『ミスターシービー(ウマ娘)』ストーリーネタバレ・下

の続き。

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関連ウマ娘

興味があれば首を突っ込むフットワークの軽さと、誰が相手でも物怖じしない性格から、意外と交友関係は広いです。『三冠ウマ娘』として顔を出すだけでなく、基本的に『名前があるウマ娘=面白いウマ娘』なので、様々なウマ娘の育成ストーリーにフラッと登場します

『シンボリルドルフ』を始めとする生徒会に始まり、『シリウスシンボリ』を中心とする不良ウマ娘の集まりにも繋がりがあります。

学園内外で一緒に行動することが多いのは、『マルゼンスキー』と『カツラギエース』。

『ダイイチルビー』や『スイープトウショウ』といった性格が全然違う面々とも、会話を楽しんでいます。

カツラギエース

お互いに誕生日を祝う仲で(ミスターシービーは直前まで忘れていた)、よく2人で併走してそのまま迷子になります(周年イベントと誕生日会話で2回)。ミスターシービーの自由な言動に、カツラギエースがツッコミを入れているのが日常です。

ライバルとしては、カツラギエースがミスターシービーを『自分が思い描くエースの姿で強敵』として強く意識しています。

ミスターシービーも好敵手として、愚直なほど真っ直ぐに挑んでくるカツラギエースとのレースを楽しみにしています。

マルゼンスキー

2人で山に登ったり、映画を観に行くなど、遊びに行くことが多いです。CDの貸し借りもしています。マルゼンスキーもひとり暮らしで、その大変さがわかるためか、家事全般が雑なミスターシービーにアドバイスをしています。

ミスターシービーにとってマルゼンスキーは、自由奔放な性格の裏にある不器用さをわかってくれる理解者です。好敵手としても強く意識しており、誕生日にマルゼンスキーとの併走をプレゼントされた時は、『素敵なプレゼント』と喜んでいます。。

マルゼンスキーも、想像の斜め上をいくミスターシービーのことを『チャーミングで好き』と言い、『お姉さんのマルゼンスキー』ではなく『スーパーカー』としてぶつかれる数少ない相手です。

シンボリルドルフ

同じ三冠ウマ娘として、パーティに招待されるなど、学園行事で一緒に行動することが多いです。ミスターシービーの自由奔放な振る舞いに、シンボリルドルフは生徒会長として、煩わしいと思われることがわかっていながら忠告します。ミスターシービーも、シンボリルドルフが説教や忠告をしなければならない立場なのは理解していますが、苦手なものは苦手です。

友人としては、『雨の日に、ミスターシービーがびしょ濡れで帰ってくるのを予想してタオルの準備』『ミスターシービーが溜めているレポートの回収に向かい、マルゼンスキーが提案した「最後まで踊り続けられたほうのお願いをなんでも聞く権利」を賭けてダンスバトルする』など、付き合いの長さを感じます。また2人揃って『種目別競技大会で、自分達の走るレースが目玉レースだと気づかない』といった具合に、ウマ娘としての魅力に無頓着な部分が似ています。

ライバルとしては、ミスターシービーはシンボリルドルフのことをカツラギエースと同様に『楽しいレースができる好敵手』と見ており、彼女の野望『全てのウマ娘たちの幸福な日々のために戦っている』ことも理解しています。シンボリルドルフは、レース前のインタビューにて『天敵。天衣無縫な生き様が最も厄介。いくら憧憬しようと決して真似できない生来の自由人。その姿は多くの人々を魅了し、多くのウマ娘に憧れと興奮を与えます。彼女なら君臨し得る、そして私の野望は潰える。ミスターシービーに勝ってこそ、皇帝の座につける。だからこそ負けられない』と周囲が怖がるほどの圧で果たし状を叩きつけています。

シリウスシンボリ

連絡先を知っており、何度か取引しています。波長が合うらしく、ミスターシービーは、シンボリシリウスの『嘘のない』ところが好きです。シリウスシンボリも、ミスターシービーの『世界が自分のために存在しているような振る舞い』を気に入っています。

ダイイチルビー

親の付き合いで出たパーティで何回も顔を合わせています。ただ、トレーナーの『2人は仲が良いのか?』という質問に対して、ダイイチルビーは『特段そういったわけでは』と否定しており、ミスターシービーは『ひどいなぁ』と苦笑いしていました。

なんだかんだ顔を合わせる機会が多く、ダイイチルビーが和菓子屋の店番をすると聞いて、ミスターシービーは面白そうだと思うも『ああ、でも、あんまり面白くはならないか。あの子が、できないことをするはずがないもの』と思い直す程度には理解しています。

ダイイチルビーも、学園関係者どころか本人すら気づいていなかった『幻のシンガーの正体=ミスターシービー』を即座に見抜くなど、人となりがわかっています。ミスターシービーの誕生日会話でも、気ままに過ごすことから『手に触れられる物(服やアクセサリー)』ではなく、心に残る思い出の方が喜ぶと、短い癒しの時間『アフタヌーンティー』に誘っています。

育成ストーリー

ウマ娘としてのミスターシービー

ストーリー内では、『稀に見る速さがいつまでも緩まず、徐々に加速していく』と表現されており、常識破りな走り方と言われています。

感覚で走るウマ娘で、レース時の基本的な作戦は『走ってみなきゃわかんない。ここだ! って思ったとこで飛ばす』と滅茶苦茶です。坂はゆっくり上ってゆっくり下がるものですが、加速し続けて突破するなど、誰にも真似できません。

リスクは高いが、自由に動きやすい『追い込み』を好み、他のウマ娘が止まって見えるほどの圧倒的な末脚で抜き去ります。本人は追い込みを好んでいますが、本来の脚質から考えると『自分でペースを作れる』前でのレースが向いており、ファンからも先行ならもっと勝ちやすいと言われています。

実際にストーリー内では、『全体のペースが遅く、先行が有利なレース』で、コロッと負けていました

そんな周囲の声に影響されず、勝率度外視で『自由にレースを走る』という1つの信念を貫き通すのが、ミスターシービーの強みです。自由奔放だからこそ既存の型にはまらず、常識を覆す、非常識すらも超えていきます。

レースは走って、楽しんで、そして勝つ。それが一番という考えを持ち、レース終盤に怒号が響く局面でも、笑ってレースを楽しみます

『レースを楽しみたい』『栄冠の価値がわからない』という言動から、勝利に対する執念は薄そうに見えますが、レースへの執着心は強いです。また負ければ悔しいと思い、顔は笑っていますが燃え上がります。アニバーサリーイベントでシリウスシンボリに挑発された時も、闘志に火がついた声音で煽り返しており、ウマ娘としての闘争本能はその実力に見合っています。

また他人の行動に介入しないスタンスですが、カツラギエースがミスターシービーを好敵手ではなく『思い描いていたエースの姿、乗り越えるべき壁』と見なした時は、『アタシをアタシとして見ていない。君の視線の先にあるのは乗り越え方で、勝利じゃない。そんなのはレースじゃない』と珍しく怒っていました。自分が認めた好敵手とのレースを楽しむために、実力で完膚なきまでに打ちのめすことで、『好戦的で叛逆的なカツラギエース』に『あんたは壁じゃない、敵だ。あたしの勝利をかっさらってく強敵だ』と言わせています。

サクラチヨノオーシナリオでも、マルゼンスキーが中央シリーズから離れようとした時は、サクラチヨノオーを扇動する形で引き留めています。

そんな感じで自分が望むレースのために動く時は、『まぁ、アタシは神話のように天駆けるウマ娘じゃないからね。自分が見たいものを見たいと望み、誰かがいなくなることを寂しがるワガママな子供でいてもいいでしょう?』とズルい発言をしています。

ただレースを愛する

母親が名ウマ娘で、父親がそのトレーナーであったことから、トレセン学園入学前から噂になっていました。その前評判通りの才能に溢れており、スカウトするトレーナーが後を絶たない状況でした。

数多くのトレーナーから天才と称され、デビュー前の段階から『G1勝利、URA賞の受賞、三冠ウマ娘、神話越え』を期待されています。

ウマ娘にとっては最上級の評価ですが、ミスターシービー本人にとっては、心底興味が持てない事柄でした。

『三冠ウマ娘』といった明確な『目標』だけでなく、シンボリルドルフのように『ウマ娘の未来のために走りたい』といった、誰かの笑顔のために、なにかを盛り上げるために走るといった『夢』もありません。その素晴らしさを理解していますが、ミスターシービーにとって、ターフはそういうものじゃないです。

ただ走るためにあるもの、それだけのもの。それこそが至上の幸福

ミスターシービーは走るために生きています。それ以上はいらない、それ以上の価値なんてどうでもいい。楽しくてたまらないから、熱く優しく、レースを愛しています。根本的な価値観が、世間と大きくずれているウマ娘です。

栄冠の価値がわからないから、トレーナーが望むものを叶えたいと思えない。一緒に歩むことができない。だからといって、ミスターシービーに無理に合わせてもらうのもよくないと思い、利害が一致しないスカウトは断ってきました。

また勝率重視の決められた走りが苦手で、『勝率を無視して心のままに走る』ことを許容できるトレーナーでなければ、衝突は必須です。

レース選びの基準も『強い子がいるレース』『カツラギエースやシンボリルドルフが走るレース』がいいからとG1レースを選び、納得できなければ、出走すらごねます。『砂の感触が気持ちいいなって思えば、ダートのレースだって走りたくなると思う』と言っており、制御は不可能です。

非公式のレースで熱くなり、トレーニングの時間を忘れるなど、レースが何よりも大切でトレーニングはオマケです。

もしミスターシービーが自由に走ることに、ただ夢を見てくれるトレーナーが現れたなら、ピタッとはまるでしょう。それはミスターシービーもトレーナーも我慢しない、凄く心地が良い関係です

『キミはアタシに夢を見てよ、アタシは好きに走るから。アタシはなにがあっても、キミの夢見るミスターシービーで居続ける。約束するよ

誰よりも自由なウマ娘

勝率を無視して心のままに走る。しかしそれでも、勝ってしまう

良くも悪くも好き勝手で、舗装された道を歩かないからこそ、知らない世界が開けていく。ミスターシービーなら何でもできると思わせてくれる。褪せた世界を色づける力がある。

そんな常識破りの天才に、多くのファンが期待しています。『神話』が見られると、夢を見ています

しかし、三冠ウマ娘になっても、栄冠に興味を持てません。走り方について、『こうすればもっとよくなる』とファンから手紙が届いても、自分の走り方を曲げようとしないです

やがてシンボリルドルフがデビューしたことで、世間では『ミスターシービーとシンボリルドルフ、どちらが強いか』と意見が割れました。

『ミスターシービーは見ていて楽しいが、勝負しすぎ』『シンボリルドルフとはスタンスが真逆、凄いけど、勝ちにいくレースはしない』『ミスターシービーは一流だけど伝説にはなれない』『これからのレース界をひっぱるのはシンボリルドルフだ』『ミスターシービーの名は、引退すればきっともう、大して語られなくなるだろう』

『シンボリルドルフは背負ってくれる。俺たちの願いを叶えようとしてくれる

シニア級に入ってからは特に、ミスターシービーが求めるものと、周囲が彼女に望むものとは明確に差が出てきました。

周囲の声に対して、『夢は自由に見るもの、それを止めさせる権利はアタシにはない』とミスターシービーは答えます。どう見てもらってもいい。役割を持たせてもいい、夢を乗せてもいい。伝説として語っても構わないし。ダシにしてこきおろしてもいい。別の誰かを応援し始めてもいい。

ただ、どうあってもスタンスは変えません。それはファンの存在なんて関係ないのではなく、ターフは世界で一番自由な場所だから、ファンの気持ちをミスターシービーは背負わないし決めることもしない。

『キミたちは好きに見るべきだ。アタシが好きに走っているように』

トレセン学園入学前から何も変わらず、貫き通してきた1つの信念です。

ミスターシービーは初めから最後まで、それが不利な走り方だと理解しようと、多くの人から反対されようと『ターフはただ自由に走る場所』という意志を貫き通します。どんな時でも自分を曲げず、自分を信じ、好きなようにレースを走る。だからこそ胸が高鳴り、レースに夢を見たくなる。

王道ではなかったかもしれない、誰も知らない裏道だったかもしれない。だとしても、決して曲がりくねってはいなかった。誰よりも真っすぐに歩いていた。

誰より自由で誰より破天荒なウマ娘。そんな彼女の歩む道はきっとこれからも、息をのむほどの景色ばかりに違いない。ミスターシービーの自由な旅路は終わりません

アタシは自由でいいんだ

誰かのために走りたくなったか? まさか。ただ、そうあれたらどんな気持ちなんだろうって、ちょっとだけ、気になるだけ。

縛られるのは苦手。強制されるのも期待されるのも。誰かのために、なにかの目的のためにレースを走ることは、今も、これからもできない

それができることに感心はする。すごさはわかってる。目指す子がいたら応援したいし、みんなの夢をバカにする気もない。

でも自分でやろうとは思わないんだ。思えないことを悲しいとも思わないし、変えたいとも思わない。けど……そんな自分を客観的に見るとさ、なにか大事なものが欠けてるんじゃないかって思った。

だから、誰のためにも走れないんだって。

アタシが自由奔放なことはさ、周りにいい影響を与えてこなかった

レース関係では特にね。がっかりさせたり、怒らせたりしてばっかり。『追い込みは勝率が安定しない。どうして勝手に走るの?』って言われてきた。だからって言われた通りに走ろうとすると、全然楽しくなくってさ。そうすると、走る意味がなくなるんだ。アタシにとってはね。

だから、言うことは聞かないって決めた。なにがあっても心のままに走るんだって。絶対に誰にも、奪わせたりしないって、ね

でも、レースで勝ちたいと思った時に。今からでも対策を練って、より有利な走り方を考えてみようか、なんてさ。そんなことが頭をよぎる。けど、キミの顔を見ると思い出すんだ

『アタシは自由に走るミスターシービーで居続けるんだ』って約束したことを。

あの時、アタシはキミの世界を広げてるって言ってくれた。そのことが、どんなにアタシを勇気づけたか、わからない?

アタシが自由に走ることに、ただ夢を見てくれるってことが、心底嬉しかった。

アタシの走りが誰かの心に残るなら、それはきっと幸せなことだから

これからもきっと、ずっと。キミがくれたものは心の真ん中で燃え続ける。

アタシからは生まれ得ない、不思議な追い風が吹き続ける

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