『古見さんは、コミュ症です。』をおすすめしたい!
イントロダクション
『なんでわかったんですか? 私が人と話すのが苦手な事。(筆談)』話したいけど、話せない、本当は喋りたい。『古見硝子』は容姿端麗で学園のマドンナ的存在ですが、人前に出ると顔が固まって緊張してしまい、言葉を発することができません。そんな彼女には、『友達を100人作りたい』という夢がありました。
ふとしたことから『古見硝子』が『コミュ症』だと気づいた同級生『只野仁人』は、『古見硝子』の1人目の友達になって、残り99人の友達作りを手伝うことになります。
しかし2人が通う私立伊旦高校は、合格基準が『個性』というアクの強い生徒ばかりが集まる学校でした。前途多難な友達作り『古見さんは、コミュ症です。』について記事にしました。
『オダトモヒト(敬略称)』による漫画作品。ジャンルは『学園』『シチュエーション・コメディ』。
『週刊少年サンデー』2015年42号の企画『新世代サンデーグランプリ』にて掲載された同タイトルの読切が人気を博したことを受けて、2016年25号から連載が始まりました。
コミックスは『小学館(少年サンデーコミックス)』にて既刊25巻まで販売中(2022年4月現在)。
2022年3月時点でコミックスの累計発行部数は600万部を突破しており、2022年には第67回小学館漫画賞少年向け部門を受賞しました。
2021年9月にNHKでテレビドラマ化。主演は『増田貴久(只野仁人役)』『 池田エライザ(古見硝子役)』です。1話が30分で、全8回放送されました
『サマータイムレンダ』や『文豪とアルケミスト 〜審判ノ歯車〜』を手掛けた『株式会社オー・エル・エムのOLM TEAM KOJIMA』によりアニメ化が行われて、2021年10月に第1期が、2022年4月から第2期が放送開始されました。
米時間2022年2月に、アメリカのアニメ配信プラットフォーム最大手として知られるクランチロールが主催するアニメワード2022年の『Best Comedy (最優秀コメディ作品賞)』に『古見さんは、コミュ症です。』第1期が選ばれています。
本作の魅力として、古見硝子役の古賀葵は『みんなが学生時代に体験したことのあるような描写や憧れる描写がたくさん散りばめられていて。幸せな気持ちになれる』、只野 仁人役の梶原岳人は『それぞれのキャラクターがすごく立っていて、些細な日常の中で起こる変化、日常の面白さを描いている』とコメントしています。
あらすじ(序盤のネタバレあり)
県内でも有名な進学校である私立伊丹高校に入学した『只野仁人』は、中学生時代に個性を出そうとしてイタい目を見た経験から、高校生活では『周りの空気を読み、波風の立たない高校生活を送る』ことを目標にしています。
そんな目標は登校初日から無情にも崩れました。クラスで隣の席になった『古見硝子』は学園のマドンナ的な存在であり、『只野仁人』は周囲から羨望の眼差しという名の憎悪を受けます。
自己紹介をしても総スカンを食らい、自分の高校生活が終わりを告げたことを悟った『只野仁人』でしたが、放課後の教室で『古見硝子』と2人きりになった際に、彼女が人と話すことのできない『コミュ症』であることに気づきました。
物静かでクールな印象を感じる『古見硝子』でしたが、人と顔を合わせば表情が強張り、口を開いても一文字しか言葉が出てこず、緊張して身体が高速振動してしまう極度のコミュ症でした。
それでも人とお喋りをしたい、一緒にご飯を食べたい。けれどつまらなかったら、笑えなかったら、友達になれなかったら、無視されたら、どうしよう。朝の簡単な挨拶すら緊張して震えてしまう、それが『古見硝子』という女の子です。
そんな状態の『古見硝子』には夢がありました。『友達を100人作る』ことです。
繰り返しますが『只野仁人』の『普通の学園生活』は終わりを告げます。『古見硝子』の1人目の友人として、残り99人の友達作りに協力することになったからです。
しかし2人が通う私立伊丹高校はアクが強い生徒だけが集まる進学校であり、友達作りの難易度が高く。加えて『古見硝子』と会話をする頻度が高くなった結果、周囲から憎悪の眼差しを受けている『只野仁人』には、友達がいませんでした。
その事実に泣きなそうになりながらも、『只野仁人』は2人目の友人候補として、幼馴染だが性別不明、過半数の生徒と幼馴染であるコミュ力の化身『長名なじみ』に声をかけます。安牌だと思った『長名なじみ』の返答は『NO』で、『古見硝子』はショックで石になりました。
作風・感想
作中に出てくるコミュ症は、実際はコミュニケーション障害の略であるコミュ障が正しいですが、『オダトモヒト』は『コミュ症という言葉は自身の考え違いから生まれたもので、作中で使い続けている』と語っています。
コミュニケーションを苦手とする症状を略してコミュ症であり、『サンデー本誌』では『コミュ症とは、人付き合いを苦手とする症状。またはその症状を持つ人をさす。留意すべきは、苦手とするだけで、係わりを持ちたくないとは思っていない事だ。この漫画を人付き合いで、たまに胸を締め付けられる、全ての人に捧ぐ』という説明が毎回付けられています。
個性派揃いの高校で(学校の外にいる人間もだいたいヤバい)、友達100人を作るために頑張ったり、遊んだり、時折胸にチクリと突き刺さる青春を過ごす作品です。
4コマ漫画から短編、長編まで幅広く扱っています。話の内容もギャグから人間関係に踏み込んだシリアスなモノまであり、温度差がかなり激しいです。
数十人いるキャラクターは全員度肝を抜くほど個性的で、極度のコミュ症、あがり症、中二病、ヤンデレ、ナルシスト、果てには西洋甲冑装備、忍者、侍など。個性の闇鍋から繰り広げられるコメディがクセになります。
作中の時間はしっかり流れており、人間関係の変化や、各々のキャラクターが触れ合って成長していくところも見所です。
登場人物
古見硝子
本作の主人公。『古見さんは、コミュ症です。』
容姿端麗で背も高く(本人はコンプレックス)見た目は誰もが振り向く美少女です。
運動神経抜群(他人が関わるとへっぽこ)で学力が高く、料理も得意、と非の打ち所がない才女ですが、極度のコミュ症という最大の欠点があります。
他人との会話はできず、無理に話そうとすると表情が強張ったまま振動し始める有り様ですが、周囲が勝手に良い方向に誤解することが多く、物語序盤では男女両方から神格化されていました。
名家のお嬢様を思わせる仕草と、丁寧な言葉遣いをしますが、性格は内向的で自己肯定感が低く、それでいて根は頑固で一度決めたことは曲げず、言葉にはしないものの自分の考えをしっかりと持っています。
基本的に筆談で会話を行っており、そんな状態の彼女が、どのように成長して友達を作っていくのかが本作の醍醐味です。
只野仁人
本作の視点役。『只野くんは、ただの人です。』
容姿、学業成績、身長、体重、全てが『普通』の男子高校生です。
基本的に小心者ですが、他人をよく見ており困っている人を放っておけない性格をしています(古見硝子がコミュ症だと気づけたのも、彼女をよく見ていたため)。
誰とでも普通に接することができ、コミュニケーション能力に難が多い登場人物達の心中を察して寄り添う優しさを持っています。そのため男女問わずに頼られている場面が多いです。
個性派揃いの登場人物が多い中で、普通という個性を持っており、どんなことでも普通にこなせる万能型でもあります(料理も普通に作れる、演劇で主役を普通に演じられる、しかも事故でいきなり役が変わっても普通に演じきった)。
まとめ
ギャグ中心から思いきや、結構感情を揺さぶってくる作品です。気になった方は、是非一読してみてください。
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