名家の重圧に潰されてもがくメジロパーマーに光を灯したのは、レース中に心の底から笑い、楽しそうに走る太陽『ダイタクヘリオス』です。同時期にフリースタイルレースという名家の令嬢ではなく『パーマー』として走れる環境に出会ったメジロパーマーは、思うままに走る楽しさを知り、『メジロらしさ』から逃げて『メジロパーマー』として名前を残すという夢を得ます。

メジロパーマーにとって名家の格式や権威は枷であり、どこまでも自由な形で走り、自分が一番楽しむというシンプルな生き方が性にあっていました。

それからは『ちゃんとメジロしなきゃ』から『もっと私らしく生きる』を目指して前向きに『メジロらしさ』から爆逃げしていくになります。

メジロというしがらみから逃げたことで生き生きと走れるようになり、ダイタクヘリオスの影響を受けてノリも軽くなりましたが、自分がメジロから逃げている事実については心の底に引っかかっています。

またメジロ家の優秀なウマ娘と自分を比較してきたことから自己評価が低く、楽観視できない性分も相まって、一度悩みだすとマイナス思考からなかなか抜け出せません（本人いわく青春こじらせ系のめんどくさい女）。

さらにはレース時に見られているとメジロ家のウマ娘であると意識してしまい楽しく走ることが難しく、育成ストーリーではジュニア期を丸々使って『メジロらしさ』から脱却し『メジロパーマーらしさ』を作っていくことになります。

その一環で『メジロ家のギャル』としてパリピ語を使った勝利者インタビューをして爪痕を残し、家名に負けず自由に駆けたメジロパーマーとして走ることになりましたが、幼いころから染みついた『メジロらしさ』が原因で上手くいきません。

デビュー戦でパリピっぽいムーブも走りもできず思い悩むメジロパーマーに、ダイタクヘリオスは『ひとまず難しいことは考えず、まずはレースを楽しもう（意訳）』と言い、肩の力を抜いて自由に走るために、まず『メジロらしさ』から心を解放することを目標としました。

気持ちで決めるクラシック路線

少しずつレースを楽しみながら、時は流れてクラシック三冠目前の時期になり、今後の方針を決めることになります。

しかし本人はプレッシャーが重くクラシック戦線に乗り気ではありません。

『メジロのウマ娘だから出ないと、でもボロ負けしたらどうする？　いやシンプルに考えろ、私はメジロじゃないパーマーを目指しているんだ。出た方が自分のためになると思うが、実力的に勝負にならなくても私のためになる？　現実を思い知らされるだけじゃ。ああ！　もっと楽観視したい！　ポジティブシンキングしたい！　……でも楽観視してうまくいったことがない、才能じゃ乗り切れない子だったし……テンパる！　出口どこ！　助けてトレーナー、ズッ友』

といった思考のループにはまってしまい、ダイタクヘリオスから『気持ちで決めれば？（意訳）』と指摘されて数日間悩んだ結果は

『自分らしく決めないといけないが、そもそも私は足りない子なりに迷惑だけはかけまいて、ずっと首引っ込めて生きてきたワケだし。それがいきなり、自分を出せ気持ちを言えって言われても「こうだ！」なんて決められるかー！　わからん！』

もはや子供のような感情だけの叫びでしたが、またしてもダイタクヘリオスからの鶴の一言『わかんないなら、レースが近づいてきた時の気分で決めれば？（意訳）』により、あろうことかクラシック三冠を気分で行くという方針に決定しました。

気分だろうが気まぐれだろうがメジロパーマーの思うままに行動させること、それがメジロパーマーのクラシックロードであり、初めて自分の気持ちで走る道です。

迷惑をかける自覚はありますが、気が乗らないといい走りができないのも事実でした。あまりのいい加減さに『私ってこんなやつだっけ？』とメジロパーマーは自問しましたが、それが自分の目指す自由で好きに生きることであると自覚します。

『メジロパーマー（ウマ娘）』ストーリーネタバレ　part３　に続く

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