『アストンマーチャン(ウマ娘)』ストーリーネタバレ・下

の続き

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関連ウマ娘

同期のライバル兼保護者で、他のウマ娘には『さん付け』しているなか、珍しく呼び捨てにしている『ウオッカ』『ダイワスカーレット』との絡みが多いです。

3人で『同期ちゃん3人で思い出モリモリの会(アストンマーチャン以外は知らない会)』を開き、中央平場で『うまぴょい伝説』の動画撮影、公園でちびっこ相手にマーちゃん人形劇、スパイ映画撮影などインパクト強めな思い出作りに勤しんでいます。

ウオッカ→アストンマーチャン

アストンマーチャンの思い出作りに、『あんな恥ずかしいの、もーごめんだぜ!』と言いながら付き合っています。アストンマーチャンがトウカイテイオーの番組撮影に割り込んだ時も、『代わりに写真たっぷり撮ってやるからさ』と誘導できるくらいには、性格を把握しています。

育成ストーリーでアストンマーチャンが『世界に跡を残す』ために、限界を感じていたティアラ路線から確実性のある短距離路線にスパッと路線変更した時は、その思い切りの良さに『カッケェ』と思っていました。

またアストンマーチャンが提案した『変装・買収・全力疾走☆ 何でもアリアリ! ルール無用の学園全域サバイバル缶蹴り』という遊びに、『おもしろそうじゃねぇか』と心惹かれていました。

サンタ衣装は色合いが似ているため、アストンマーチャンから『キャラが被る』と言われています。

ダイワスカーレット→アストンマーチャン

ウオッカと同じく思い出作りに振り回されていますが、一度言い出したら頑固で聞き耳を持たないことは理解しており、『しょうがない』と諦めています。

よく世話も焼いており、アストンマーチャンがお気に入りのブラウスを汚して捨てようとした時は、説得してあの手この手で汚れ落としに挑戦しています。結果的に汚れは落ちませんでしたが、ダイワスカーレットのひらめきで、マーちゃん人形の新衣装として生まれ変わりました。

ライバルとしては『スピードもパワーも折り紙付き、同期の中でも実力はある。でもライバルって感じじゃなかった、マーチャンはアタシに興味がないと思ってたから。アタシとなにかを奪い合おうなんて、考えたりしないと思ってた』と評価が高いです。

『人がいつまでも隣には居続けられない』という考え方から誰にも相談せず、行動力の高さからフラフラどこかへ行く姿には、『いつか急に手の届かないどこかへ行っちゃいそうな雰囲気がある』と不安を感じています。

アストンマーチャン→ウオッカ、ダイワスカーレット

福引きイベントで旅行券獲得時に、2人を誘って温泉旅に行こうとするなど、仲の良さが窺えます。

ライバルとしては強く意識しており、『ウオッカよりも、スカーレットよりも、マーちゃんは先を走りますので』など、勝つ気満々で好戦的な発言が多いです。一方で、2人の出るレースは高い火柱が上がり、鮮烈でドラマティックで誰もが見上げる大舞台になると考えています。

レースで何度もぶつかり合う2人のことを『ずるい』と言い、育成ストーリーで2人が出場する『シニア級10月・天皇賞(秋)』に挑戦した時は、『仲良しに入れた』と嬉しそうに笑っていました。

『あの2人とともに立つ場所は、いつも華やかになる。マーちゃんは、お友達に、ライバルに、恵まれています

アストンマーチャン→他

学級委員長になればハイパー目立つと思い、サクラバクシンオーに弟子入りして学級委員長を目指したことがあります。『マーシン、マーシン』と行く先々のトラブルを解決しましたが、『マーちゃん』ではなく『学級委員長』と呼ばれる大誤算に気付き、落ち込んでいました。

野良猫と会話する姿をスイープトウショウに見られて、『魔女の素質がある』と思われています。そのまま『弟子にしてあげる』と言われた時は、『魔法少女の弟子・マジカルマスコットマーちゃん。略して「マママーちゃん」……アリですね』と乗り気で弟子になりました。

ツインターボのことは、『ターボさん師匠』と呼んでいます。ツインターボが誰かから追われる足音を聞いて、『よい愛されっぷりです』とホッコリしていました。

テイエムオペラオーとは、どちらが王冠に相応しいウマ娘か『王冠型クッキー大食い対決』で勝負しています。

カレンチャンとは『ちゃんチャン同盟』で一緒に自撮りしたり、バースデー生配信をしていました。

安心沢刺々美の処置が成功した時は『刺されたらお腹がぽかぽかしてきた、お母さんに褒めてもらったときみたい』とコメントを残しています。

ファンに対しては、写真を撮ってもらうことや思い出作りが好きなので、『神ファンサ』と言われるほどサービス精神旺盛です。ただ『一生の思い出になる』と言われたらスイッチが入ってしまい、トレーニングをすっぽかして思い出作りに勤しみます。

育成ストーリー

ウマ娘としてのアストンマーチャン

トゥインクル・シリーズを走る理由は、自身の『グッズ化』です。そのため目下の目標はレースに勝利して知名度を上げること。トレーナーも『4コマブログの開設』『精巧なマーちゃん人形を手作りして配る』『マーちゃんの着ぐるみで街を練り歩く』『学園にマーちゃん銅像を建てる(理事長室へ連行された)』など、レースに限らず支えていきます。

その根底にあるのは『多くの人の記憶に残りたい』という強い想いで、世界中に消えない跡を残すために必死で走ります。そのため行動原理が明確で、まったくブレません。

脚の回転が速い独特なピッチ走法で、観客から『走る姿が可愛い』と言われていますが、その実力はトレセン学園の種目別競技大会で5バ身差のレコードタイムを叩き出すほどです。しかも落鉄した状態で出しているため、確かな才能を感じさせました。

新人ウマ娘発掘番組『ニューぱか』に取り上げられたこともあってか、デビュー前から知名度が高く、期待の新人と言われるほどです。

本人は周囲からの評価に対して、重圧を感じている様子はなく、ゲートインの時も普段通りニコニコしています。それどころかパドックで自撮り棒を使って撮影するなど、かなりマイペースです。

ただふんわりとした語気の割に、他者の言葉で意見を曲げない頑固さと、異論は認めない意志の強さがあります。育成ストーリーでは、誰が相手でもレース前に強気なコメントを残す大胆不敵さと、好戦的な言葉で観客やライバルを焚きつける策士的な一面が垣間見えました。

とくに後者は、『ダイワスカーレットにそれとなくウオッカの特集記事を見せて焚きつける』→『対抗心からトレーニングに励むダイワスカーレットの様子をウオッカに見に行かせる』→『ライバル意識が高まった2人は競い合うように同じレースで走る』→『話題性が出たところに、挑戦状を叩きつける』→『3強対決として偶然にも注目を浴びる』といった具合に、誰の記憶にも残る鮮烈なレースを生み出しています。もちろん実力がない状態でライバル関係に割り込んでも白けるため、目的のレースに向けて、厳しいトレーニングを重ねました。

この一連のイベントは、ウオッカとダイワスカーレットのことをよく知っているから、できた芸当と言えます。ただ得意なことは生物観察で、とあるイベントだとトウカイテイオーの『テイオーステップ(足首の動き)』とエアグルーヴの『ストライド走法(一歩が大きい走り)』を遠目に観察して、後日走りのキレが増していました。

自分の目論見通りに物事が進んだり、レースで勝利しても手を抜くことはありません。なぜなら目標である『世界を股にかけるウルトラスーパーマスコット』への道はとんでもなく長いからです。だからこそ、あらゆる努力を惜しまず、取れる手段は全て取っていきます。ただトレーナーや駿川たづなからは『生き急いでいる』と不安視されていました。

人生は独りでゆくもの

数多くの別れを体験した過去から、他人はいつまでも隣には居続けられない、それは当たり前のこと。という人生観を持ち、気持ちを共有してくれる存在は変、自分の問題は自分だけの問題と考えています。

「船は1人乗り。1人でくだり、人知れず激流にもまれながら海へ流れてゆくものです」

そのため報連相がまったくできておらず、全て自己完結で話を進めます。出場レースやティアラ路線から短距離路線への変更をトレーナーにまったく相談せず独断で決めており、アストンマーチャンが勝利して泣くほど喜ぶトレーナーに対して、『「マーちゃん」の一大事を、自分のことのように思いすぎではないでしょうか』と戸惑っていました。

この上手く二人三脚できていない状態は、クラシック級の夏合宿まで続きます。夏バテで食欲不振を起こしても報告しなかった時に、ヒシアマゾンから『トレーナーをないがしろにするな』と言われて、初めてトレーナーとの関係について考えました。

ただ『人生は独りでゆくもの』という考え方は変わらず、トレーナーが自分のために休みの日も4コマブログを更新するのは『仕事熱心だから』と納得します。

春とは仲が悪い

春になると原因不明の体調不良を起こします。病院で精密検査を行い、薬や漢方も試しましたが、効果はありません。

奥の手『春と仲良くなるお弁当作戦』も試しましたが、効果はなく、なぜか波の音が聞こえました

夏になると体調が良くなり、そのままクラシック級は順調にファンを増やして、ブログのアクセス数も伸ばしていきます。

しかし、シニア級の春になると、再び体調を崩しました。さらにブログのアクセス数が急激に落ち、レースで勝っても観客から名前を呼ばれず、取材もされないという異常事態が発生します。

「あの、ここですよ。マーチャン、ここですよ。……ここにいるのに……」

ファン感謝祭でも、体調不良で病欠したアストンマーチャンの不在を惜しむ声が聞こえません。ウオッカやダイワスカーレットからも、アストンマーチャンの名前が出てこないです

「波の音が聞こえる。もう、近いのでしょうか

遂にはトレーナーすらもアストンマーチャンの存在を忘れてしまいます。ただ『あなたが持っていれば安心』と渡されたマーちゃん人形、レンズに焼き付いたアストンマーチャンの走りだけは、消えない跡として残っていました。

辛うじて思い出したトレーナー以外は、トレセン学園のウマ娘、商店街の人たち、誰もアストンマーチャンのことを覚えていません

「この人形に似たウマ娘? うーん、見たことある気もするけど……」

「この間、猫と遊んでた子に似てる気が……。いや、違う子かなぁ」

誰のレンズにも映っていないアストンマーチャンを、トレーナーは探し続けます。

アストンマーチャンは夜の海に1人ぽつんと立っていました。その姿をようやく見つけたトレーナーに、アストンマーチャンは『海に呼ばれていた』と言います。

「マーちゃんはここまでなのです。少し早いですが、しょうがないのです。誰もが、上流から、下流へ。これは、当たり前のことなのですから。だから、さようなら

何を言っているのかはわかりません。ただ、重大な決断をしているのは伝わります。

「あなたがいれば、アストンマーチャンは消えない。だから、大丈夫なのです。マーちゃんのこと、みんなに伝えてください」

安心して、アストンマーチャンは踵を返します。引き留めたのは、『アストンマーチャンは、ここからなんだ』と、今も輝き続ける彼女を映したレンズでした

他の誰でもない。ウオッカでも、ダイワスカーレットでもない。アストンマーチャンが、ターフを駆ける。観客席は期待にざわめき、胸躍らせる。何度も土を蹴り上げ、瞬きする間にターフを駆け抜けて、何度でも、何度でも、夢を見せてくれる。

「……あなたには、まだ映っているのですね。キラキラしたマーチャンが、そしてまだ足りていないと。そうですか、そうなのですね、それは……困りましたね」

アストンマーチャンは、海に背を向けました

「呼ぶ声は無視します。河口へ行き、下流から、上流へ。水が押し寄せ、流れに負けて、海へ押し流されてしまうかもしれません。船底に穴が開き、帆も折れてしまうかもしれません。でも、それでも、マーちゃんの伝説は、まだ終わらない。わたしたちで、そういうことにしてしまいましょうか

不滅のマーちゃん

あの海の日以降は、全てが元通りになりました。

ブログのアクセス数も回復して、多くの観客が彼女の出走を今か今かと待っています

URA公式グッズ化も決定して、高台で飛び跳ねるぐらい喜びました。

そして『最高にキラキラするマーちゃんが見たい』と要望があったから、誰よりも輝き、誰よりも残るように走ります。

みんなの目にキラキラのアストンマーチャンが映っていました。忘れられないレースをありがとう、次のレースも楽しみにしている。

「アストンマーチャンです。アストンマーチャンですよ。覚えて、くれましたね」

興味のない子、少しある子、そんな子に、まずグッズを手に取ってみてほしい。そして興味を持って欲しい

遠い未来。おじいちゃんおばあちゃんになった時。いろいろな記憶に上書きされて、全部すっかり忘れてしまっていたとしても。人形はなくさなければ、タイムスリップができます。引き出しの中からマスコットがでてきたとき、懐かしいと言います。思い出した、昔すごく流行っていた、かわいいあの子だと

アストンマーチャンとの日々は丁寧に縫われて残り続けます。今も、これからも、遠い未来でも

とっておきのワガママ

実は自分がちょっとヘンテコだってこと、わかってるのです。マスコットを目指していること。忘れられることが、怖いこと

他の子はあまり言いません。あんまり通じないお話です。だから、わかっていました。

人生は独りでゆくものです。そう信じていました。今もそうです。

だからこそ。あの海の日、当たり前に逆らって、『君もいなきゃいやだ』なんて本当に言うヒトがいると思っていなくて。

心の中に染みるぐらい嬉しかった。……あなたが変で、よかったです

これからもよいですか? 長さも、速さも、深さも違います。その上、いつかは海につく道なのです。でも、それでも、可能な限り、わたしと一緒に流れ続けてくれますか