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メダリストは面白い?フィギュアスケート漫画の魅力4選

メダリストは面白い?フィギュアスケート漫画の魅力4選 アニメ・ゲーム・漫画・小説
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メダリスト 1巻 表紙
メダリスト

原作:つるまいかだ(講談社「アフタヌーン」連載)

巻数:既刊15巻(連載中・2026年9月時点で休載)

アニメ:第1期・第2期をTOKYO MXほかで2026年10月1日より再放送/劇場版は2027年2月19日公開

『メダリスト』は、フィギュアスケートで金メダルを目指す小学6年生と、彼女を引き受けたコーチの物語です。ただ、氷上のきらびやかさを楽しむ作品だと思って開くと、少し面食らうかもしれません。作者のつるまいかださんが「大きなテーマ」として名指ししているのは、もっと苦い一点だからです。

この記事では、10月1日から始まる第1期・第2期の再放送に合わせて、この漫画が何を描こうとしているのか、誰が出てくるのか、フィギュアスケートを知らない状態で読み始めても大丈夫なのかを整理します。

『メダリスト』はどんな作品?

ジャンルはスポーツ×師弟もの×群像劇です。舞台はフィギュアスケートの中でも、ジュニアよりさらに下のノービスと呼ばれる年代。つまり小学生の大会が主戦場になります。

主人公の結束いのりは、フィギュアスケートを独学で始めた小学6年生。家庭がスケートに前向きではなく、きちんと習う機会を得られずにいました。そこへ現れるのが、アイスダンスで全日本選手権に出場した経歴を持ちながら、いまは教える側に回っている明浦路司。スケートを始めたのが中学生と遅かった司は、いのりの境遇と情熱に自分を重ね、コーチとして彼女を引き受けます。

遅れて始めた者どうしが組む、というところが本作の骨格です。二人三脚でランクを上げながら、いのりは全日本選手権への出場、そしてオリンピックの金メダルという、口に出せば笑われるような目標に向かっていきます。

原作は2020年に「アフタヌーン」で連載が始まり、次にくるマンガ大賞2022のコミックス部門で1位、第68回小学館漫画賞、第48回講談社漫画賞を受賞しました。

2025年に始まったTVアニメでは、滑走シーンの振付をプロフィギュアスケーターの鈴木明子さんが担当し、複数のプロスケーターが制作監修に入りました。作画で「それっぽく」処理せず、実際に滑れる演技を起こしてから映像にしているのが、この作品の映像化の特徴です。第1期のオープニングを手がけた米津玄師さんも、もともとこの漫画の読者でした。アニメ化されると知って、自分から曲を作らせてほしいと持ちかけたのがきっかけだったそうです。

📖 1巻から読んでみる

いのりと司が出会うのが1巻です。この二人がなぜ組むことになったのかは、1冊読めば分かります。

主要キャラクター紹介

結束いのり(CV:春瀬なつみ)

オリンピックの金メダルを目指す小学6年生。フィギュアスケートは独学で始め、司の指導を受けて才能を開花させていきます。勉強は苦手で忘れ物も多く、自分の気持ちを言葉にするのも下手。不器用なところも含めて、滑ることだけが自分を支えている——そういうタイプの主人公です。

演じる春瀬なつみさんは、いのりを演じるうえで一番大事にしたのはスケートへの愛を絶やさないことだったと話しています。序盤の暗く内気ないのりと、終盤の明るく滑るいのりでは印象がまるで違う。それでも芯にあるものだけは動かさないように演じた、とのことです。いのりを動かしているのは、うまくなりたい気持ちより先に、滑るのが好きだという一点です。

明浦路 司(CV:大塚剛央)

ルクス東山FSCのアシスタントコーチで、本作のもう一人の主人公。アイスダンスで全日本選手権に出場した実力を持ち、いまは選手を育てる側にいます。中学生でスケートを始めた経験があるからこそ、遅れて始めた子の焦りが分かる人です。

大塚剛央さんはアニメイトタイムズのインタビューで、司のどこに魅力を感じるかと問われ、「何事も決めつけないところ」と答えました。誰と接するときも、その相手にどういう言葉が一番届くのかを常に考えている人物だ、という読み方です。教える内容と同じくらい、どう言うかを考える人——それが司というコーチです。

狼嵜 光(CV:市ノ瀬加那)

全日本ノービスB女子シングルの金メダリストで、高難度のジャンプ構成を武器にする「天才少女」。いのりにとっては心のライバルであり、光の側もまた、正面から挑んでくるいのりを認めています。

市ノ瀬加那さんは、最初のテストでは光を達観した天才として捉えて演じたところ、本番前のディレクションで「もっと子供っぽく。年相応のお芝居で」と指示を受けたと明かしています。リンクを降りれば、服や髪を褒められて素直に喜ぶ女の子。天才という肩書きの内側に等身大の小学生がいることは、この作品がライバルを描くときの基本姿勢でもあります。

夜鷹 純(CV:内田雄馬)

男子シングルのオリンピック金メダリスト。出場した全大会で金メダルを獲り、20歳で現役を退きました。現在は光の専属コーチを務めていますが、そのことは公表していません。

内田雄馬さんによれば、夜鷹は裏がある人物ではなく、「思っていることをただ素直に言う人」。周囲への気遣いや空気を読む必要を感じていないから、そのまま口に出しているだけだという解釈です。司にとっては、大きな影響を受けた相手でもあります。

鴗鳥理凰(CV:小市眞琴)

名港ウィンドFSC所属の小学6年生で、光とは幼馴染。父はオリンピック銀メダリストでヘッドコーチの鴗鳥慎一郎(CV:坂 泰斗)です。恵まれた立場そのものが重圧になり、伸び悩んでいました。普段は毒舌で生意気ですが、司にはよく懐いています。

小市眞琴さんは理凰について、「ガチガチのコンプレックスこそ、魅力」だと語っています。親にも、光にも、夜鷹にも劣等感がある。周りが天才だらけなので、他人から見れば十分に才能がある子なのに、本人は「まだまだ」としか思えない。才能がないのではなく、あるのにもがいている側の代表が理凰です。

三家田涼佳(CV:木野日菜)

通称ミケ。大人に甘える子どもも、子どもに味方する大人も大嫌い、と言い切る気の強さの持ち主で、扱いにくい子として描かれることの多いタイプです。

ところが作者は、講談社の育児メディアcocrecoのインタビューで、まったく逆の見方を示しています。社会性が乏しいことは必ずしもその子の欠けている部分ではない、ミケの気の強さや「大人にも反抗できる強い意志」は、実は「ものすごい才能じゃないか」と思って描いている、と。この作品で「才能」と呼ばれるものは、ジャンプが跳べることだけを指していません。

ここがすごい!『メダリスト』のおすすめポイント4選

① 才能は、自信をくれる一方で奪っていく

本作の背骨にあたる一文を、作者本人が残しています。米津玄師さんとの対談(コミックナタリー)で、つるまいかださんはこう話しました。「“才能”とは、自信を与えてくれる一方で、奪うものでもある」。そして「それを大人と子供の両方の視点から描いて考えていくことが、『メダリスト』の大きなテーマです」と続けています。

この一文を通してから読むと、登場人物の配置が全部つながります。才能があると言われて自信を得た子。才能があると言われたせいで自信を奪われた子。才能を測られ続けた末に、教える側へ回った大人。全員が、同じ一語に殴られている。

だから本作は、努力が報われる話としても、天才が無双する話としても収まりません。才能という言葉が人に何をするのかを、勝った側と負けた側の両方から見る——そういう作りです。

② 表彰台に乗れなかった子にも、ちゃんと顔がある

群像劇と呼べる作品は多くありますが、『メダリスト』の場合はキャラクターデザインの段階から設計されています。

作者はこの作品のために、フィギュアスケートのクラブへ足を運んで取材を重ねてきました。アニメ公式サイトの対談では、その現場で知ったことをこう話しています。ノービスの地方大会に出てくる子どもたちは、「表彰台に乗れない私たちは才能がないのか」という絶望から逃れるために猛烈な努力をしている。そもそも出場資格を得るだけでも難関のジャンプを跳べなければならないのだから、全員がすでに大きな壁を越えたアスリートのはずなのに、と。

その先に置かれているのが、この一文です。「みんなが主人公だよと沢山の人に思ってほしくて、キャラクターデザインも全員こだわって主人公に見えるように意識しました」。最終的に表彰台に立てなかった子についても、読者の誰かが「この子、私に似ている」と思えるように描いた、と説明しています。

つまり、対戦相手は「いのりの前に置かれた障害物」として用意されていません。勝った子の喜びと、負けた子の事情が、同じ試合のなかに並べて置かれる。だから大会の回は、誰か一人が勝ったところで終わりません。

③ 大人が主人公の座から降りない

少年少女が主人公の作品では、その子が大人になると下の世代へ主役を譲るのが普通です。本作は司をダブル主人公に据えることで、そこを外しにいきました。

その理由は、cocrecoの同じインタビューにあります。自分が大人になってみると、頑張る機会はむしろ増える。だから支える側を黒子のように描きたくなかった。「たとえ子どもを支える側だとしても、その努力や頑張りは輝かしいものとして描きたい。大人もずっと主人公にしていきたいんです」。青年誌である「アフタヌーン」に載っていることが、その判断を後押ししたとも語っています。

この設計があるので、司は「いのりを導く装置」になりません。教え方を模索し、コーチとして伸びていく過程のほうも、いのりの成長と同じ分量で書かれます。読者が自分を重ねる先が、子ども側と大人側の二つ用意されているということでもあります。

④ ルールが分かると、同じ演技が違って見える

フィギュアスケートは採点競技です。見慣れないうちに一番もやもやするのは、素敵だと思った演技の点数が伸びていない瞬間ではないでしょうか。

作者も同じところから入ったのだと、共同通信のフィギュアスケート専門サイトDeep Edge Plusのインタビューで振り返ります。「あれ? 思ったより点数が伸びてない」と感じ、ルールを調べてみると答えがあった。その発見の楽しさを読者にも味わってほしくて、少しずつ物語にルールを乗せている、という説明です。

そして、本作が技術の描写に紙幅を割く理由も、同じ場所で語られます。「テクニックがあってこそ、芸術がある」——絵を描くことと似ていて、下積みでデッサン力を高めないと、その先の表現の自由度は狭くなる。だから土台のスケーティング技術の話を先に描いている、と。

読み終わると、実際の中継の見え方が変わります。ジャンプの構成、自由に踊っているように見えるステップに並んだチェック項目、どこで点が落ちているのか。ここが見えるようになるぶん、フィギュアを知らずに入った読者ほど得をします。

📚 まとめて読むなら

『メダリスト』は1冊で1話が完結する作品ではありません。一つの大会が決着するまでに、単行本3冊ぶん進むこともあります。その間にライバル側の練習や家庭の事情が差し込まれていくので、間を空けて読むと、誰が何を懸けて滑っているのかを見失います。1冊ずつ買い足すより、手元にまとめて置いたほうが噛み合う作品です。

アニメ『メダリスト』の放送・配信情報

再放送第1期・第2期/TOKYO MX 2026年10月1日より毎週木曜22:00〜/BS朝日 10月3日より毎週土曜26:30〜
第1期2025年放送(全13話)
第2期2026年1月24日〜 テレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠(全9話)
劇場版劇場版『メダリスト』2027年2月19日(金)公開
原作つるまいかだ(講談社「アフタヌーン」連載)
監督山本靖貴
シリーズ構成・脚本花田十輝
キャラクターデザイン亀山千夏
フィギュアスケート振付鈴木明子
フィギュアスケート監督・3DCGディレクターこうじ
音楽林ゆうき
音響監督今泉雄一
アニメーション制作ENGI
第1期主題歌OP:米津玄師「BOW AND ARROW」/ED:ねぐせ。「アタシのドレス」
第2期主題歌OP:HANA「Cold Night」/ED:Conton Candy「Rookies」
キャスト結束いのり:春瀬なつみ/明浦路 司:大塚剛央/狼嵜 光:市ノ瀬加那/夜鷹 純:内田雄馬/鴗鳥理凰:小市眞琴/鴗鳥慎一郎:坂 泰斗/三家田涼佳:木野日菜/那智鞠緒:戸田めぐみ/大和絵馬:小岩井ことり/鹿本すず:伊藤彩沙
📺 アニメ『メダリスト』を観る

観る前にひとつだけ。『メダリスト』は第1期と第2期で視聴先が変わります。第1期(全13話)はHuluとU-NEXTの見放題対象です。Huluは定額の見放題サービスで、対象作品は1話ごとの追加課金なしで視聴できます。U-NEXTは初回登録の場合、31日間無料トライアルの期間から視聴を始められます。一方の第2期(全9話)はディズニープラス スターでの配信です。第1期の続きがそのまま第2期なので、はじめから通しで観るつもりなら、ディズニープラスをHuluとセットで契約できる「Hulu | Disney+ セットプラン」でそろえておくほうが手間がありません。

※本ページの情報は2026年9月時点のものです。最新の配信状況・料金は各公式サイトでご確認ください。

なお、アニメを最後まで観たあとで原作のどこから読めばいいのかは、メダリスト2期の続きは漫画8巻から|3期と劇場版も解説のほうで、巻の区切りと劇場版が描く範囲までまとめてあります。

よくある疑問に答えます

フィギュアスケートを知らなくても楽しめますか?

大丈夫です。むしろ知らない側のほうが得をします。作中では、ジャンプの種類や得点の付き方が、物語の必要に応じて少しずつ説明される形です。読者が難しいと感じてしまわないよう、ルールは少しずつ物語に乗せるようにしている、と作者も述べていました。

情報が一度に押し寄せてくる作りにはなっていません。用語集を先に読む必要はなく、1巻から順に読めば自然と分かるようになります。

アニメと漫画、どちらから入るのがいいですか?

目的で選べます。滑りそのものを見たいならアニメです。プロスケーターが振り付けた演技を映像で起こしているので、原作では止まっている一枚が動きます。心の動きを細かく追いたいなら漫画です。試合中の選手が何を考えているかはモノローグで書かれる部分が多く、ここは紙面のほうが密度があります。どちらから入っても物語の順番は同じなので、迷ったら手に取りやすいほうで構いません。なお、アニメ側には原作にない場面が足されている箇所もあります。片方が欠けているという話ではなく、同じ場面を二度、違う形で味わえるということです。

原作はいま何巻まで出ていますか?

15巻まで出ています。ただし連載はいま止まっています。漫画の公式アカウントが2026年9月に休載を告知していて、再開の時期はまだ出ていません。とはいえこれから読み始める側から見れば、15冊が先に積まれている状態です。途中で待たされる心配はしばらくないので、新刊のペースを当てにした買い方だけ避けておけば大丈夫です。

こんな人におすすめ!

  • 採点される世界で戦う話が好きな人――勝敗が誰かに判定される競技なので、「うまくやったのに届かない」の描き方が細かいです
  • 才能という言葉に一度でも刺された経験がある人――才能がある側の苦しさと、ない側の苦しさが同じ重さで置かれています
  • 教える側・支える側の物語を読みたい人――コーチの司は脇役ではなく、もう一人の主人公として扱われます
  • 対戦相手にまで肩入れしてしまう群像劇が読みたい人――一人ひとりに事情が配られているので、大会が進むほど応援したい選手が増えます
  • 『左ききのエレン』や『ワールド イズ ダンシング』を読んだ人――才能と技術をめぐる話として近い場所にあります

まとめ

『メダリスト』は、氷の上でジャンプが跳べるようになっていく話ではありません。才能という一語が、与えられた側と与えられなかった側の両方に何をするのか。それを、いま挑んでいる小学生と、かつて自分も測られた側だった大人の二人分の視点から書き続けている作品です。作者がテーマとして名指ししたその一点を軸に置くと、勝った子も負けた子も、コーチも親も、全員が同じ問いの中に立っていることが見えてきます。

そして読み進めるうちに変わるのは、作品の見え方だけではありません。技術の話を省かずに描いてきた漫画なので、読者のほうが競技を見る目を手に入れてしまう。読んだぶんだけ、作品の外側にある現実まで面白くなっていくという珍しい副作用がついてきます。

10月1日からは第1期・第2期の再放送が始まり、2027年2月には劇場版が控えています。再放送に合わせて1巻から並走するのも、先に原作を走り切ってから映像を観るのも、どちらも間に合う時期です。

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📕 原作漫画から始める
メダリスト 1巻

つるまいかだ『メダリスト』既刊15巻。試合中の選手が何を考えて構成を組み立てているかは、原作のモノローグがいちばん細かく踏み込みます。紙で揃えるなら全巻セット、電子で追いつくならまとめ買いが早いです。

🎬 アニメで観る

鈴木明子さんが振り付けた演技が実際にどう動くのかは、原作の止まった一枚では確かめられない部分です。第1期の全13話はHuluとU-NEXTの見放題対象。第2期まで手を伸ばす場合は、ディズニープラスを含むセットプランのほうが契約が一つで済みます。

※本ページの情報は2026年9月時点のものです。最新の配信状況・料金は各公式サイトでご確認ください。

 

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