャムやソースも売っているので、そちらを試してみるのもいいでしょう。

ブランパン(ふすまパン)は糖質が低いのが利点ですが、低すぎるのが難点でもあるので、他の食品と合わせて最低限の糖質は取りましょう

いっぱい食べたい時、他のおかずの糖質が多い時、小腹が空いた時、間食を食べたい時、食べ過ぎたと感じた次の食事や、夕食に外食の予定がある時の昼食など、うまく使い分けて食べましょう。

まとめ

食感や風味、味に難点はありますが、低糖質かつ栄養豊富な食品です。

最近では、様々な形で販売されているので、自分の目的に見合った形を選びましょう。

低糖質を目的にブランパン(ふすまパン)を購入する場合は、他の食品と合わせて、最低限の糖質は摂るように気を付けてください。

糖質、タンパク質、脂質はバランスよく摂りましょう。

極端な糖質制限は、エネルギー切れで体調不良の原因に繋がるので気を付けてください。

ブランパン(ふすまパン)は、栄養価が高い食品であることは間違いないので、上手に美味しくいただきましょう。

 

参考文献

Am.J.Clin Nutr. 98,594-619

BMJ 2016; 353 doi:https://doi.org/10.1136/bmj.i2716(2016)



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