『かぐや様は告らせたい』をおすすめしたい!
目次
イントロダクション
『どうしても付き合ってくれって言うなら、考えてやらん事もないがな』
『向こうが跪き身も心も故郷すらも捧げるというなら、この私に見合う男に鍛え上げてあげなくもないけれど』
エリートの集う秀知院学園。生徒会・会長『白銀御行(しろがねみゆき)』と副会長『四宮かぐや(しのみやかぐや)』、2人は両想いであるにも関わらずプライドの高さから『(相手から告白してきたら)付き合ってやってもいい』というヘタレ思考で相手が言い出すのを待っています。
などとやってるうちに、半年が過ぎました。その間、特に何もありません。
このなにもない期間に2人の思考は『如何に相手に告白させるか』にシフトしていました。
恋愛関係において『好きになった方が負け』は絶対のルール、即ち『告白した方が負け』です。
質実剛健、聡明叡智、学年模試は不動の1位、全国でも頂点を競い勉学一本で天才たちと互角以上に渡り合う猛者・白銀御行。
総資産200兆円、千を超える子会社を抱え、4大財閥の1つに数えられる『四宮グループ』の本家本流『総帥・四宮雁庵(しのみやがんあん)』の長女である正真正銘の令嬢・四宮かぐや。
互いに相手を惚れさせ、相手から告白させようと生徒会室の中で超高校級の頭脳の高度な駆け引きが行われます。
権謀術数の限りを尽くす恋愛頭脳戦、新感覚ラブコメ『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』をおすすめしようと記事にしました。
『赤坂アカ(以下敬略称)』による漫画作品。ジャンルは『学園ラブコメ』。略称は『かぐや様』。
『ミラクルジャンプ(集英社)→週刊ヤングジャンプ(集英社)』にて2015年6月号から連載がスタート、2022年11月に連載終了しました。
コミックスは『集英社〈ヤングジャンプ・コミックス〉』にて全27巻まで発売中です。最終28巻は2022年12月19日に発売予定。
シリーズ累計発行部数は2022年11月時点で1900万部を突破しました。
『マンガ大賞2017 一次選考作品』『Google Playベスト オブ 2019 ユーザー投票部門 マンガ カテゴリTOP5』『第3回 次にくるマンガ大賞 コミックス部門 第1位』『BOOK☆WALKER大賞2019 大賞』『第65回小学館漫画賞・一般向け部門』に選ばれています。
スピンオフ作品として、
エロ完全NGを貫く本編であったら良いなと思うエロスピンオフ(全年齢対応)の『かぐや様は告らせたい 同人版』が全4巻で発売中です。
生徒会の実態を知らない、マスメディア部のメンバーが繰り広げる妄想喜劇4コマ『かぐや様を語りたい』が既刊7巻まで発売しています。
ノベライズ化もされており、生徒会に届いた脅迫状などオリジナルストーリーが描かれる『かぐや様は告らせたい 小説版 〜秀知院学園七不思議〜』、10本の短編が収録された『かぐや様は告らせたい―天才たちの恋愛頭脳戦― まんがノベライズ 恋のバトルのはじまり編』があります。
アニメは『株式会社A-1 Pictures』によって制作され、第1期が2019年1月、第2期が2020年4月、第3期が2022年6月から放送されました。
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本編では一旦の区切りである文化祭編までをアニメ化した第3期終了後。原作のクリスマス編を映像化した『かぐや様は告らせたい ファーストキッスは終わらない』が、テレビ放送に先駆けて12月17日から劇場で特別上映予定です。
実写映画作品として『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 ファイナル』が全国の劇場で公開され、2作品とも日本週末観客動員数1位の映画となっています。主演は『橋本環奈(四宮かぐや役)』『平野紫耀(白銀御行役)』。
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本作の魅力について、
白銀御行役の『古川慎』は『かぐやと白銀の二人が、お互いに告白させたがっているというシチュエーションや、相手が狙い通りには動いてくれなくてすれ違ってしまう気持ちを、テンポのよい会話劇へと昇華しているところに魅力を感じます』
四宮かぐや役の『古賀葵』は『ラブコメマンガを読んだのは久しぶりだったんですけど、「こんな面白い作品があるんだ!」とビックリしました。かぐやと白銀会長がお互いに告白させようと企む頭脳戦のスピード感に一瞬で引き込まれて。とても読み応えがありました』
とコメントしています。
あらすじ(序盤のネタバレあり)
人を好きになり、告白し、結ばれる。それはとても素晴らしい事だと誰もが言う。
だが、それは間違いである!
恋人たちの間にも明確な力関係が存在する! 搾取する側とされる側、尽くす側と尽くされる側、勝者と敗者。
もし貴殿が気高く生きようと云うのなら、決して敗者になってはならない。
恋愛は戦。
好きになったほうが負けなのである。
かつては貴族や士族を教育する機関として創設され、貴族制が廃止された現代では富豪名家に生まれ、将来は国を背負うであろう人材が集う『私立秀知院学園』。
偏差値77前後と非常にレベルの高いエリートたちを率い、纏め上げる者が凡人であるなど許される筈もありません。生徒会・会長『白銀御行』は学園内で常に成績1位を維持し、全国模試でもトップを争っています。そんな彼を支える副会長『四宮かぐや』は巨大財閥『四宮グループ』の令嬢であり、その血筋の良さから文武両道、やらせればなんでも高いレベルでこなしてしまう万能型の天才です。
周囲からはお似合いの2人だと思われており、付き合っているのではないかと噂されていました。
白銀は『くだらん色恋話』だと思いながらも『四宮が告白してきてら付き合ってやらんでもない』と上から目線です(交際経験なし)。
対する四宮も『なぜ国の心臓たる四宮家の人間と平民が付き合うなんて発想に至る?』と思いながらも『まぁこの私に恋い焦がれない男なんて居ないワケだし』と上から目線でした(交際経験なし)。
お互いに相手が告白するまで時間の問題だと思っている間に、半年が過ぎます。
プライドの高い両者に於いて、自ら告白するなどあってはならず『如何に相手に告白させるか』という恋愛頭脳戦に発展しました。
両想いにも関わらず頭脳戦を繰り広げる白銀と四宮の周りには、あらゆる空気を破壊もしくは混沌に導く書記『藤原千花(ふじわらちか)』、元引きこもりであり間が悪く他人の地雷を踏み抜く会計『石上優(いしがみゆう)』といった2人に負けず劣らず個性的な生徒会メンバーが揃っています。
どちらかが素直になれば一瞬で終わる頭脳戦は、まとまることなく混迷を極めていきます。
作風・感想
本作ではエリートたちが集う名門校において、天才と呼び慕われている2人が権謀術数の限りを尽くして相手に告白させようとする恋愛頭脳戦が行われます。
しかし物語が進むうちに各キャラクターのポンコツ具合が目立ちだし、『赤坂アカ』が『天才たちの恋愛頭脳戦という看板はそろそろ外すべきではないだろうか』と公言するほどギャグ要素が強い作品になっています。実際にアニメ2期のタイトルが『かぐや様は告らせたい?〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』と打ち消し線が入り『恋が天才をアホにする』とまでイントロダクションに書かれました。
頭脳戦と見せかけたコメディ
基本的にコメディ要素が強く、『APEX』や『VTuber』と言った単語も出てきます。恋愛頭脳戦以外にも、害悪級のポンコツである『白銀御行』を『藤原千花』が鍛える『特訓シリーズ』、恋愛経験が全くない主要人物たちが恋愛相談に乗る『恋愛相談シリーズ』、テーブルゲーム部に所属する『藤原千花』がゲームを持ってくる『ゲームシリーズ』、ラーメンを食べに行った先々で起こる店主と客の壮絶なバトルを描いた『ラーメンシリーズ』などがあります。
ボケツッコミが高頻度で入れ替わるテンポの良い会話劇で魅力であり、話の終わりに『○○の勝利』『○○の敗北』といった一文で締められるのがお約束です。
お互いに好意を抱いている状態で始まる中々進展しないタイプのラブコメディですが、スピード感のある会話と濃度の高いボケがカオスを生み出しています。そのため笑ったり応援したくなったりすることがほとんどで、じれったさやもどかしさはあまり感じません。
登場人物たちが奇抜
登場キャラクターは金持ちだったり、天才といった浮世離れした存在ではありますが、高校性にありがちな行動に親しみやすさが湧きます。そんな風に共感できると思った瞬間に、奇抜な行動で突き放してくるのが魅力の一つです。
キャラクターの表情、セリフ、動きにインパクトがあり、1コマ1コマの情報量が多く無言で佇むキャラクターの顔にも味があります。
その一方でシリアス要素が強い長編も多く、主要キャラクターたちの家庭事情や恋愛事情といった話が生々しく描かれており、感情移入がしやすいです。特に裏主人公とも言われている『石上優』の周りは本人の成長も含めて人間関係の変化が激しく、目が離せません。
また物語の下地として登場キャラクターたちは(一部を除いて)富豪名家の生まれ、つまり金と権力が渦巻く世界に近い住人であり、家の方針に従うことしかできない子供である描写も多いです。
しかし1話から築いてきた強い人間関係が権力に対する最大のカウンターとして働き、彼ら彼女らが天才であることを思い出させてくれる言動が、ただ大人に黙って従う子供では終わらせません。
登場人物
白銀御行
本作の主人公。生徒会長。
全国模試トップクラスの頭脳を誇り、勉学一つで金持ちのエリートたちと渡り合うほど優秀です。ただ才能ではなく努力型であり、1日10時間の勉強を欠かさず行っています。
加えて家庭が貧しいためアルバイトもやっており、いつ寝ているかわからないような生活を送っていました。結果、常に睡眠不足気味で目付きが悪くコンプレックスになっています。
プライドが高そうに見えて打たれ弱く、柔らかく凹みやすい『純銀』です。
極めて善良な性格で、『利己の為に他人を傷つける行為を許さない』信条を持ち、無意味に人に冷たく出来ません。また困ったら人を頼る、その分誰かの助けに応じると決めています。
人の相談や頼みを断らず、誠心誠意付き合います。そのため学園内では少数派である一般階層の出であり、高校からの外部入学であるにも関わらず、多くの生徒から慕われていました。
成績優秀で事務スキルも高く、英検準一級 漢検二級 危険物取扱者(乙4)、ひよこ鑑定士、小型船舶免許などを持っています。パッと見てなんでもできそうに見えますが、意外と弱点が多いです。
カナヅチで虫嫌い、料理はできますが生魚を捌くことができません。
日々のバイト生活や往復2時間の自転車通学をこなしているので身体能力は決して低くないですが、ジャンプする時に目を瞑ってしまうレベルの運動音痴です。また歌唱力もないうえに、ラップを初めて披露した際はナマコの内臓と評価されています。
天体好きであり、星を愛し、花を愛でる感性豊かな芸術家気質です。度々女々しい振る舞いをしており、少女漫画で号泣していました。
恋愛経験はないですが、意外とモテるので自信だけはついており『底なしの自信と無垢な貞操を兼ね備える現代が産んだ歪み、モンスター童貞』と化しています。またスマホにHなサイトのブックマークが大量にあり、四宮が告白してきたら『ドエロい事をしよう』と心に決めていました。
猫派。『バカ』が禁句で、女の子っぽい名前である『みゆき』をいじられるとキレます。
四宮かぐら
本作の主人公その2。副会長。
国内屈指の最富裕層であり、身の回りの世話はハウスキーパー、移動は専属の運転手、食事は三ツ星ホテルの料理人が用意します。
誰もが認める美少女であり、完全無菌の箱入り娘です。
やらせればなんでも高いレベルでこなしてしまう万能型の天才であり、合気道初段 柔道二段、茶道、華道、演舞、お琴、薙刀も習っています。弓道もやっており、全国大会で優勝していました。
身体能力も恵まれており、白銀を投げ飛ばしたり、大の男を組み伏せています。動体視力も高く、箸でハエを掴んで『お前は宮本武蔵か』とツッコミを入れられていました。
飾り気が無く、常に微笑みを絶やさないことからお淑やかな令嬢に見えますが「心身の掌握、思考の誘導」を得意としているなど、コンプレックスになる程度には性格が悪いです。
四宮の家訓である『人に頼るな 成らば使え』『人から貰うな 成らば奪え』『人を愛すな 成らばは無い』の影響で他人を見下したり、まず利用できるかを真っ先に考える生き方が染みついており、そんな自分に嫌気が差しています。
また契約主義者であり、自分で決めたルールは絶対に破らず、約束を破った相手は例え友達でも許しません。そのため友人を作る際は、約束を違えないか裏でふるいにかけています。結果として人を寄せ付けず、生徒会に入る前は人付き合いがほとんどありませんでした。
生徒会に入って以降は態度が軟化しており、言動は厳しいですが面倒見の良さを見せています。親近感を抱いたり、気に入った相手に対しては基本的に甘いです。ただ上述の黒い性格が変わったわけではありません。
嫉妬深く、また情緒不安定な面があり、体調を崩すとメンタルに影響を及ぼします。
恋愛経験はなく、性知識に関してはキスで止まっており、恋がなんなのかよくわかっていません。
すぐ現金に頼る悪癖があり、子供の頃からガラゲーを使っていたのでIT音痴(駄菓子屋のお爺ちゃんレベル)です。
藤原千花
本作のヒロイン。書記。
天真爛漫で心優しい性格ですが、割と自己中心的な考えの持ち主です。
脳内お花畑で非常識な振る舞いが多く、また物怖じしないので良い雰囲気だろうが険悪な空気だろうが突っ込んでメチャクチャにするムードメーカー兼トラブルメーカーなため、場の空気を変える切り札として頼られることもあります。
しかしルンバより規則性がない生き方で、付き合いが長く『心身の掌握、思考の誘導』を得意とする四宮ですら、彼女の行動を完全に予測することは不可能です。白銀との恋愛頭脳戦で利用するつもりが、足をすくわれて自滅することが多々あります
嘘が苦手で約束はキチンと守り、人当たりが良く心優しい性格から交友関係は広く、彼女と付き合いが浅い人間からの評価は軒並み高いです。
ただ生徒会メンバーからの評価は雑で、白銀からは『(プライドが高く、他人に弱みを見せたくない白銀が唯一)どう思われてもいい相手』、四宮からは『(友達として大切にしているが)生徒会で3番目の好感度』、石上からは『(よく墓穴を掘るので)殴りやすいボディをしている』と酷評されていました。
書記なのに漢字を間違えるなど、アホの子っぽい言動が目立ちますが、一応偏差値77の名門校で平均的な成績です。また学習意欲が高く、IQも130をオーバーしています。
そのため決して頭は悪くなく、自分が持ち込んだゲームで小賢しいイカサマを行うなどやや腹黒です。しかし学年最上位の成績を持つ白銀や四宮の前で使うので、即座に見抜かれることが多く、石上から煽られて度々半泣きになっています。
勉学以外にも、元外交官の母親の影響で五ヶ国語を操るマルチリンガルであり、日本語に苦手意識があるレベルです。
音楽関係も強くピアノは全国大会金賞を受賞したほどの腕前でした。
恋愛関係については、女子高生らしく恋バナを好んでいますが、上述の性格ゆえ省かれることがほとんどです。
スタイル抜群な三姉妹の次女。犬を飼っています。
石上優
本作の裏主人公。会計。
零細玩具メーカーの次男で、データ処理のエキスパート。
気だるげな普段の言動からは分かり辛いですが、物語初期では4人しかいない生徒会の実務面を支えており、『石上抜きでは生徒会は破綻する』と言われていました。
成功体験が乏しく根暗で消極的な性格ですが、一度スイッチが入ると語りが止まらなくなり、特に煽り始めるとあらゆるモノに暴言を吐くため白銀に止められています。
観察力や洞察力に優れており、文章からでも相手の思考を読み取ります。しかし、相手の地雷を誤まって踏み抜くことも多く、後先を考えない不用意な言動から不幸な目に遭うことも多いです。
加えて人見知りですが心を許した相手に対しては口が軽くなり、自分が有利だとわかった瞬間に、正論で煽り倒す悪癖があります。そのため藤原からは『(自分にも非があるとはいえ)正論で殴るDV男』と言われていました。
学習意欲が低く、基本的に興味が有る事にしか全力を出せないため、地頭はいいですが成績は悪いです。
恋愛関係については、無駄に知識だけあるのでセクハラ紛いな言動をしたり、ラブコメディ漫画由来の奇抜なアプローチ方法を披露しては、女性陣から気持ち悪がられています。
ネガティブな要素が悪目立ちしていますが、『頑張ってるやつが笑われるのはイラつく』と他人の頑張りが報われるように、人知れず行動するなど正義感が強いです。
誰かを守るために、身体が勝手に動いてしまう熱い一面もあります。ただ良くも悪くも後先を考えておらず、よくない結果になることもありました。
小魚が苦手。
まとめ
白銀や四宮が『なぜ相手に告白させようとするのか』。それについてもちゃんと理由付けがされており、2人の『性格や過去』にしっかり繋がっているため説得力を感じます。
気になった方は是非一読してみてください。
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