ヤエノムテキ(ウマ娘)ストーリーネタバレ
『八重に華咲く無敵の闘志、己が道を、いざ!』の紹介文から始まるヤエノムテキについて記事にしました。
古風な武者を思わせる言動から愛想のない印象を受けますが、腹を割って話せば弱きを守ろうとする優しさや、真面目過ぎて空回る愛らしさが垣間見えるウマ娘です。
猛々しさと静けさの両方を持ちながら、その奥底には自分自身でさえ制御できない狂焔を宿しています。
目次
プロフィール
誕生日は4月11日
身長は159cm、スリーサイズはB78・W54・H81 体重は増減なし
学園は高等部 所属寮は栗東寮
多くは語らず、言葉に飾り気はありませんが礼節を重んじており、誰に対しても慇懃な態度で接する武闘少女です。
師範代である祖父から徒手武道『金剛八重垣流』を学んでおり、普段の立ち振る舞いにも表れています。そのため武闘家特有の圧がにじみ出ており、ファン感謝祭や子供向けの入学体験イベントでは怖がられていました。
常に己を律しており、真面目な性格も相まって愛想が良いとは言えません。そのため初対面の人間には、上述の圧もあってとっつきにくい印象を与えてしまいます。
しかし、一歩踏み込んで話せば理知に富んだ言動と、柔軟な思考をしていることがわかります。精神的・人間的にも成熟しており、信用している相手の言葉を素直に聞き入れたり、喧嘩する生徒の間に入って丸く収めています。
そのため交友関係は広く、ヤエノムテキも付き合いがいいので、同期から相談を待ちかけられたり、後輩からも慕われています。
金剛八重垣流
子供の頃は教師でさえ匙を投げる暴れん坊だったらしく、福引きの抽選機を破壊して出禁になったり、良い子ではないのでサンタからプレゼントを貰えなかったという幼少期エピソードがあります。
そんな当時のヤエノムテキに粘り強く寄り添ったのが『金剛八重垣流』当主の祖父でした。祖父との修行で『荒ぶる心を抑える術』を学び、今の冷静なヤエノムテキを形作っています。しかし、あくまで抑えているだけなので、暴れん坊だった頃の片鱗が垣間見えることもありました。
これを未熟と捉え、修行がまだまだ足りないと思っているヤエノムテキは、朝から晩まで己に厳しくストイックに修行を積んでいます。
そのため休日の過ごし方がわからず、気が付けば走り込みや橋の下で筋トレを行っていました。遊園地に連れてこられた時もジェットコースターの加速の仕方をレースに活かせないかと考えたり、夏合宿では『遊んで参ります!』と意気込みましたが全部修行に繋げてしまうなど、盛大に空回っています。
金剛八重垣流は、守護に重きを置く流派であり、トレーナーに絡んできた不良ウマ娘を鋭い一声だけで追い払い、少女が閉じ込められた物置小屋の扉を正拳突きで破壊して救出するなど、スーパークリークからはみんなのことを守る騎士と言われています。
一応奥義があるらしく、寝ぼけて目覚まし時計に打ち込んだり、遊園地のお化け屋敷でスタッフに向けて放とうとしていました。
その修行方法はぶっ飛んでおり、夜の山を駆け、手刀で流木を断ち、巨岩を投げ、大鐘への千本突きで陽を迎えます(道場の先輩はこれを涼しい顔でするそうです)。
ヤエノムテキも新年は雪山に薄着で籠り、夏合宿では海の中に潜水して脚の指で海底の岩を掴み、構えを取り、すり足で進みつつ、基本の当身技、数十種を放つ修行を行っていました(途中の息継ぎなし、浮上すればやり直しで、本来は甲冑具足をつけるそうです。なお修行中、海面に水柱が上がっていた模様)。
スーパークリークの誕生日イベントでは、プレゼントとしてクマやサメの捕獲を考えています(上述の修行風景を見るに、冗談ではない)。
今はやっていませんが、子供の頃は頭を鍛えるために、庭の木に頭突きの練習をしていました。
修行は子供の頃から続けているので習慣化しており、公園で武術の鍛錬が日課になっています。
また真面目な武闘家らしく規則正しい生活習慣が身についており、朝5時に起床して礼に始まり、洗濯機を回しながら(時間がある時は洗濯板で洗う)、祖母から送られてくる味噌玉で作ったみそ汁を飲み、日課のトレーニングに励みます。トレーニング相手は毎朝、新聞配達に来るバイクです。
トレセン学園に来る前は道場の掃除もしており、その習慣がないことを『落ち着かない』と語っています。
坐禅は行えますが、苦手なこととして正座を上げています。落ち着きないの子供だったことが、影響しているかもしれません。
守護りたい
金剛八重垣流は人を守るための力、と学んだことを踏まえても庇護欲が強いです。しかも、か弱く愛らしいモノに目がなく、子供、小動物、ぬいぐるみなどの小物、カレンチャンのようなカワイイ存在は庇護欲の強さも相まって、悶えながら守護しようと暴走します。
サクラチヨノオーからリスがモチーフの手作り和菓子を貰った時は、可愛くて食べられなかったうえに、リス丸と名付けていました。
酷い時は通学路で子猫と出会い、夢中になって通学鞄をその場に置き忘れたらしく、修行して治そうとするイベントがあります。
その修行方法は、
・足元で戯れる子猫に、心揺るがされないように耐える(相当きついらしく地の底から響き渡るような叫びを上げていた)。
・水族館でイルカの赤ちゃん相手に、冷静な態度を崩さないように我慢する(3分間我慢で新記録)
・サクラワンコオーの誘惑に九字を唱えて防戦する。
修行の成果は出ており、イナリワンから生まれたばかりの子犬を見に行かないかと誘われましたが、断れるようになりました(その場からダッシュで逃げた)。しかし、最後の試練として選んだ猫カフェで見事撃沈しており、克服はできていません。
ヒミツとして明かされている『動物モノの映画は予告で泣いてしまうので見られない』理由は、恐らくこれが原因だと思われます。
またウマ娘の中でもトップクラスのウブで、恋愛要素がある歌は歌うどころか聞くことすらできません(手を繋ぐという歌詞ですら口にできない)。友達に好意を告げられた時も照れまくり、勢い余って『(私も)大好きです!』と大声で返事をして、恥ずかしさのあまり逃走しています。
褒められることも慣れておらず、育成ストーリーでトレーナーにべた褒めされた時は、顔が真っ赤になっていました。
動揺すると幼児のような字しか書けなくなることに加えて、絶不調の時や守護欲が満ちた時は、言語がふにゃふにゃになります。
得意なこと
料理スキルは和食に寄っており、米は釜で焚き、ニンジンで浅漬けを作ったりします。味付けは素朴な味を好んでおり、食堂の味付けが濃い目なので、時々実家の味が恋しくなっています。栄養バランスも気にかけており、骨や筋肉に良い食材を選ぶなど、肉体に対する造詣が深いです。
裁縫も得意で、バレンタインではトレーナーにくまのぬいぐるみを贈りました。
勝負服
勝負服は道着のように馴染むと語っており、帯の内側に祖父が『俯仰不屈』の文字をいれています。
勝負服は強者の証(固有の勝負服を纏うのはG1出走者のみのため)として、纏うからには決して負けぬ強き者でありたいと考えています。
家族関係
暴れん坊だった頃のヤエノムテキを、見捨てずに鍛えてくれた祖父母のことは尊敬しており、深く感謝しています。ヤエノムテキがレースを走る理由の1つは、心配ばかりかけてきた祖父に対する恩返しのためです。
祖父母もヤエノムテキを厳しくではありますが可愛がっており、彼女がレースで勝った時や友人に囲まれている姿を見て、嬉しそうに笑っていました。普段は『祖父』や『師範』と呼んでいますが、時折『じいちゃん』と口を滑らせています。
弟もいるらしく、道場では先輩として厳しく接しているようです。
最後に、子供の頃の夢は工場現場のダンプカー。
関連ウマ娘
友人でありライバルでもあるサクラチヨノオーとメジロアルダンを始め、ウマが合うバンブーメモリー。そして永世三強、特にオグリキャップとの絡みが多いです。
サクラチヨノオーとは、相談したりされたりの関係で、良き友人でありライバルです。一緒に子犬カフェへ行ったこともあります。
メジロアルダンとも、サクラチヨノオーと同様に良好な関係を築いていますが、純粋に好意を告げられたり、彼女の言葉に振り回されることが多いです。
バンブーメモリーとは、根が真面目な部分が似通っており、サウナで勝負するなど仲の良さが窺えます。ヤエノムテキが修行も兼ねてゲーセンに通っていることを知られた時は、グレたかと心配されました。またヤエノムテキの内で燻る狂焔に気づいた数少ないウマ娘です。
オグリキャップとは、2人きりで食事するなど仲は良いですが、レースが絡むと好戦的な態度を向けています。また育成ストーリーでオグリキャップが不調から俯いていた時は、レース前にレース場を第4コーナーまで爆走して、無理やり前を向かせています。
スーパークリークやイナリワンには、ヤエノムテキの本性とも言える部分を悟られています。
またカレンチャンは、守護したい欲が爆発して、記者のインタビューに騎士としてついていきました(圧を発していたようで、記者からの質問は柔らかくなった)。カレンチャンのウマスタもしっかり確認しており、彼女が才能だけに頼らず、努力して自分を磨き上げていることも見抜いています。
育成ストーリー
子供の頃のヤエノムテキは、感情と欲望のまま暴力を振るう獣でした。
気に入らないことを全て力で従わせようとする無法者で、ヤエノムテキ自身が『愚劣で粗暴な屑』と言うほどです。
誰からも嫌われて、見放されて、孤独だったヤエノムテキに唯一寄り添ったのは祖父でした。
祖父は暴力衝動に苛まれるヤエノムテキに指導を施し、己を律して抑え込む術『止水』を叩き込み、その『烈火』が如く力を活かせる場所として、レースの道を示します。
しかし、『止水』でも内なる『烈火』を完全に消すことはできず、選抜レースでは気性の悪さを晒してしまい、良い結果が出ません。
修行の成果で表層に出難くなっただけで、ヤエノムテキの内にある『烈火』は今もなお燃え盛っています。それゆえ過去の自分はもとより、今の自分もヤエノムテキは肯定しておらず、まだまだ未熟と思って一心不乱に自分を鍛え続けています。
暴れ狂う本能を抑え込む手がかりを求めて、ヤエノムテキは祖父を尋ねました。
祖父に教えらえたのは『火水合一』です。
溢れ出る『烈火』を『止水』で打ち消すのではなく、両方を活かす。
闘争心を戦術で制御する。それがレースにおける『火水合一』、ヤエノムテキが導き出した答えです。
ウマ娘としてのヤエノムテキ
内なる烈火
『火水合一』により、闘争心あふれる走りを見せながらも、レース運びを考える冷静さが保たれています。
ただし内なる『烈火』は常に暴走する危険性を孕んでおり、日本ダービーに執着するサクラチヨノオーとメジロアルダンの執念に呑まれかけて敗北を意識した瞬間に、それは炸裂して肉体のタガを外しました。
結果的に勝利しましたが、安定した走りとは到底言えず、『火水合一』の完成度をより高める必要があるという課題を残します。
ヤエノムテキの問題はそれだけではありません。『烈火』を制御したことで、常に冷静な走りを見せるヤエノムテキですが、感情の昂ぶりを抑えたことで勝利への執念が薄まっていました。ライバルであるサクラチヨノオーとメジロアルダンが怪我で一度レースから離れ、対抗心が薄れたことも原因の1つです。
追い打ちをかけるように、世間は永世三強、オグリキャップを始めとした怪物達に注目して、ヤエノムテキ達が激闘を見せた日本ダービーのことなど、まるでなかったかのように扱い始めました。
しかし、それが起爆剤になります。
天を蹂躙せんばかりの憤怒の雄叫び。例え、それが誰にも届かなかったとしても、ヤエノムテキは怒りました。
なぜ誰も自分達のクラシック三冠を思い出さないのか、どうしてサクラチヨノオーとメジロアルダンが『戻る場所がないかもしれない』、と恐れなければならないのか。
時代が永世三強しか見えていないならば、そのことごとくに勝利して存在を焼き付けて見せる。ヤエノムテキは、オグリキャップ打倒を掲げます。
それは間違いなく執着心でした。
タガを外す
ライバルたちが返ってくる場所を護るために、ヤエノムテキは走ります。執着に至ったことで、『烈火』の闘争心を限界ギリギリまで解放して、より力強く走れるようになりましたが、オグリキャップの走りには勝てません。
オグリキャップは観客の応援から力を貰っており、際限なく力を増やしていく、まさに怪物でした。
残る手段は、『烈火』の闘争心を完全解放することです。勝利する可能性は上がるものの、感情を制御できずに暴走する可能性や、走り方が崩れてしまう恐れもあります。
悩んだ末にヤエノムテキは選びました。過去を過去にしないために、走ることを。
ですが『烈火』を制御する以前に、『烈火を完全解放する』ことをヤエノムテキは恐れていました。
『烈火』の本質を、自分がもっとも醜いと思っている激情は、何を燃料に燃え上がっているか、それを追求することが怖かったからです。
それでも勝ちたいと覚悟を決めたヤエノムテキは、自分を見つめ直します。
ヤエノムテキが抱く『烈火』の根底に在ったのは、浅ましく強烈な自己顕示欲でした。
認められたい、嫌われたくない、だから暴力で従わせて、自分を認めさせました。それでも嫌われたから、自己顕示欲を抑え込みました。けれど、結局今もオグリキャップが世代の代表はおかしいと怒り、認めさせると息巻いて、自分を見ろと叫んでいます。
『何も変わってない、成長していない。無理だ、本能のまま、感情をむき出しにして走ったら、暴走する』
ヤエノムテキの本質は、自分が一番嫌っていた頃から何も変わっていません。自己肯定感の低さ、みんなに認めてもらいたいと思いながらも、ヤエノムテキは自分を認めることができません。
確かにヤエノムテキは変わらなかった、しかし学びました。祖父から『金剛八重垣流』を教わり、ただ暴力を振るうのではなく、大地を蹴って走る力に変える方法を身に着けました。
なにより『烈火』を燃やして、心を滾らせ、力で1着をもぎ取り、他者を打ち負かすことは問題ではありません。
なぜなら、それがウマ娘のレースだから。
そして、ヤエノムテキは多くの好敵手に恵まれました。
感情を抑制して、力を抑えて、それでいいと思う好敵手などいません。激情のまま走っても嫌わない、むしろもっと早く走れと願う。ありのままを認めてくれる、相手の強さを認められる強者ばかりなのは、長い間共に走ってきたヤエノムテキが一番わかっています。
だからみんなを信じて、ヤエノムテキは『烈火』を完全解放しました。
誰もかれもが自分が一番だと叫んでも、その全てに否を叩きつける、誰も眼の前を走るなと吠える。
長い間『烈火』はヤエノムテキの悩みであり、心の弱さの象徴でした。
ですがヤエノムテキは、『烈火』を解放してむき出しになった自分をぶつけられる好敵手と出会いました。
もう1人じゃない。ヤエノムテキは祖父が示した道を離れて、安心して見守れる、そして誇れる姿を見せました。
好敵手達と走り続ける道を、自分が信じた道を、ヤエノムテキは往きます。
まとめ
押忍、押忍、おしゅ……が可愛いです。
好敵手に恵まれ過ぎていたではなく、好敵手に恵まれていたからこそのウマ娘マジックが熱い育成ストーリーでした。
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