『金装のヴェルメイユ』をおすすめしたい!
目次
イントロダクション
『悪魔、古来より恐れられている高位幻想種。中には国を滅ぼした個体もいる。そんな彼女を、素敵だと思った』
魔術師と使い魔ひしめく魔法の学び舎『王立オルティギア魔法学院』で偉大な魔法使い『魔導を極めし者(プラチナスクエア)』を目指す1回生の見習い魔術師『アルト・ゴールドフィルド』は、ほとんどの科目で満点の成績を収める優秀な生徒でしたが、ただ一つ『召喚魔術の実技』だけが苦手です。
『使い魔と共に在れ』が学校の理念の1つであるため、明日までに使い魔と契約を交わさなければ、2回生へ進むことできません。留年の危機に瀕したアルトは、図書館で古びた召喚魔術の本を偶然見つけます。
アルトは藁にも縋る思いで、文字がかすれてほとんど読めない本に描かれた魔法陣を使い、初めて召喚魔術を成功させました。
『お前さんがアタシを出してくれたのかい?』
呼び出されたのは尖った耳を持ち、角と尻尾が生えたナイスバディで全裸なお姉さんでした。
古来より恐れられる『悪魔』だと名乗ったお姉さん『ヴェルメイ』は、悪いコトをして本に封印されていたらしく、解放してくれたアルトを命の恩人として、使い魔になることを了承します(全裸のまま)。
厄災級の強大な力を持つヴェルメイは、なんでも言うことを聞くとそそのかしてきます(全裸)。
『ますは服を着てください!』
『服着てた方がいいなんて、ハッ…まさかそう見えて意外とマニアッ』
『そういうのはいいですから』
翌日、アルトは人間(悪魔は嫌われものであるため、ヴェルメイは人間に擬態)と契約した前代未聞の魔術師として、なんとか進級を果たしました。
しかし、使い魔となったヴェルメイは定期的に魔力を供給する必要があり、その方法は濃厚なキスです。
そんな不健全な悪魔のお姉さんと一緒にドタバタの学園生活を過ごすアルトでしたが、その裏では悪魔の力を利用しようと目論む者達の恐るべき陰謀が渦巻いていました。
崖っぷち魔術師が最強の使い魔と歩む王道ファンタジー『金装のヴェルメイユ~崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む~』をおすすめする記事です。
原作『天那光汰(以下敬略称)』、作画『梅津葉子』による漫画作品。ジャンルは『ファンタジー、バトル』。
『月刊少年ガンガン(スクウェア・エニックス)』にて2018年9月号から連載されています。
コミックスは『スクウェア・エニックス(ガンガンコミックス)』にて既刊6巻まで発売中です。
シリーズ累計発行部数は2021年2月の時点で20万部を突破しています。
アニメ化も行われており、『株式会社Staple Entertainment』にて制作され、2022年7月から放送されました。
監督は『刀剣乱舞-花丸-』を手掛けた『直谷たかし』、シリーズ構成は『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』を担当した『高橋龍也』、キャラクターデザインは『戦×恋』の『立石聖』です。
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本作の魅力について、
アルト・ゴールドフィルド役の『広瀬裕也』は『山場がたくさんあると感じました。まるでクライマックスのような内容やシーンが何度も出てきます。そして、アルトとヴェルメイさんの関係性がどう変わっていくのかが見所です』
ヴェルメイ役の『内田真礼』は『エッチなお姉さんが出てくるインパクトはあるんですが(笑)、バトルやカッコいいシーンなど胸アツなシーンも出てきますので、たくさんのキャラクターとの出会い、アルト君の成長、そしてヴェルメイのかわいさ、カッコよさ……いろいろなものを見ていただければなと思います』
とコメントしています。
あらすじ(序盤のネタバレあり)
『悪魔に魂を売る』という言葉がある。
まだ世界に『悪魔たち』が実在していた時代、人々は悪魔の力を求めた。だが、そんな者達の末路は決まって、悲惨なモノでした。
『悪魔と契約するとはそういうことだ』
ドラゴンさえもデコピンでノックアウトする悪魔『ヴェルメイ』と学園生活を過ごす『アルト』でしたが、一部の生徒が行方不明になっては謎の昏睡状態で発見されるという不審な事件が続けざまに起こります。
ヴェルメイは被害者の魔力を辿って犯人と接触しますが、犯人の狙いは最初から史上最大の厄災である『悪魔』の力でした。
なんとかその場を切り抜けるアルトとヴェルメイでしたが、それで終わりではありません。
危うく学院が消滅しかねない事態をもたらした犯人ですら末端であり、己が魔導で世界を変えるほどの極致に到る『魔導を極めし者』たちが事件の裏で暗躍していました。
悪魔の力すら寄せ付けない『魔導を極めし者』から、アルトはヴェルメイを守ることができるのか。
作風・感想
本作はナイスバディで悪魔なお姉さんと低身長を気にする見習い魔術師の恋愛劇がメインと見せかけて、悪魔の力を奪い合って戦うシーンもがっつり描かれています。
サービスシーンだけではないストーリー
服が窮屈で嫌がるヴェルメイを筆頭に、序盤は女性キャラのサービスシーンが多いです。
しかしストーリーが進むごとに、話は悪魔の力で世界に変革をもたらそうとする『魔導を極めし者』との戦いが主軸になるため、バトルやシリアスなシーンが増えていき、サービスシーンは息抜き的な意味合いが強くなります。
そのため作風は明るいというよりは、カラッとしています。笑えるシーンは笑える一方で、迫害されていたヴェルメイの過去などはかなり重いです。
魔法や悪魔といった生物が出てくるファンタジーな世界観ですが、軍の存在があり、世界中では戦争と内戦が続いているなど、ダークファンタジーな要素もあります。
厄災とさえ呼ばれる悪魔を、主人公とその周囲は概ね好意的に受け止めていますが、世界規模では忌み嫌われたままです。そのため悪魔の存在は基本的に秘匿しなければならず、また奪われないように政治的な駆け引きを行う必要があるなど、人と悪魔の共存の難しさが描かれています。
そんな現在進行形で迫害されている悪魔たちとの付き合い方に苦悩するのも、ストーリーでは重要な部分です。
綺麗なキャラクターデザインですが、クセが強いキャラクターがいっぱい。
譲れないモノがあるとどんな相手にも立ち向かっていく主人公、主人公のためにあらゆる手段でアプローチをかける幼馴染、ツノにリボンをつけたカブトムシ(アニメ公式ホームページのキャラクター紹介にちゃんといる)を使い魔にする魔術師など、クセが強いキャラクターが多く、何かと主人公を誘惑し、悪魔として強大な力を振るうヴェルメイが登場キャラクターの中では真っ当な部類です。
敵味方全員が確固たる自己と信念を持って行動しており、役柄だけを与えられたキャラクターがいません。そのためバトルシーンではお互いの信念をぶつけ合い、殴り合いで決するという熱い展開に発展します。
また会話は成立しますが、底が見えない怖さを持つキャラクターが敵味方に複数登場します。味方なら頼もしいですが信用しきれず、敵だと底知れない強さに繋がるので、ストーリーの展開が読めません。
ハッタリが効いたバトルシーン
戦闘は主に魔法を使いますが、得意な魔法という形でできることは限られており、魔法を使った工夫など戦略性があります。また魔法を補助に使った肉弾戦もかなり多いです。
学生である味方陣営に対して、敵は作中だと『不可能を可能にする』魔導を追求した強者であり、苦戦は必須です。楽勝な戦いは序盤を除くとほとんどありません。
敵が強者であると演出するシーンは絶望的な戦力差を感じますが、主人公たちが臆さずあらゆる手段を用いて倒しにかかるため、避けられない戦いのリアルさを感じます。
登場人物
アルト・ゴールドフィルド
田舎町出身で、両親は魔法使いではないという経歴を持っています。
召喚魔術を除いて全体的に優秀で、その素質は悪魔であるヴェルメイが贔屓目なしで認めているレベルです。召喚魔術についても、魔力が濃すぎて『普通の使い魔では近寄れない』と後々発覚します。
低身長で誰に対しても敬語で話し、優しく大人しそうな雰囲気を持っていますが、かなり怒りやすい性格です。それも静かにキレるタイプで、譲れない一線を守るためならば格上の相手にも挑みかかるため、見た目に反して喧嘩っ早い一面を持っています。
魔術師としては、クリスタル錬成が得意分野です。巨大なクリスタルを射出して攻撃する他、防御、拘束、足場にするなど応用が効きます。また魔法に対する分析力が高く、地道な努力で培った知識量と実技の裏テーマを見抜く観察眼を備えた優等生です。
実戦経験が皆無なため、戦いそのものは苦手です。ただ強敵が相手でも、臆さない心と危険な場所に飛び込む勇気を持っています。
ヴェルメイ
アルトが召喚してしまった悪魔です。見た目は20代の若い女性ですが、200年以上の時を生きています。
封印されている間に弱体化しており、定期的に魔力の補給が必要です。
大人なお姉さんの姿をしていますが、あくまで人間としての姿であり、悪魔の力を全力で振るう場合はそれ相応の姿に変わります。
姉御肌な女性ですが、服を嫌がったり、おやつ抜きで落ち込むなど子供っぽい一面もあります。
初心なアルトをからかう文字通りの『小悪魔』ですが、恋愛経験自体は皆無なのでその実ピュアです。
弱体化してなお戦闘能力は高く、主に肉弾戦で戦います。悪魔の力に驕ることなく、相手の力量を冷静に測る実力派です。またアルトの意向を汲んで不要な殺生は避けていますが、生かしておくと危険だと判断した相手には容赦しません。
過去のことを話そうとせず、また悪魔の力を振るうことに躊躇がない一方で、危険な力であると言い聞かせるように呟きます。
まとめ
人間と悪魔の禁断のラブロマンス。徐々に変わっていく2人の関係がとても良いです。
気になった方は是非一読してみてください。
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